アントニー@草月ホール
アントニー&オーノズを観て来ました。
始まる前から、
妙な緊張感があり、
咳払いさえも憚れるような雰囲気でしたが、
そんな中、
女性ダンサーの呪術的でプリミティブな舞踏が始まり、
会場内に不穏な空気を作り出した後、
幕が開き、
アントニーが「Her Eyes Are Underneath The Ground」を歌いだしました。
あの声で。
一発でもっていかれました。
全身鳥肌。
まさに I Am a Bird なう。
同時に大野氏の奇妙な舞踏が始まり、
「舞踏とは抽象でなければならない」との大野氏の言葉通りに、
もちろん意味不明ではありましたが、
アントニーの歌と相まって、
素晴らしい空間を作り上げていました。
このパフォーマンスの持つ質感は、
今までに味わったことのないものであり、
アントニーの表情や佇まいから発散された、
性を超えた神々しさとともに、
最後に大野氏へのリスペクトを表現した際の、
ハートウォーミングな空気感!
鳴り止まぬ拍手とともに、
特別な余韻に包まれました。
90
マラドーナ
映画「マラドーナ」を観て来ました。
ピュアな精神と、強烈な反骨精神を持ち、
スキャンダルにまみれたフットボール史上不世出の大天才。
クストリッツァ監督は、
彼はサッカー選手でなければ革命家になっただろうと言っていましたが、
そうかもしれないし、
もしくは、
酒場でクダを巻く性質の悪い酔いどれになっていた可能性も捨てがたい。
最も印象に残ったのは、
86年のワールドカップでのイングランド戦での二つのゴールのハナシで、
1点目をハンドで押し込み、そのすぐ後に、
伝説となった5人抜きシュートを決めたあの試合ですが、
マラドーナは、伝説となった5人抜きよりも、
ハンドで押し込んだ1点目を誇りに思っていました。
フォークランド紛争でアルゼンチンに戦争を仕掛けた大国イングランドを、
まんまとペテンにかけたことの痛快感は、
正当な技術で完膚なきまでに相手を叩きのめした5人抜きよりも
はるかに価値あることだったようで、
奴らから盗んでやった気分だよと言って、
せせら笑うマラドン。
国家間の代理戦争という意識で戦っていたマラドーナであれば、
スポーツマンとして云々というキレイごとなどは、
ハナから次元が違うハナシなのでしょう。
これが、
アンリが同じ発言をした日にゃ、
とんでもないことになるわけですが・・・
また、
あの時代背景において、
あの大舞台で憎きイングランド相手に、
清濁極めつけの2ゴールを叩き込んだマラドーナは、
そりゃ母国ではとんでもないカリスマとなるわけです。
現在のマラドンは、
アルゼンチン代表監督として、
迷走しまくっており、
かなりボロボロに非難を浴びまくっていますが、
もともとマラドーナを監督にすること自体がギャンブルであり、
彼の監督としての経験=ゼロ、適性=ゼロ、戦術=ゼロ は、
分かりきっていたことであり、
それを補って余りある何かをチームに注入するための起用だったわけで、
監督として無能だということで彼を責めるのはお門違いで、
本来責められるべきはギャンブルに挑んだ協会のはず。
とはいえ、
この映画を見ると、
その何かに期待したくなる気持ちが十分にわかりますし、
アルヘンファンとしても、
まあ、
マラドンと心中だなと、
そんな思いにもなってきます。
基本的には、
人間マラドーナのエッセンスを抽出したドキュメンタリーですが、
随所に挿入される、彼のスーパープレーは凄まじく、
10人ほどの客数でしたが、たびたびどよめきが起こりました。
25年前のユルいディフェンスに対して、
現在の最先端であるリオネル・メッシレベルのドリブルを駆使し、
ありえないシュートを決めるマラドン。
凄いです。
インビクタス
インビクタスを観てきました。
イーストウッド、マンデラ、ラグビーの組み合わせだけに、
観る前から今年の圧倒的なベストワンだろうと、
期待のハードルを勝手に上げまくっていましたが、
ちょっと、ハードル上げすぎたような・・・
チェンジリングやグラントリノと比べると、
ラストを迎えるまでのタメが弱いというか、
前の2作はタメにタメた末に、
実にネガティブな結末を迎え、
ゆえに、
とんでもない余韻を残したのですが、
インビクタスは、
マンデラやスプリングボクスの苦難苦闘というタメがやや弱く、
ラストの歓喜の破壊力がもう一つだったように思います。
それに、
今まで映画でのスポーツシーンで一喜一憂したことはなく、
スポーツの試合展開でストーリーを作るのは反則っていう思いもあって、
ラグビー好きではありますが、
試合シーンが多すぎたという気もし、
ゆえに、映画の密度が薄まったという印象になったかもしれません。
とはいえ、
ラグビー好きにはタマらん映画であることは間違いなく、
舞台となった94年のワールドカップは、
日本がオールブラックスに歴史的大敗を喫した大会であり、
そのことも映画に出てきますし、
映画を観ていると、
オールブラックスのマーティンスがERのカーター先生に似てたとか、
あんな黒人のおっさん居たなぁチェスターウィリアムスとか、
おお、ジョナ・ロムー!とか、
断片的にイロイロと思い出し、
ラグビー好きゆえに、
映画の基本ラインから、
たびたび気が散ってしまいます。
この映画でオールブラックスの怪物ウィングとして登場するロムーですが、
195cm120kgながら100mを10秒台で走るという、
まさに超人でした。
ちょっと自慢がはいりますが、
ワタシはジョナ・ロムーのサインを持っています!
