【令和3年 第4回 富田林市議会定例会(12月)本会議】いとう寛光による大阪維新の会・代表質問① | 富田林市議会議員 伊東寛光オフィシャルブログ「議員って普段、何してる?」Powered by Ameba

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「議員って普段、何してるん?」
「議会が無い日はヒマなんやろ?」

議員になる前、私も同じような疑問を持っていました。
そして、その答えは議員になって初めて知りました!

あなたの疑問に全力でお答えします。

※富田林市議会議員「いとう寛光」の公式ブログ。

■契約書や仕様書等の適正な作成と履行確認について。

[いとう寛光の発言]

 現在、学校給食の配送は富田林学校給食株式会社が配送事業者に委託をして実施されております。学校給食配送業務仕様書(詳細)によると、受注者の従業員が配送業務に従事する時間は午前10時から午後3時という原則が定められており、ただし書で、発注者は必要あるときは受注者に通知の上、この時間を延長または短縮することができるという例外が定められています。

しかしながら、実際には、特段の手続をすることなく受注者の従業員のほぼ全員が午後2時頃に帰っているという実態があります。

 本件について学校給食課並びに富田林学校給食株式会社からヒアリングを行ったところ、平成25年度までは本市が配送事業者と直接委託契約をしており、仕様書は市から引き継いだものをそのまま利用していること、また、過去からずっとこのやり方でやってきたので、特段問題だと思ったことはない、指摘を受けて今後どうするかについては検討するという趣旨の回答を得ました。

 もちろん、配送業務の委託ですから仕事の完成を目的とする請負契約であり、配送業務が完了すれば何もすることがなくなるというのは理解できますが、契約金額の積算根拠として人件費を午後3時までで見積もっていた場合、ほぼ全員が午後2時頃に帰っているわけですから、受注者の従業員1人当たり最大で約1時間分が過剰に見積もられているということになります。

 たかが1時間と思われるかもしれませんが、5時間のうちの1時間ですから約20%相当という計算となり、看過できる数字ではありません。

 先ほども申し述べたとおり、現在は富田林学校給食株式会社が配送事業者と委託契約をしているので直接的には市の問題ということにはなりませんが、以前は市が直接契約をしており、そのときからずっと不適切な契約と履行の実態が放置されていること、また、富田林学校給食株式会社に対して令和2年度決算ベースで給食業務委託料5,591万835円のほかにも学校給食事業補助金1億9,891万1,210円が支出されており、原資は皆様から頂いている税金であること、そもそも富田林学校給食株式会社は市が100%出資して設立されていることなどを総合的に考えると、市の責任は極めて重いと考えます。

 本件について執行部の見解を求めます。

 次に、なぜ今回指摘したようなことが発生したのかについて考えたところ、大きく2つの問題があると考えましたので、順次お伺いします。

 1つ目は、契約について原課任せにしていることです。当然のことながら、原課は担当者が異動になった場合を除き基本的には業務自体には精通している一方、契約であったり仕様書の書き方あるいは発注に当たって別途専門知識を要するようなことについては、それぞれ一定の知識がなければ的確な判断ができません。特に、毎年同じような契約が必要な場合は、担当者が内容をよく把握していない状態で契約をしているようなケースもあるのではないかと考えます。
 そこで、契約について原課任せにするのではなく、契約書や仕様書等の作成をサポートしたりチェックする部署が必要ではないかと考えますが、執行部の見解を求めます。

 次に、2つ目ですが、契約の履行確認の問題です。もちろん、第一義的に原課が担うのは当然のことですが、第三者的な立場から確認をする部署があれば、不適合な契約の抑止や未然防止、あるいは後から発覚した場合には速やかに改善につなげることができるのではないかと考えます。そのような部署が必要だと考えますが、執行部の見解を求めます。



