5月18日(土)晴れ 

午後から、葛飾作文の会でアニマシオン講座。

「詩とあそぶ・詩をまなぶ~ぼくらの谷川俊太郎~」。

これは、7月27日、日本子どもの本研究会のアニマシオン講座でおこなうワークショップの予備実践。

いつも、ここで、親しい仲間たちにやってみせて、感想や助言をもらって調整する。葛飾作文の会はもう40年になる老舗だ。アニマシオンは28年目になる。

その重なるところを作文の仲間にやって助言をもらっては、アニマシオンクラブで公開してきた。これは導入編の写真。この「あてっこ詩」もずいぶん広がったなあと思う。(1996年『子どもたちに詩をいっぱい』旬報社で発表)アニマシオンを始める前だ。詩で遊ぶ実践をやっていたので、アニマシオンを受け入れる時、抵抗感(違和感)なく始めることができた。

葛飾作文の会の会場は京成立石の葛飾教育会館で、終わると、二次会を立石駅近くの飲み屋でやる。これが安くて美味い! なぜ人はAとかBとか、有名店に行きたがるのだろう。並んでまで飲み屋に行きたいかなあ。「センベロ」(1,000円でべろべろに酔える店)なんていうけど、よほど弱い人なら別だけど、いまどきそんな店は存在しない。いい店のある所には競争も生じて、いい店が他にもあるものだ。では、我々の溜り場は……? 言わない。

 今日はアニマシオンクラブ事務局勉強会。毎月一度、我が家でやっている。今は中学校国語教材の検討とアニマシオン開発。そして、終わったら少しおしゃべりして、西荻窪駅周辺で二次会。

 

三本の桜、今年も満開!

 もう15年になるのかな。足立区が荒川土手下の神領堀(暗渠)に100本の桜並木をつくるというので、募集があった。私も5本応募して3本が当たった。それぞれに、「朋の樹」「語らいの樹」「学びの樹」と名前を付け、プラカードが付けられている。花の種類は異なるようにしてくれたので、少しずつ咲く時期がずれている。真ん中が「語らいの樹」で、並木の写真で見ると、左側の2本目になる。通りの真ん中に配置してくれた。みなさんの花見の場所には一番だと思う。37年間の小学校で約1,000人を担任したが、その中で3人が私より早く亡くなっている(植樹の時までに)。その一人T君の同級生で地元に住むK君が、今日も行って写真を送ってくれた。

見ごろになっている。ありがとう!

 

『アフガンの息子たち』

エーリン・ペーション

ヘレハルメ美穂・訳

小学館24.2

 スウェーデンに、一人で逃れてきた児童・少年の収容施設が舞台だが、この物語のラストでは廃止されて、高齢者施設に変わる。周辺の住民は快く受け入れていなかった。むずかしいものだな。それでも、収容所の廃止に伴い出ていく少年を養子として受け入れる家庭はある。

レベッカはここで働く女性。彼女の担当はアフガニスタンから逃れてきた三人の少年だ。彼女の日誌のような記録的な淡々とした語りで進められていく。と言っても、ほぼ同世代の彼女は少年たちに心を寄せていく。

ザーヘル14歳。ハーミド18歳は制限年齢が来て「祖国」への強制送還を迎える時、脱走して自殺する。アフメドはドイツに行くと告げて脱走する。

2015年には3万5千人を超えたという。2022年にも600人以上が到着しているという。児童は一時収容施設に入居し、移民局が受け入れ自治体の割り当てをする。受け入れ自治体の社会福祉局は住居や後見人を手配し、学校に行く権利も保障する。さて、日本ではどうだろう……。

作者ペーションは1992年生まれ。これがデビュー作で、2020年に出されると、21年には北欧理事会文学賞YA&児童書部門を受けている。ソーシャルワーカーとして難民児童施設で働いたことがあるそうだ。とても難しい仕事だったと語っているそうだ。(訳者あとがき)

