【令和4年 第1回 富田林市議会定例会(3月) 本会議】いとう寛光による大阪維新の会・代表質問① | 富田林市議会議員 伊東寛光オフィシャルブログ「議員って普段、何してる?」Powered by Ameba

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■公共施設マネジメントについて。

[いとう寛光の発言]

 現在、本市は公共施設等総合管理計画で定めた、「総量の適正化」、「長寿命化」、「ライフサイクルコストの縮減」という3本の柱から成る「公共施設マネジメント基本方針」に基づき、各種計画の策定等の取組を進めています。

 これまで、総量の適正化については、平成26年度末(2015年3月末)時点での市民1人当たりの公共建築物の延べ床面積である2.84㎡を維持するという数値目標が示されてきましたが、令和2年度末時点では2.90㎡となっており、目標との乖離が発生しています。人口減少が進む中、また、本市が所有する公共施設の延べ床面積の約半分を学校教育施設が占める中、総量を適正化するためには、学校園の統廃合を早急に進めなければならないというのは言うまでもありません。一方で、当然のことながら、学校園の統廃合を行っても、施設を保有し続ける限りは総量の適正化は進みません。統廃合後に残る施設や跡地の活用の問題が発生します。

 総量の適正化の問題から目をそらすわけにはいきませんが、同時に、「長寿命化」や「ライフサイクルコストの縮減」の問題にも取り組み、少しでも市の財政負担を減らさなければならないと考え、今回取り上げることにいたしました。

 まず、包括施設管理業務委託についてお伺いします。

 包括施設管理業務とは、庁舎や学校、公民館や図書館等、市が保有する公共施設の保守点検、修繕、管理等を包括的に業務委託する、まとめて発注・契約するものであります。現状、施設や設備ごとに、あるいは故障等により事後的に発注・契約されており、事務負担が大きく、効率の面から問題があるのと同時に、施設所管課の設備等に対する専門知識が不十分であることから、業者の力を借りたり、過去の仕様書をベースにするなどして、発注せざるを得ない状況が発生しているのではないかと推察されます。

 包括施設管理業務委託をすることにより、事務負担の軽減はもちろん、施設の管理品質の向上や計画的な予防保全を行うことなどが期待できます。

 本市では、「富田林市行財政経営改革ビジョン」のNo.98で、「公共施設の包括管理制度」として、導入の検討が掲げられておりますが、現在の進捗状況や今後の見通し等も含め、執行部の見解をお示しください。

 次に、ESCO事業(Energy Service Company)についてお伺いします。

 ESCO事業とは、「一般社団法人ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会」のウェブページによりますと、「省エネルギー改修にかかる費用を光熱水費の削減分で賄う事業」のことを言います。

 市が保有する公共施設の老朽化した設備を更新する場合、通常であれば、新たな財源を確保する必要がありますが、ESCOを活用する場合、市は、ESCO事業者が保証する光熱水費の削減額を、市が一定期間ESCO事業者に支払うことを約束し、ESCO事業者は自己の資金やノウハウにより設備を更新するという仕組みであるため、市は新たな財源を確保することなく、設備の更新をすることができます。

 また、通常、ESCO事業が成立するのは大規模な施設ですが、千葉県流山市では、幾つかの工夫をすることにより、「流山方式のESCO」として、小規模な施設にも導入しています。

 具体的には、光熱水費等の削減相当額では更新費用を賄えないことが想定されるケースにおいて、設備更新に要するイニシャルコストを上乗せした「小規模補正」を行うこと、フィージビリティースタディ(実現可能性を検証すること)を行う前に、簡易プロポーザルにより優先交渉権者を選定し、事業者と共に詳細を決定していくという「デザインビルド型」でのESCOに取り組んでおります。ほかにも、大規模な施設と複数の小規模な施設を抱き合わせて実施する「バルク型ESCO」を実践した事例もございます。

 本市においても、ESCO事業について検討してはどうかと考えますが、執行部の見解をお示しください。

 最後に、ファシリティーマネジメント施策の事業者提案制度についてお伺いします。

 千葉県流山市では、「市のファシリティーを使ってできること」について民間事業者のノウハウを生かした提案を求め、採用された案件について、市との協議(デザインビルド)により詳細を協議し、諸条件が整った場合には、提案者と随意契約して事業化するという取組が行われております。

 本市では、「富田林市行財政経営改革ビジョン」のNo.32で「資産活用提案制度」として、導入のための制度設計及び要綱制定が掲げられておりますが、現在の進捗状況や今後の見通し等も含め、執行部の見解をお示しください。