[執行部答弁]教育総務部長

 富田林学校給食株式会社と配送事業者との間で契約をしております学校給食配送業務についてですが、仕様書第8条に、配送業務は、発注者の指定する日の午前10時から午後3時までに終了すること、ただし、発注者が必要あるときは、受注者に通知してこの時間を延長または短縮することができるとなっております。また、同仕様書(詳細)の中では、受注者従業員が配送業務に従事する時間は午前10時から午後3時と定め、同様に、通知によりこの時間を延長または短縮することができると定めております。

 一方、富田林学校給食株式会社によりますと、現状では給食の配送及び回収の作業は、午前9時20分頃に配送従事者8名が出勤後、配送車両4台で9時30分頃から給食センターを出発して小学校6校へ食器のみを先に配送しております。その後、小学校16校への給食配送は、8台の車両で午前11時頃に給食センターを出発し、11時40分頃に一旦戻り、午後の回収は1時頃に出発して2時前頃に戻っている状況にございます。回収業務が終わった午後2時10分前後には大半が退社し、回収したコンテナの整理作業を行う2名は午後2時30分頃に退社しているということでございました。

 議員ご指摘の仕様書(詳細)の問題点でございますが、ただし書で、発注者は必要あるときは受注者に通知の上、この時間を延長または短縮することができるとありますことから、配送業務に従事する時間の延長や短縮が常態化となったものと考えております。

 また、この仕様書の内容は、本市が学校給食配送有限責任事業組合と学校給食配送業務委託を契約していた平成25年度以前のものと同様であり、平成26年以降も同様の仕様書の内容と配送の現状が合っていない状況が続いていたものと考えております。

 一方で、学校給食センター調理等業務委託料における配送業務につきましては、作業時間当たりで積算されたものではなく、配送及び回収の業務が履行されていることで富田林学校給食株式会社へ委託料を払っているものであります。業務委託の仕様書による配送業務自体は確実に遂行されているものと認識をしております。

 しかしながら、本市といたしましては、議員からのご指摘をいただきました点を踏まえ、配送業務に従事する時間について、業務実態が仕様に沿ったものとなるよう富田林学校給食株式会社に対して指導してまいります。



[執行部答弁]総務部長

 続きまして、富田林市事務専決及び代決規程におきましては、物品購入、建設工事または業務等を発注する場合、その予定金額に応じて定められた者の決裁を受けることとなっており、その際に、一部の少額な案件を除き、契約担当である契約検査課の合議を行うこととしております。

 仕様書及び設計書等については、原課において担当者以外の者による検算、校合等の審査を行っておりますが、合議の際に改めて契約検査課においても可能な範囲で点検し、併せて契約書の作成等についても必要に応じて修正の指示等を行っているところであり、原課以外の部署によるサポート及びチェック機能を持たせているところでございます。

 次に、建設工事及び測量・建設コンサルタント等業務における一定金額以上の案件を契約検査課において完了時に成果品等の検査を行っているところでありますが、それら以外の案件につきましては原課において検査を行うこととなっています。

 また、契約中の履行確認等につきましては、契約内容を熟知し、かつ受注者の履行状況を容易に把握できる原課で履行確認を行うことが合理的であると考えますことから、現在は原課が責任を持って履行確認を行っているところであります。

 議員のご質問にあります第三者的な立場での契約履行の確認につきましては、契約に適合しない履行の抑止等に一定の効果があると考えますが、人員体制等の課題もございますことから、その手法について研究するとともに、改めて契約の適正な履行を確保するために必要な監督または検査を徹底するよう原課に周知してまいります。



[いとう寛光の発言]意見・要望・再質問

 意見・要望を述べつつ、学校給食配送業務の件については再質問を行います。

 まずは意見と要望を述べます。

 ご答弁では、契約について、一部の少額な案件を除き契約担当である契約検査課の合議としているとか、契約書の作成等についても必要に応じて修正の指示等を行うこととしているとのことですが、これが実際にどこまで機能しているのかというのが問題なのであって、形式的なものになっていないのか、あるいは原課に知識がないような案件について、契約検査課において契約書や仕様書の作成をサポートできるだけの人的、質的体制ができているのか、これについては甚だ疑問であります。

