カールおじさんの秋桜畑
「もういいでしょ?舞子さん」
ふたりは互いに背中を向けて黙っちゃった。
「ねぇふたりともぉ」
「ボン、」
「……なに?」
「今日は帰れ」
「う、うんわかった」
「又来い」
「うん!!」
「ウチもおいとまさせて貰いますえ」
「………」
あぁあ。舞子さん、本気でおいちゃん怒らせてしまったみたい。僕にはおいちゃんが何であんなに怒っちゃったのか、全く分からなかった。
帰り道、カワセミの川に通じる上流に沿って下った。無言で歩く舞子さんは何かをずっと考えているようだった。
「ねぇ舞子さん」
「…何えぇ」
「あの紙に何が書いてあったの?」
「カールはん、嘘ついてはったんどす」
「うそ?」
「そうどす。」
「おいちゃんが何うそついたの?」
「名前どす、ほんまの名前は西岸 薫いう名前どした」
「え?何で舞子さんが知ってるの」
「それがウチにもょょう分からへんのどす。あんヒトに興味が湧いたぁいうんか…そしたら手の中にあったんどす」
舞子さん自身がワケが分からない。とぉっても、複雑な顔をしていた。
「僕ら…おかしいよね」
「え?」
「だって………」
僕らの歩む先。
たった一本、柿の木がそびえ立っていた。僕にはその木から柿をいっこ、いっこもぎって川に流すおいちゃんの姿が浮かんで見えたんだ。
「どないしたん?」
「舞子さん」
「おいちゃん、僕に…ヒント教えてくれたんだ」
「どういうことどす?」
「僕に答えが見つかりやすいように…柿」
「柿が?…あっこの柿」
「それ流すおいちゃんが見えた」
「見えたって?」
「僕たち…変だよね」
舞子さんと僕は、長くまっすぐ伸びた川に沿って、無言のまま…歩き出した。
(秋桜畑にて)
「西岸 薫…何百年ぶりに聞く名前や」
続く
ふたりは互いに背中を向けて黙っちゃった。
「ねぇふたりともぉ」
「ボン、」
「……なに?」
「今日は帰れ」
「う、うんわかった」
「又来い」
「うん!!」
「ウチもおいとまさせて貰いますえ」
「………」
あぁあ。舞子さん、本気でおいちゃん怒らせてしまったみたい。僕にはおいちゃんが何であんなに怒っちゃったのか、全く分からなかった。
帰り道、カワセミの川に通じる上流に沿って下った。無言で歩く舞子さんは何かをずっと考えているようだった。
「ねぇ舞子さん」
「…何えぇ」
「あの紙に何が書いてあったの?」
「カールはん、嘘ついてはったんどす」
「うそ?」
「そうどす。」
「おいちゃんが何うそついたの?」
「名前どす、ほんまの名前は西岸 薫いう名前どした」
「え?何で舞子さんが知ってるの」
「それがウチにもょょう分からへんのどす。あんヒトに興味が湧いたぁいうんか…そしたら手の中にあったんどす」
舞子さん自身がワケが分からない。とぉっても、複雑な顔をしていた。
「僕ら…おかしいよね」
「え?」
「だって………」
僕らの歩む先。
たった一本、柿の木がそびえ立っていた。僕にはその木から柿をいっこ、いっこもぎって川に流すおいちゃんの姿が浮かんで見えたんだ。
「どないしたん?」
「舞子さん」
「おいちゃん、僕に…ヒント教えてくれたんだ」
「どういうことどす?」
「僕に答えが見つかりやすいように…柿」
「柿が?…あっこの柿」
「それ流すおいちゃんが見えた」
「見えたって?」
「僕たち…変だよね」
舞子さんと僕は、長くまっすぐ伸びた川に沿って、無言のまま…歩き出した。
(秋桜畑にて)
「西岸 薫…何百年ぶりに聞く名前や」
続く