【令和3年 第4回 富田林市議会定例会(12月)本会議】いとう寛光による大阪維新の会・代表質問② | 富田林市議会議員 伊東寛光オフィシャルブログ「議員って普段、何してる?」Powered by Ameba

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「議員って普段、何してるん?」
「議会が無い日はヒマなんやろ?」

議員になる前、私も同じような疑問を持っていました。
そして、その答えは議員になって初めて知りました!

あなたの疑問に全力でお答えします。

※富田林市議会議員「いとう寛光」の公式ブログ。

■選挙の投票率を上げるために。

[いとう寛光の発言]

 近年、全国的に期日前投票が増加傾向にあります。選挙の投票率自体は、選挙の種類ごとに、あるいはその時々の市民の関心を引くような争点の有無や天候等、様々な要因によって変動しますが、利便性の高い場所に期日前投票所を設置することにより、投票機会を確保すべきだということは言うまでもありません。

 他の自治体では、駅に設置したり大学構内や大型商業施設に設置する例がまだまだ少数ながら見られます。

 乗降者の多い駅などに期日前投票所を設置することについて平成31年3月議会の一般質問でも取り上げましたが、当時の執行部の答弁は、人員の確保、新たな専用回線の設置、投票用紙の安全な管理、そして投票の秘密が確保される環境等において、多くの課題があるとのご答弁でした。人員の確保については期日前投票所の設置日数を限定するとか、新たな専用回線の設置については、近年の情報技術の進歩に伴い、高速、低遅延かつ安定的な接続が可能になってきていることから有線にこだわる必要がどこまであるのかなど疑問に思いますし、投票用紙の安全な管理と投票の秘密の確保は、重要な課題ではあるものの知恵と工夫次第で何とでもなる問題だと考えます。

 そこで、人が集まる施設への期日前投票所の設置について、執行部の見解を改めて求めます。

 次に、SNS等を活用して投票を促す仕組みづくりを検討してはどうかについてお伺いします。

 大阪大学大学院経済学研究科の大竹文雄教授は、「bizble」に「行動経済学でみてみよう」という連載をされています。本年10月29日には、「投票率を上げるために20代、30代ができること 『社会規範』が大切?」という記事が公開されています。大変興味深い考察で、ぜひとも皆様にご覧いただきたいのですが、損得計算だけで考えると投票率が低いのは自然なことであるという他の経済学者等からも指摘されている一般論から入って、投票率が下がった要因についての考察、また、どうすれば投票率が上がるのかということについて言及されています。

 要点を申しますと、大竹教授は、投票率が下降傾向にある原因を、投票はみんながするものという社会規範が崩れたからかもしれないと考察しています。また、特に投票率が50%以下の年代は、投票に行かない人たちが多数派となっている現状では、社会規範を変えるのは難しいかもしれないという趣旨の記述もあります。

 では、どうすればいいのかというと、過半数が投票しそうだという予想をみんなが持てば、それが社会規範になって、より多くの人が投票に行くことになるというのが大竹教授の主張であります。

 その主張を裏づける事例として、海外で行われたFacebook上での広告キャンペーンの効果について言及されています。出典が明らかにされていないので、あくまでも同記事では次のように紹介されているということでとどめていただきたいのですが、非常に興味深いので、その結果を私なりに解釈して、分かりやすい表現に直しつつ要約して紹介します。

 単純に、投票に行こうという呼びかける広告よりも、広告を目にする人の友人が投票したという広告のほうが約5.7倍の効果があったという内容です。これほどまでに大きな効果を生むのかどうかは疑問が残るものの、SNS等で友人が投票したという投稿を目にした人が投票に行く。そしてさらに、投票に行った人がまた投票したという投稿をするという連鎖が、みんなが投票しそうだという予想につながり、それが社会規範として機能すれば投票率の向上の一助になり得るのではないかと考えます。

 また、SNS等で投票したという投稿を促すための仕組みの一つとして、使えそうな事例として神戸市の事例を紹介したいと思います。

 神戸市では、大学生を中心とした一般社団法人NO YOUTH NO JAPANが、今年3つの選挙が予定されていたこともあり、兵庫県知事選挙や衆議院議員総選挙、神戸市長選挙においてそれぞれ投票済みを示すオリジナルステッカーをデザインし、投票後の希望者に配布する取組が行われました。通常の投票済証も用意されていたとのことですが、このような取組とともにSNS等への投稿を呼びかけることで、今まで投票に行っていない方々、特に若年層の投票率向上に寄与するのではないかと考えます。

 以上を踏まえて、SNS等を活用して投票を促す仕組みづくりを検討することを提案いたしますが、執行部の見解をお示しください。



[執行部答弁]総合事務局長

 本市では現在、市役所本庁及び金剛連絡所の2か所に期日前投票所を全期間において開設することで、投票機会の確保に努めております。

 人が集まる施設への期日前投票所の設置につきましては、選挙人名簿対照に使用するシステムを安定稼働させるため住民基本台帳用ネットワークに有線に接続する必要があり、また人材や財源確保も必要となりますことから、こうした課題につきまして引き続き調査研究してまいりたいと考えております。

 次に、近年では投稿や閲覧を目的としたSNSツールが若者世代を中心に広く利用されており、その中には選挙で投票したことを投稿するといった事例もございます。

 本市におきましては、ウェブサイトやSNSを活用した情報発信をはじめ若者を対象とした選挙啓発に努めているところでございますが、ご提案のデザイン性の高い投票済証等の作成、配布は選挙啓発に有効な手段の一つと考えますことから、デザインや配布方法なども含め投票率向上への取組として検討してまいりたいと考えております。



[いとう寛光の発言]意見・要望

 人が集まる施設への期日前投票所の設置についてですが、ご答弁では大きく3つの課題について言及がありました。

 住民基本台帳用ネットワークに有線で接続する必要があるとの課題については、有線で接続できる環境を整えることはできないのか、あるいは情報技術の進展により、有線でなくても問題なく接続できるようになっていないか、あるいは今後そうなる見込みがないのか、引き続き前向きに研究をお願いしたいと思います。

 また、人材や財源確保についても課題であることが言及されました。選挙は頻繁にあるものではありませんし、公職選挙法等の知識が必要な上、実際に実務経験を積まないと分からないことも多々あるかと思いますので、人材の確保は難しいのかもしれません。そこは計画的な人材育成をお願いするしかありません。

 ただ、財源の確保については、選挙の中でお金の使い方を工夫して財源を生み出すことができないのか。例えば、現在、投票日当日の投票所は市内に34か所ありますが、人口減少が進み各投票所の当日有権者数も大きく変化しているにもかかわらず、投票所数の見直しは行われておりません。投票区を見直し、投票所の数を見直すなどすれば、一定、生み出せる財源はあるかと思います。厳しい財政状況の中、市が多額の持ち出しをしてまで期日前投票所を増やすというのは現実的ではありません。財源の確保に向けての検討も進めていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、本件については引き続き折を見て議論いたしたいと思いますので、実現に向けた前向きな研究や検討を要望いたします。