扉にこう書かれている。

「男の子たち、みんなへ。

 あの日々をありがとう。明るい日々も、暗い日も。」

児童文学というよりも大人たちに読んでほしい。

読書のアニマシオン例会5月特別例会

 

 菊池好江さんによる紙芝居のお話と実演

紙芝居は小さな演劇とも言われます。舞台が置かれ、照明が添えらられて拍子木が鳴る。演じては何枚もの画面を引き抜いて物語をつくっていきます。紙芝居には人をひきつける独特の面白さがあります。

 日時:5月4日(土)14:00~16:30

 会場:明治学院大学白金校舎 2号館2201教室

 講師:菊池好江さん

    「紙芝居を演じる会ひょうしぎ」

   著書:『みて! きいて! わくわくするよ紙芝居』(学事出版)

 参加費:1,000円  学生は無料

 主催:読書のアニマシオン研究会(代表・笠井英彦)

     hidehikok@yahoo.co.jp

 

 予告:6月例会:6月1日(土)14:00~16:30 文京区、アカデミー茗台学習室A(茗荷台中学校併設施設) ①ショートアニマシオン:「絵本のアニマシオンー教えて、〈平和〉ってなに?」岩辺泰吏 ②アニマシオン「小学校1年生とアニマシオン」笹島朋美

読書のアニマシオン例会4月例会

 

時:4月6日(土)14:00~16:30

所:明治学院大学白金校舎2号館2201教室

ショート・アニマシオン

「国語辞典」でアニマシオン

   アニメーター:平島和子

ワークショップ

 国語教科書の表紙でアニマシオン

   アニメーター:藤條学

参加費

   会員 500円

   一般 1000円

   学生 無料

 

注:5月例会=予告

 5月4日(土)14:00~16:30

  会場は4月に同じ

 お話と実演:「紙芝居の世界へ!」

   菊池好江さん(紙芝居研究者&実演家)

 *ショート・アニマシオンはありません。

 

『ペローの赤ずきん』

シャルル・ペロー=文、エリック・バトゥー=絵

池田香代子=訳、講談社2001.8

 赤ずきんも、赤ずきんの大好きなおばあさんも、食べられて終わり!

 「おさない子ども/それも、ちいさな女の子は、……、他人のいうことをうのみにすると、とんでもない目にあう。/あるおおかみが、女の子を何人も食べたとしたって、おどろくことはない。……とびきりやさしく声をかけてくるおおかみが、いちばんあぶないんだってこと、これは、よく知られたことなのだ。」

と、ちゃんとおしまいに、ペローが「教訓」として書いている!

 ペローから100年あとのドイツのグリム兄弟は、「悪者はとことんひどい目にあい、いい者はこのうえなく幸せになるよう」配慮した(訳者「解説」)。

 あらためて読み直して、今の世界への警告としてお勧めしたいと思った。つくづく……。

世界はオオカミに満ちている。

 このペローの『赤ずきん』を底本にして、現代に置き換え、写真で構成したのが、サラ・モーンの『ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ 赤ずきん』(定松正・訳、西村書店1989.12)だ。フランスでのアニマシオンツアーの際、ドミニク・アラミシェルさん(図書館司書)が高学年の子どもを対象にやってくれた「昔話のアニマシオン」が、これを使っていた。たくさんの新聞や雑誌等をあつめ、そこから何枚かの写真やイラストを切り抜いて、昔話をモチーフにしたモンタージュを構成していく活動。こういう活動を「アトリエ」と呼んでいた。

 もっと想像を馳せ、今日の大人の世界に舞台を移して一人の女性の生き方を描いたハンディな絵本が、『おはなしのたからばこ 赤ずきん』(いしいしんじ・文、ほしよりこ・絵、フェリシモ2008.11)だ。大人向けの「アトリエ」としておもしろいだろう。こちらは「ファンタジー」づくりの活動だ。近くにいい古書店があると、こんな本がゲットできる。

 

『すごいぜ ほんのちからって!

