防府市議選を間近に控え、首長と議会のあり方、議員・議会の役割などについて何回かに分けて書いてみようと思っています。
先ずは議会の役割というものについて考えなくてはなりません。
二元代表制を採用している地方議会においては、議会の一義的な役割は「行政のチェック機能」という点にあるでしょう。
予算編成権、執行権を有する首長・執行部に対し、公正・公平な行政運営がなされているか、無理や無駄がないかなどチェックするのが議員・議会の大きな仕事です。
ここ数年、議会改革の必要性が叫ばれ、実際に各地で取り組まれていますが、その背景には「議会不要論」があります。
防府市のように市長と議会が感情的な対立関係に陥っているような議会もありますが、しかし、多くの議会では、首長と議会が「馴れ合い」と言える関係にあるところの方が多数でしょう。
身近な例では山口県議会がそうです。
もう何年も知事提案の議案が否決されたことはありませんし、修正されたことすらありません。
首長が提案したものが、何でも通るのならば、議員や議会は必要あるのかという疑問が生じて当然です。
政策にはメリットがあれば、デメリットもあります。
薬に効能があれば、副作用もあるのと同じです。
議会での議論によってメリット・デメリットを浮き彫りにし、住民に周知することも必要です。
一人を選ぶ選挙、つまり５１対４９でも全てを取れる選挙で選ばれた首長はともすると独善的な行政運営に走りがちです。
しかし、世の中は白か黒かで判断できることばかりではありません。
議論の中から折衷案を見出すことも必要になります。
多数で構成される議会が、住民の多様な意見を吸い上げる役割を果たすべきです。
こう考えると最も選んではいけない議員は、首長べったりの議員です。
私の経験上も、いわゆる市長派と言われる議員には仕事をしない人が多い。
それもそのはず、最初から賛成することが決まっているのですから、議案を精査する必要もありません。
中には委員会に議案すら持参しない議員を見たことがあり、呆れたこともあります。
一方、反対派に属していてもただ会派の決定に何も考えず従うという議員も問題です。
しかし、ブレーキ役を果たしている点で首長べったりの議員より少しはマシかもしれません。
結論として、最も選んではいけない議員は何でも首長の言う事に従う議員。
ただ賛成の数合わせのために税金から給料を支払うなど無駄以外の何物でもありません。
いくら議員定数を削減しようと、こんな議員ばかりなら定数１だって無駄です。
つまり、選挙の際に首長との近い関係をアピールする候補者ほど選んではいけないのです。
長い物に巻かれず住民の代表としての役割を果たせる人物なのかどうか。
先ずは、この視点で候補者を見極めましょう。
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