 また、履行確認についても、第一義的に原課が担うのは当然として、全ての契約については不可能であっても抜き打ちで幾つかの契約について履行確認をするなど、工夫次第で原課の意識を高め、不適合な契約の抑止につなげることはできると考えます。

 厳しい定数管理の下ではありますが、人的な体制の充実も含めてご検討いただきますよう要望いたします。

 次に、再質問を行います。

 先ほどのご答弁で、学校給食配送業務について、開始時間が午前10時なのか9時30分なのか、終了時間が午後3時なのか2時30分なのかという、30分ずれているだけで全体の5時間というのは変わっていないこと、仕様書の内容は本市が事業者と直接学校給食配送業務委託を契約していた平成25年度以前のものと同様であり、平成26年度以降も仕様書の内容と配送の現状が合っていない状況が続いてきたということが確認できました。

 また、ご答弁によると、午前9時30分から小学校6校に食器のみを先に配送しているとのことですが、これは事前のヒアリングによると新センターになってからだということでした。新センターが完成したのは平成30年3月ですので、それ以降の話だということになります。

 まずお伺いしたいのは、なぜ新センターになったことで食器のみを先に配送する必要が生じたのか。これは配送業務の委託契約の範囲内で処理されていることではありますが、今回私が問題にしている拘束時間に大きく影響している問題だということは、先ほどのご答弁からも明らかなので、お答えください。

 次に、新センターになる前はどうだったのか。仕様書に定められている原則の時間帯どおりの勤務実態はあったのかなかったのか。勤務実態がないことが常態化していたのであれば、なぜ契約を改めなかったのか。勤務実態に合わせて見積りを取れば委託料を下げることができたのではないか。先ほどのご答弁では、委託料について、作業時間当たりで積算されたものではない、配送及び回収の業務が履行されていることで支払っているものだという趣旨のことをおっしゃったかと思いますが、それは詭弁にすぎません。

 確かに契約ではそうなっているでしょう。配送及び回収業務の履行が目的なのであって、決まった時間、受注者の従業員を拘束することが目的ではありませんから。問題は、その委託料は何を根拠に算定したのかということです。

 受注者の従業員が作業中に使用する白衣などが受注者の負担であることが定められていることから、それらの費用はもちろん、付随して色々なことが見積もられていると思いますが、受注者の従業員の人件費も当然入っているでしょうと。契約の相手方は、見積りを出す際に従業員の人件費をどうやって算出しますか、ということなんです。

 普通に考えたら分かると思うんですけれども、よほどの特殊な事情がない限り、8時間働く人と4時間働く人の人件費を同じ金額で見積もるはずがありません。同じように、5時間の拘束なのか4時間の拘束で済むのかというのは大きな問題で、勤務実態がない分まで含めて委託料が過大に見積もられてきた可能性は否めないと考えます。

 本市は、直接事業者と契約をしていた時期を含め、主体が本市であるか富田林学校給食株式会社であるかを問わず、適正な金額で契約をしてきたのだと断言できますか。私は、市民の一人として、また納税者の一人として納得がいきません。過剰に見積もられた分については市に返還していただきたいと思いますが、執行部の見解をお示しください。

 以上、再質問といたします。



[執行部答弁]教育総務部長

 まず、1点目の新センターでの配送ですが、新センターになる計画段階で、従来の1段階で行うのか、それとも2段階にするのかということを検討いたしました。その中で、大きく2点なんですが、1点は食育の観点から食材に合わせた盛りつけの仕方をすべきだということで、大きなプレートに一括ではなくて、それぞれの食材に合わせた食器を使うということで種類を増やそうという、こういう計画をしました。

 もう一点は、これまで各学校の配膳室等で保管、洗浄していましたトレーについて、衛生面の観点からセンターにおいて洗浄、保管をして配送するというほうが好ましいということで、この2点も踏まえても従来の時間の中で完了できるというふうに判断しましたので、この2段階の配送を決定いたしました。

