Amazonプライムで『アルキメデスの大戦』という映画を観た。
視点を変えて戦争を扱ったもので、見て良かったと思える作品だった。
数学の力を用いて巨大戦艦の建造を止めようとする物語。
主人公は天才的なセンスと頭脳を使って、戦艦大和の安すぎる建造費のウソを暴く。
戦争を避けるために奮闘する人々を描いているが、結果は史実と同じに(そうなってしまう理由やプロセスがこの映画の見どころなのだ)。
題名はあの有名な、アルキメデスが王冠は純金では無いと見破った話からだろう。
王が職人に純金の塊を渡し、王冠を作らせたが銀が混ぜられたとの噂。
「王冠を壊さずに金の純度を調べよ」と命ぜられ、金銀の密度(体積)の差を水のあふれ出る量で比較したという理科の授業で出てきた奴だ。
ザックリ言うとこの映画の前中半はこれと同じような話。
時間が無くなり主人公が、エイヤーっと見積をするのに2階微分方程式(ほんと?)を一つ作る。
映画だから『凄い!』の一言で済む、いや済ました方が映画を楽しめるw。
事実、私は最後のシーンで大和の出航に涙する主人公の姿まで堪能できた。
しかし少しだけ突っ込みたい(しかも斜め上から目線で)
定数項と変数1つ(鉄の重量)で成り立つ相関式で四桁の数字を言い当てる。
体重を聞いただけで身長をコンマ台まで言い当てる位難しい。
かのアンドレ・ザ・ジャイアントは223cm、体重はデビュー時171kg、晩年は280kgと成長していった。
変数をもうひとつ、例えばウェストを入れればずっと相関は良くなるのだが。
式を導いた過去例は10年以上前のもの、円の価値も変動する。
同じ艦を作っても年によって金額は変るだろうし、鉄以外の変数の誤差(排水量・対空装備etc)で下一桁まではいくら何でもw
映画で問題視した抱合せ予算取り(他の艦の費用を上げる事で帳尻合わせを行う)が常態化ならば過去のデータも怪しい。
言わずもがなである。
菅田将暉さんが覚えやすいようになのか、式内のXから減じられる数字が一緒だw
話は戻って、お勧めの映画である。
機会があればご覧になってください。
私は原作のコミックにも興味があります。