誰にでもあるASDの症状が障害になる理由 | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

ブログにお越しいただきありがとうございます^^

ASD(自閉症スペクトラム)
愛着障害当事者から
"幸せになるための心理セラピスト"
鹿島じゅんです。

私の発達障害に関する診断結果
コチラです。

私の愛着障害に関する生育歴
コチラです。

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私は全く希望していなかったのですが、
会社からの命令で、
今住んでいる福岡から南の県へ、
3月中旬に転勤することになりました。

断ることが出来ない、
その転勤が決まった時に、
私にはどうしても継続したい、
今行っている2つのことがありました。

それは、、、

・今通っている絵画教室で学び続けること

・孫と定期的に遭い続けること

の2つでした。

なぜ私がこの2つを、
どうしても継続したいと思ったかというと、

この2つは私にとって、
自分の愛着形成の対象だったからでした。


私は社会に出て働き出して、

「この人はASD(自閉症スペクトラム)だろうな」

と思われる人に何人か出会いました。

そしてその人達は、
大きく2つのパターンに分かれました。

ASDの特性のために、
職場の人間関係が上手くいかずに、
困っている人達と、
多少人間関係が上手くいかなくても、
あまり気にしない(もしくは気付いていない)人達です。

ASDの頑固で融通がきかず、
空気が読めないという特性は、
悪気はなくても、
人の気分を害してしまうことがあります。

そんな時、
落ち込んで自己否定に走ってしまう人達と、
落ち込みはしても、
(または嫌われていることに気づかずに)
自分を否定することなく居られる人達には、
たった1つの、
でもとても大きな違いがありました。

あまり気にしない人達には、
そのままの自分を受け入れてくれる、
"家族"という居場所が存在したのです。
(これは私が自分の周囲の人間を見ていて感じたことであって、
全ての人に当てはまるわけではありません)

職場以外に自分の居場所を持っている人は、
多少、職場で人に嫌われたとしても、
それで自己否定に走ることは無いのです。

これは考えてみたら当たり前の話しで、
職場の同僚などよりもずっと、
自分のことを良く知ってくれている家族が、
自分のことを認めてくれているのなら、
職場で多少、嫌われたところで、
自分の存在価値を疑ったりはしないのです。

人生を生きづらくしているのは、
ASDの特性よりも愛着障害。

これは心理学を勉強する中で、
愛着障害という言葉を知り、
自分の過去や周囲の人間を観察してみて、
私がたどり着いた結論です。

だから私は、
自分の居場所を与えてくれる、
絵画教室からは生涯、
孫からは、
自分を必要としてくれる間は、
離れないでいようと決めました。

けれど私が3月に転勤する場所は、
福岡県にある絵画教室と、
孫の住んでいる街からはかなり遠く、
通う交通費も高額になってしまいます。

それでも、

"この2つに通う"という前提は、
私の自己肯定感を育むために崩せないため、
私は何とか少しでも、
交通費を減らす方法を考えました。

そして、、、

福岡に通う時の宿泊先を、
ビジネスホテルではなく、
カプセルホテルにすることにしたのです。
(他に安いドミトリーという宿泊形式もあったのですが、
いくら安くても空間が他人と区切られていないドミトリーの宿泊は、
さすがに私には選ぶことが出来ませんでした)

でも、そう決めたら決めたで、
ASD特有の初めてのことに対する不安が働き、

カプセルホテルで快適に過ごせるだろうか?

と、心配になってきてしまいます。

私は鬱々と、
この心配事を考え続けたのですが、
その宿泊予定のカプセルホテルが、
どんなところか分からないため、
いくら考えても私の心配が解消することはありません。

だから、私は決心しました。

よし、事前に1回宿泊練習をしてみよう。

宿泊する必要もないのに、
未来の心配を解消するためだけに、
カプセルホテルに泊まる練習をする、
という考え方に、
共感してくれる人はどれくらいいるのかな?

未知のことに対する不安が、
私達ASDよりも少ない定型発達者の方には、
こんなことをするのは、
無駄に思われるかもしれません。

でも、心配が強いASDにとっては、

多少の出費と時間がかかったとしても、
自分の心配がなくなることの方が、
ずっとずっと大切なことなのです。

よく発達障害の症状は、

「誰にでもある症状」

と言う人がいるけれど、

私は自分以外に、
宿泊先で快適に過ごせるか心配だから、
宿泊練習をするという人間を知りません。


「新しい場所に行くのが心配なのは皆んな同じ」

という定型発達者もいらっしゃいますが、

ではその方達は、
お金を払ってでも宿泊練習をしたいと思う人間と、
同じだけの不安を抱えているのでしょうか?

発達障害者は、
色んなものに対する度合いが、
生きるのが困難なくらい外れているから、
"障害"になるのです。

そんな発達障害者の、
個々の困難さを、
認めて受け入れてもらうことは、
きっと難しいと思うけれど。


誰にでもあるASDの症状が、
"障害"と呼ばれる理由があるということ。

そのことだけは、
少しでも多くの人に知ってもらえたらいいな、と思って、
この記事を書かせていただきました^^