 2点目でございますけども、旧センターでの勤務は、配送従事者の皆さんが10時前に出勤し、食器や食缶をコンテナへ入れてから配送車へ運搬、積込みの作業を担っていただいております。

 この作業は、旧センターがその構造上で運搬や積込み作業に手間がかかるという実態を踏まえた勤務内容でございます。その意味では、勤務実態と仕様書に記載している従事している時間というのは50分程度の差があるという状況でございます。

 3点目の契約につきましては、配送業務は午前10時から午後3時までに終了するとの仕様書の時間の規定でございますけれども、通常の配送及び回収において、各学校間の距離の違いですとか交通渋滞等の状況もございますことから、ある程度余裕を持たせた時間設定をしているところでございます。

 その後、契約におきましては、その業務内容とそこの業務にかかる時間を踏まえて配送業者からの見積りを踏まえ、その金額と勘案した結果、その内容が適切と判断をしたと認識しております。

 ただし、勤務実態と仕様書に従事する時間については、議員がご指摘いただいたことを重く受け止め、学校給食株式会社のほうに改善するよう指導してまいります。



[いとう寛光の発言]意見・要望

 まず、食器のみを先に配送する必要が生じた理由については分かりました。ただ、納得はできません。

 食育が重要であることであるとか衛生面の課題については理解しますけれども、2段階の配送が必要になることをわざわざ選択したというのは失策だと考えます。

 そもそもの時間設定がおかしかったのであって、適正な時間帯に契約を早い段階で改めているならばそのような選択はしなかったであろうし、やはりその分、ランニングコストがかかり続けるという、そういう問題が生じていたはずなんで、その部分については私は納得ができません。

 1回の配送で済むような、そういう範囲で工夫すべきだったと考えます。そして、これについては経営感覚が全くないとしか私は言いようがないと考えます。

 次に、新センターになる前の勤務実態について、仕様書に定められている時間と50分程度の差があったという趣旨のご答弁がありました。今の分といいますか、新センターになってからについては、本当に開始時間と終了時間との間がずれているだけで、実際の業務にかかる時間が約5時間ということで変わりがないというんであれば、仕様書を書き換えれば済む話かなと思います。

 もちろん、実態と異なる仕様書を放置し続けたということは問題ですけれども、嘘偽りなく本当に約5時間従事しているんであれば、直ちに過剰な見積りだとは断言できませんので。

 ただ、新センターになる前、すなわち平成30年度以前の分については50分程度勤務実態がなかったとお認めになったわけですから、これは、はいそうですかということで終わらせるわけにはいきません。これは、市が直接配送業務を委託していた平成25年度以前は入札をしてこなかった。つまり特命随意契約で委託をしていた。それから、平成26年度以降は富田林学校給食株式会社が配送業務を委託していますが、相見積りを取っていないとも聞き及んでおります。

 ある程度余裕を持たせた時間設定をしたということなんですけれども、普通、1年やってみたら分かると思うんです。そのある程度というのが実際にどのぐらい必要なのか、何年もの間、50分程度勤務実態がないということを分かった上で、入札することもなく同じ仕様で特命随契で続けた。あるいは相見積りを取ることなく、市が直接委託契約をしていたときの仕様でそのまま契約をし続けたと。結果、何年もの間、過剰に見積もられた金額で委託料を払い続けた。

 しかも私たちが納めた税金からであります。少なくとも2年目以降というのは勤務実態と50分程度の乖離が発生していることを認識していたわけですから、過剰な見積りになっているのを分かった上で契約していたということになると思うんです。

 こんなことを誰が許しますか。誰が納得しますか。市民の皆さん、もっと怒ったほうがいいと思うんです。

 そして市長、この事実を知った以上は、遡れるだけ遡って、何らかの手段で市に返還してもらってください。これは強く要望いたします。