[執行部答弁]副市長

 まず、包括施設管理業務委託につきましては、施設や業務ごとに契約している保守点検や清掃等、様々な業務委託を一つに包括した維持管理手法であり、メリットといたしまして、包括することによる業務の効率化、施設の設備機器情報等の横断的把握による保守管理業務の適正化、発注業務の一元化に伴う職員の事務負担軽減などにもつながるものとして、近年、この包括施設管理業務委託を導入する自治体が増えております。一方で、必ずしも業務委託料の軽減につながらない事例や、個々の発注では市内業者が受注していた業務が、大手事業者による受注に偏るなどの課題もあると認識しております。

 本市の公共施設におきましては、現在、個別に保守業務を委託しておりますが、包括的に委託することにより、保守管理業務の効率化、管理の適正化が図れるとともに、施設の管理情報を一元化することで、より計画的な保全による長寿命化の推進を図ることが可能になると考えますことから、導入自治体の事例も参考に、課題への対応も含めまして、現在、制度設計について準備を進めているところでございます。今後は、施設の選定をはじめ、制度の導入に向けた具体的な検討を進めてまいります。

 次に、ESCO事業につきましては、老朽化した設備の更新を行うに当たり、民間事業者の資金やノウハウを活用して、照明や空調などの設備を省エネ設備に改修し、事業期間中に削減した光熱水費で、工事費や維持管理費などの経費を賄う事業であり、効果的なCo2削減による環境への配慮や財政負担の平準化などの観点から、有効な手法の一つであると認識いたしております。
 本市の公共施設におきましても、排出するCo2の削減はもちろん、修繕・更新費用の最小化や平準化を図る必要がありますことから、これまでも、設備の更新についての改修を検討する段階におきまして、より効率的・効果的な実施手法についての検証を行っておりますが、今後は、ESCO事業導入自治体の事例も参考に、事業者にとっても、より参画しやすい手法などについて検討を行ってまいります。

 最後に、本市では、市が保有する既存施設の有効活用について、民間事業者などから資産活用に係る提案を募集することにより、新たな投資をすることなく、事業者などの創意工夫やノウハウ等を生かした資産の有効活用並びに収入の確保を図るための手法として、資産活用提案制度の導入を目指しております。

 現段階では検討に着手したところでございますが、今後、ご質問にあります千葉県流山市の事例も参考に、対象施設の範囲、提案採択に係る審査基準並びに諸課題について整理を行い、庁内横断的に検証を進めながら、制度の導入に向けて準備を行ってまいります。



[いとう寛光の発言]意見・要望

 まず、「包括施設管理業務委託」についてですが、前向きなご答弁をいただいたものと思います。

 ご答弁から、メリットをご認識いただいていることは理解しましたが、一方で、「必ずしも業務委託料の縮減につながらない事例」があることや、「個々の発注では市内業者が受注していた業務が、大手事業者による受注に偏る」などのデメリットについて言及がありました。

 前者については、確かに、委託料単体あるいは単年度で考えると、「必ずしも業務委託料の縮減につながらない」というのは理解できます。

 しかしながら、ここでよく考えていただきたいのは、委託料は増えたとしても、発注業務を一元化することで職員の事務負担軽減が図れる、すなわち、発注業務に係る人件費が削減できることや、各施設・設備の保守管理にかかっている人件費も含めて比較すれば、効果は見込めるのではないかということであります。

 また、現状は、計画的な予防保全が行われておらず、巡回点検記録やいつどこの何を交換したかなどの履歴等、管理情報を一元的に記録、把握するような仕組みもありません。つまり、本来、施設利用者に安全・安心、快適に利用していただく環境を整えておくべきであるのに、そのための投資が十分になされていないということになります。

 本来するべきことがされていなかったり、必要な経費が計上されていなかったということでもありますので、業務委託料の縮減に、仮につながらなかったとしても、必ずしも無駄な経費が増えたということにはなりませんので、この点は考慮する必要があると考えます。加えて、計画的な予防保全による施設の長寿命化にも資するものと考えます。

 また、後者、すなわち「個々の発注では、市内業者が受注していた業務が、大手事業者による受注に偏る」という課題については、公募の条件として、「市内の事業者に各種保守点検業務の現場を担ってもらうこと」などの条件を入れておけば、一定、解決できることかと思います。

 ぜひとも、早期の実現に向けて取組を進めていただきますよう、強く要望いたします。

 次に、ESCO事業についてですが、近隣市町村の施設や近隣市にある大阪府の施設等でも導入の事例があり、本市は取り残されているような感じもありますので、速やかにご検討いただきますように要望いたします。

 最後に、「ファシリティーマネジメント施策の事業者提案制度」については、ご答弁にも言及がありましたが、「庁内横断的」というのが一つポイントになろうかと思いますので、しっかりと連携して、制度の導入に向けた取組を進めていただければと思います。