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カールの一撃!

(カールの一撃!!) 何や!今の政治家!アホ丸だしやないか!
てめぇらの飯も家も国民あっての政治家やないか!親が政治家、子供も坊ちゃま坊ちゃまで世間知らず。そないなアホ丸だしで、よう政治を語りよる。
そのうち、このワテがほんまもんの政治教えたるわ!

カールおじさんの秋桜畑

「もういいでしょ?舞子さん」

ふたりは互いに背中を向けて黙っちゃった。

「ねぇふたりともぉ」

「ボン、」

「……なに?」

「今日は帰れ」

「う、うんわかった」

「又来い」

「うん!!」

「ウチもおいとまさせて貰いますえ」

「………」

あぁあ。舞子さん、本気でおいちゃん怒らせてしまったみたい。僕にはおいちゃんが何であんなに怒っちゃったのか、全く分からなかった。
帰り道、カワセミの川に通じる上流に沿って下った。無言で歩く舞子さんは何かをずっと考えているようだった。

「ねぇ舞子さん」

「…何えぇ」

「あの紙に何が書いてあったの?」

「カールはん、嘘ついてはったんどす」

「うそ?」

「そうどす。」

「おいちゃんが何うそついたの?」

「名前どす、ほんまの名前は西岸 薫いう名前どした」

「え?何で舞子さんが知ってるの」

「それがウチにもょょう分からへんのどす。あんヒトに興味が湧いたぁいうんか…そしたら手の中にあったんどす」

舞子さん自身がワケが分からない。とぉっても、複雑な顔をしていた。

「僕ら…おかしいよね」

「え?」

「だって………」

僕らの歩む先。
たった一本、柿の木がそびえ立っていた。僕にはその木から柿をいっこ、いっこもぎって川に流すおいちゃんの姿が浮かんで見えたんだ。

「どないしたん?」

「舞子さん」

「おいちゃん、僕に…ヒント教えてくれたんだ」

「どういうことどす?」

「僕に答えが見つかりやすいように…柿」

「柿が?…あっこの柿」

「それ流すおいちゃんが見えた」

「見えたって?」

「僕たち…変だよね」

舞子さんと僕は、長くまっすぐ伸びた川に沿って、無言のまま…歩き出した。

(秋桜畑にて)

「西岸 薫…何百年ぶりに聞く名前や」



続く

カールおじさんの秋桜畑

マズイよ。せっかくおいちゃんが受け入れてくれたのに。

「やっやゃ、カールはん!行儀の悪いオナゴやなんてっ」

「そらそやろ!どっから入ったんか知らんけど、他人の家やから言うて土足はナイやろっ」

「あっしもた…」

「今頃脱いでも遅いわ」

「えらすんまへんどしたっ」

あぁ…そっぽ向いちゃった。

「おいボン」

「さっきの答え、どれくらい考えた」

「ぅぅ…ん三日間ずぅっと考えた」

「ほぅか、ずぅっと考えたか」

「あのウチもおるんですけど、あっ無視しはる」

「それで僕は正解?」

「まっ正解としよ。」

「やったぁ、じゃここに来てもいいの?!」

「しょうがない。約束やからな」

「まぁ…気ぃおさまらへんけども、孔ちゃんがここに来たい。言うんやし…」

「おい、外人娘なにひとりでぶつぶつ言いよる」

「重ね重ね失礼なおヒトやっウチは舞子どす」

「アホ言え、お前が舞妓なワケあるかっ」

「おいちゃん違うよ、舞妓さんじゃなくて舞子さんだよ」

「あぁっ紛らわし、そないな名前つけなや」

「ウチがつけたんやおへんえ、親から頂いた大事な名前どすっ」

「まぁまぁふたりとも」

本当にふたりとも。あっ結構似てるかも…。

「……」

「………」

何で?何でふたりとも黙りこむの…。

「あんさん、嘘ついてはったんどすか?」

「嘘なんかついてへん」

「これあんさんの名前やおへんか?」

舞子さんが手にしてたのは一枚の紙切れだった。 どうして舞子さんが突然そんな物持ってるのか。

「お前何者や…」

「西岸 薫 これがほんまの名前なんどすな」

何だか立場が逆転してる。カールおいちゃんが攻められてる。

「せいがん、かおる がカール。確かにその名前が似合う人相してはりますけどぉ?」

「嫌がらせか」

「どこまでも人聞き悪いおヒトや」

「これが嫌がらせやなくてなんや」

おいちゃんは凄く嫌がってた。

「舞子さん……」

「そや、ほんまの名前は西岸薫や。ただ、もう棄てた名前や。それがどないしたら、そないな紙切れに浮かんできたんか知らんが、放っておいてくれ」

おいちゃんは悲しそうに俯いた。



続く