当時はオールブラックスを応援していたので、
ロムーを抑えられたこの試合は、
あまり面白くないという印象を持っていましたが、
あらためて見直したくなりました。
ちなみにワタシがネルソン・マンデラのことを知ったのは、
スペシャルAKAの曲からでした。
映画の内容からは大幅にそれましたが。。。
否定的な書き出しでしたが、
それでも今年のベスト級のクオリティではあります。
85
ミレニアム ドラゴンタトゥーの女 (映画)
小説を映画化すると、原作の良さを台無しにしてしまうことも多々あり、
かのイーストウッドもマイクル・コナリーの作品を映画化した時はあまり良くなかったし、
クイネルの傑作「燃える男」(not猪木)にしても、
原作に忠実に作っちまえば、アクション冒険映画の傑作になりうるはずだったのに、
設定以外すべて変えられてヒドイことになってました。
今回のミレニアムですが、
原作にはエンタメ小説の旨み成分が豊富に含まれていますが、
ストーリーとキャラクターに絞って、
いい塩梅にまとまっており、
まったく問題なし=原作の良さを殺してません。
一枚の写真から一気に謎解きが加速していく、
原作の最もスリリングな部分も見事。
この映画化のキモは、
なんといってもリスベット・サランデルをどう演じるか、
だと思うのですが、
コレは完璧にクリアされていていました。
というか、
そもそも本の帯に映画化されたサランデルの顔写真がドカンと載っており、
そのイメージで小説を読んでいたわけだから、
イメージ通りもクソもないわけなんですけど。
本国のスウェーデンでも、
彼女は絶賛されているようです。
それにしても、
スウェーデン人の名前は覚えにくく、
リスベット・サランデル=リサンドロ・ロペス
ヴァンゲル=ヴェンゲル監督
ミカエル・ヴルムクヴィスト=ファンブロンクホルスト
と、サッカー関係で軽い脳内変換をしながら読んでましたが、
映画でのミカエルは、
ファンブロンクホルストではなく、
ヨハン・クライフのようでありました。
余談ですが。
75
ミレニアム
噂のミレニアム3部作、
6冊トータル約1万円を読了。
スウェーデン発のミステリーで、
全世界で2000万部を売りまくった怪物シリーズ。
ミレニアムというタイトルと本の装丁からして、
なんだかSFファンタジーっぽいし、
かつ、
「ドラゴンタトゥーの女」という余計なサブタイトルが致命的で、
本屋で見かけてはいたものの、
まったくフックがかからなかったのですが、
去年のミステリーベストで、
上位独占であり、
しかも絶賛の嵐とくれば、
読まぬわけにいきません。
で、
正月休みから読み始め、
先週で読み終えました。
あまりにも評価が高いのですが、
歴史的傑作かというと、
それほどではありませんが、
とはいえ、
3作すべてが年間ベストのトップクラスの面白さという、
驚異的水準を維持しており、
これをまとめて読み通すと、
かなりヤられることは間違いありません。
映画も観ないワケにはいかなくなります。
リスベット・サランデル萌えなどという輩も発生しているとか。
それにしても、
スウェーデンだけに、
どいつもこいつも奔放極まりないのだ。
85
某雑誌に、
きょうびツイッターが出来んようでは、
オハナシになりませんぞ、
ハト某も始めてるし。。。
などと書かれていたので、
昨日から始めてみましたが、
なんか、
どうなんだ?
