本の山・・・ | 創作団だいだらぼっちの越境型もののけ思考とその動向。

本の山・・・


3つの図書館から10冊ずつ本を借りた。

そのほかに、人から借りてるのと最近自分で買ったのを数えたら、なんと40冊近くになった。

大変だ・・・。

必死で読もう。







とりあえず1冊、読み終えた。


人間は農業の原罪である』 コリン・タッジ著




動物学ダーウィニズムの視点から農業を捉えなおした本で、なかなか面白かった。脳が発達し、クロマニョン人から現在の人間になっていく過程で、食料の蓄積や野生動物や植物の囲い込みなどを経ながら緩やかに、しかし必然的に「農的」な技術を身に付けていった過程を(滅んだネアンデルタール人と対比しながら)冷静に分析した良書だと思う。


タイトルの過激さは実は原題とはちょっとかけ離れていて、訳者である生物学者・竹内久美子さんのセンスによるものだけれど、これも的確ではないだろうか。「飼育」を含めた「農」は、やはり「自然」の一部として存在する「狩猟採取」の生活に比べ、明らかな暴力性がその根底にある。貯蓄や飼育・栽培が、食料の安定化をもたらし、それゆえ人口は増加の一途をたどることとなったのだ。人口増加は善悪の問題ではないが、“間違った選択”ではあると思う。人口が増えれば、また更なる生産量の拡大が求められる。富の偏りが大きくなり、階級や格差が生まれてくる。そして、より広大な領土が必要になり、より多くの資源が必要になる。



「近代農業」がことさら大きな問題を抱えていることはもはや自明だが(残念ながらそれすら認められないのがこの国の農業関係者のほとんどだろうけれど)、それは農が始まったときからのむしろ自然な流れなんじゃないか、とも著者は言う。時に爆発的に時にやや緩やかに、しかし常に右肩上がりに食料も人口も増加してきた。食料不足だから増産するのではないのだ。増産しつづける農があるから、人口が増えるのだ。


キリスト教的感覚は僕にはわからない点も多いが、「原罪」とは、初めから背負っている罪だろうか。つまり、人間が人間となった時には既に「農」があり(それは採取に近い原始的なものだったろけれど)、その罪を抱えながら(膨らましながら?)人間はここまで来たのだ、とタッジは言う。




 本文中では、そのことは強い肯定も否定もしていない。それが正直なところだと僕も思う。良い悪いではなく(いや基本的には「罪」なのかもしれないけど)、どーしようもなかった、ってトコなんだろうと思う。





 一歩間違うと、農業は「イイコト」の部類に入れられる。広大なジャガイモ畑を見て「自然がいっぱい♡」なんて感じさせたりもする(あんなに不自然で人工的な景色はないのに・・!)。「自然がつくったおいしさです!」なんてカ○ビーに言われたら、つっこむ気もうせて、吹き出しそうになる。


 それはあまりにヒドイ例としても、有機農業や自然農に携わる人は、もうちょっと自信たっぷりに「自然とともに」「いのちの中で」「自然の一部として」・・・など、美しい言葉でその行為を語ったりもする。


でも、どんな方法にせよ、「農」は「不・自然」な行為だ。

「原罪」かどうかはともかく、決して「自然」な行為ではない(だから「自然農」って言葉は矛盾をはらんだとってもビミョーな言葉な気がする)。


「農業は反自然的行為」。そこをまず認めたい。それを認めたうえで、それをスタートとすることで、どうすればちょっとでも負荷が少なく、循環に戻りやすく、「自然」に今よりも寄り添えるのか、を考えることができるんじゃないかと思う。









 ・・・・・ああっ!

 ちょこっと感想を書こうと思ったら、こんな長くなってしまった。こうやって貴重な時間がなくなっていく。





 さて、読みかけの本や実用書も数冊あるけど、以下の本を今後、読破していくのだ!(目標1カ月で!)










『現代有機農業心得』 藤本敏夫

『現代の食とアグリビジネス』 大塚茂・松原豊彦

『アレロパシー』 藤井義晴

『原点からの農薬論~生物たちの視点から』 平野千里

『アース・デモクラシー』 ヴァンダナ・シヴァ

『国民のための百姓学』 宇根豊

『有機農業みんなの疑問』 舘野廣幸

『有機農業の事典』 天野慶之

『食糧植民地ニッポン』 青沼陽一郎

『クリーン農業時代』 相馬暁

『戦後化学肥料産業の展開と日本農業』 綱島不二雄

『世界の国ぐに』 板倉聖宣

『エミシ・エゾからアイヌへ』 児島恭子

『自家製天然酵母のパンづくり』 吉田佳江

『生田悦子のやさしいゆび編み』 生田悦子

『安ければそれでいいのか』 山下惣一

『料理の科学』 佐藤雅美

『上手な食品の保存術』 佐藤順子

『死ぬための食事生きるための食事』 笹岡さつき

『不耕起でよみがえる』 岩澤信夫

『有機農業運動と提携のネットワーク』 桝潟俊子

『食品の裏側』 安部司

『高いわけ、安いわけ』 NACS東日本食部会

『世界から貧しさをなくす30の方法』田中優・他

『食品添加物は敵?味方?』 西島基弘

『農から環境を考える』 原剛

『家庭菜園ビックリ教室』 井原豊

『プロに教わる家庭菜園の裏ワザ』 木嶋利男

『自給再考』 西川潤・他

『共生共貧・21世紀を生きる道』 槌田劭

『水木サンの幸福論』 水木しげる

『地球持続の技術』 小宮山宏

『被差別の食卓』 上原善広

『人間の土地』 サン・テグジュペリ

『みのむし革命』 中島正

『食品の向こう側<2><7><10>』 西日本新聞ブックレット

『スローなカフェのつくりかた』 吉岡淳






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 ざっと、こんな感じ。