 モーリスのおうちはライブラリー』

ディディエ・レヴィ ぶん、ロレンツォ・サンジョ え

はしづめちよこ やく

イマジネイション・プラス2024.2

 ネコのモーリスは読書家で、家は本がいっぱい。もちろんネズミが大好物だから、いつもどうしたら、ネズミがつかまえられるか、作戦を練っている。そこで、声を出して本を読めば、ネズミたちがやってくるだろうと考えた。ネズミたちはやって来て耳を傾けた。オオカミの出てくる話で、悲しい結末に、モーリスは涙が止まらない。ネズミたちは去っていった。では、おもしろい話はどうだ。ネズミと一緒に笑い転げて、とても食べる気にはならなかった。さあ、この結末はどう展開するだろう……? ネズミたちのとっては、モーリスこそライブラリーなのだ!

 隅々にアニメの主人公たちが配置されている。ユーモアあふれる絵に、発見がいっぱい!

 はしづめちよこさんの訳に惹かれて、借りてみた。いずれも子どもの心がしみじみと伝えられ、楽しい。そしてやさしい訳文が、その世界に導いてくれる。

『あおをはっけんしたちいさなヤン みならい えかきの おはなし』(ジャンーリュック・アングルベールさく、イマジネイション・プラス=出版社は以下同じ)

『あきのおわりのてんこうせい』(作者・同上)

『ちいさなハチドリの ちいさないってき』(ウノサワケイスケえ)

 

 

絵本復刊と支援のお酒

 石川県の被災地支援のひとつとして、絵本とお酒が出されている。

『あさいち』は輪島の朝市に取材して1984年4月に出されたものだ。その復興を願って、福音館書店が復刊した。え=大石可久也、かたり=輪島・朝市の人びと。

 お酒は被災の酒蔵支援のための「応援酒」として蔵元たちが輪番で出している。1本につき1.000円が寄付となる。

応援のかたちにもいろいろある。石川県白山市の吉田蔵

いつも「わたしの」横に居てくれる人

霜村三二『やわらかな教育をもとめて』(自費出版)

 著者・霜村三二さんは、私より一回り若い。詩が好きで、言葉遊びが大好きで、お酒が好き。そして、宮澤賢治が好き。退職してから何度も彼の案内で花巻を回ったし、私の夏のゼミ合宿は彼の案内で賢治ツアーだった。二人だけで賢治のデザインした花壇を探して、ある病院の中庭に入ったら、(いじわるな)職員さんにサッシのカギをしめられて閉じ込められたこともあった。私の下町飲み歩きの指南は三二さんであった。飲めない酒を、楽しく(安く)飲めるよう、導いてくれた。

 彼は日刊学級通信「らぶれたあ」を出し続けてきた。それは手書きである。飲み屋で書いていることもあった。退職したときに、それを(日刊通信)ブログとして続けるように勧めた。「らぶれたあ」は、「国民的財産」であるからと。三二さんは、それから毎日書き続け、発信し、つまり発言しつづけてこられた。

 この本は、2014年~2017年の記録を整理したものであるので、つまりは第2、第3が出され続けるということである。この本は日本の教育の現状に対する告発であり、その鋭い焦点は、現場を支配する「○○スタンダード」にある。いま、どこの現場を歩いても、教室の黒板の上、右の掲示板、左の掲示板を見ても、同じ場所に「教育目標」や「声の大きさ=尺度表」、「良い子のやくそく」などが張られている。「黙って食べ、黙って働く(掃除する)」。おもしろくともなんともない。不登校が増え続けているのもさもありなん。コロナが一層拍車をかけた。

 もう一方、この本は、「希望の書」でもある。若い教師・学生たちの声に耳を傾け、語りかけ、その横にずっと座り続けて、頷き、励ます三二さんが、聴きとった若者の本音が記録されている。それを読んでいると、温かいものが心を満たす。ここに「希望」がある。

 自負出版なので、書店には並ばないが、きっとあなたの周りでこの本を広めようとしている友人たちがいるはずです。ぜひ手にとって下さい。元気が出ますよ。1,000円