とりあえず、
ライアン・ギグスとか、
デビッド・バザンとか、
サダハルンバとか、
ハトとか、
をフォローしてみたものの、
イマイチ仕組みがよくわからん。
そもそも、
ネット上でコミュニケーションとるのは、
わりと苦手なので、
そう考えると向いてなさそうなのですが、
しばらくは続けてみようと思っとります。
脳内マクドナルド
最近は、
年末年始に付着した脂肪を落とそうと、
軽いダイエットをしているわけですが、
やはり一番避けるべきは、
深夜の飲食ということでしょうか。
土曜日の深夜0時からは、
マンU対バーンリーの試合がありました。
この日は夕食も早い時間に終えていたため、
かなりの空腹感を覚えつつの観戦となりました。
空腹を感じてはいたものの、
時間が時間だけに、
何も食わんぞとの強い意思をもって挑んだのですが。。。
不幸にも、
バーンリーに、
マクドナルドという名の選手がいて、
それがまた、
結構プレーに絡むものだから、
倉敷アナも、
「マクドナルド」
「マクドナルド」
と実況するわけです。
これはキツイ。
空腹の状態で、
口の中にダブルチーズバーガーやポテトの味が広がっていくという、
脳内マクドナルド状態となってしまい、
結局、
そのへんにあったものをバクバク食っちまいました。。。
夜中のバーンリーは要注意ですな。
脳内ニューヨーク
シネマテークで、
脳内ニューヨークを観てきました。
深い絶望を抱えた主人公の、
人生の断片を切り取り、
時系列無視して並び替え、
そこに矛盾と不条理を加味し、
妄想と現実の境界を引かず、
劇中劇と劇中劇中劇と現実をごっちゃにし、
微妙なユーモアをちりばめた、
そんなややこしい映画でした。
ワケが分からない前提で、
感覚的に好きか嫌いか、
といった類の作品で、
こういう難解なモノを、
感覚的にビシッと捉えたいと思ってはいるのですが、
いかんせん、
感性凡庸なだけに共振できず、
今回も結構退屈でした。
ぶっとんだ感性の監督が、
自己満足出来る範疇で作った、
鑑賞者を選ぶ、
かなり要注意な作品。
アバター
アバターをIMAXにて鑑賞。
映画のジャンル的にはあまりそそられなかったですが、
驚愕の3D映像は絶対に見ておかなくてはと思い、
仕事の合間に(約3時間)ササッと見てきました。
最初から3D全開で、
酔いそうになるくらいのとんでもなさ。
これは、
凄いです。
人類が、
パンドラという惑星に埋蔵されているレアメタルを求め、
イグアインやメッシのような風貌をした異形の住人達を蹂躙しようとする。
人類を完全なる悪として描いてます。
ワタシは頭脳警察ドキュメントを観て「響」のアルバムを聴いた後だけに、
パンドラに住む異形の民族=パレスチナのアラブ人で、
人類=イスラエル(アメリカ)というイメージがバシッと付いてしまいました。
迫力の戦闘シーンの連発は目が疲れるし、
映像的にも段々と慣れてしまうし、
なんらかの余韻の残る映画ってわけでもありませんが、
なにはともあれ、
映画館で3Dで観るべし。
余談
最近「Lost 2」を見ているのですが、
アナルシアが良い感じの役で出てましたな…
80
頭脳警察
先週、今池のシネマテークにて、
頭脳警察のドキュメンタリー(3部作で5時間15分)を見てきました。
頭脳警察再々結成に至る3年間を追ったフィルムで、
パンタの現場復帰から、
母の葬儀と氷川丸関係者へのインタビュー、
重信房子の娘を交えてのレコーディング風景、
西部講堂でのライブなどが、
たっぷりのライブ映像とともに綴られ、
ドキュメンタリーの面白さとともに、
非日常的な音量でロックを聴くことの素晴らしさを味わえました。
革命三部作など、
政治的な色合いが強いのですが、
日本赤軍の重信房子に対するスタンスなどは、
政治的というよりは生き様に対するシンパシーという感じ。
「重信房子はオレ自身だ」の一言は衝撃的でした。
あらためて思いましたが、
「銃を取れ~マラブンダバレー」は、
ロックそのものというか、
ロックの原点かつ最終的な回答ともいえる、
とんでもない名曲ですな。
