少し前に題材にさせてもらったウェブ人間論 ですが、この中で本の未来について議論されている項があります。
平野氏はこの本の未来について、将来的には今のように紙の媒体がなくなり、PCなりなんらかの記憶装置に本のデータがダウンロードされ、持ち運ばれるような時代が来るのではないか、と言う事を予想しています。
私自身もそのような事については考えた事があります。
音楽や動画が自由にダウンロードできる時代で、その先にそういったものがあるというのは誰もが予想できる事だと思います。
しかし、梅田氏はその点については否定的で、本は相当長くの間生き残るメディアだと述べています。
確かに、本というのは携帯性や読みやすさの点で、PCなどで文字を読むより優れています。
Blog自体もあまりに長文の記事は好まれない傾向にあります。
しかし、そういった中でも本の内容をデータとして読ませようと言う動きはあります。
一つには、SONYが出したLIBRIe(リブリエ)
があります。
これは、まさに本をダウンロードして持ち運ぶと言うスタイルです。
しかし、こういった端末はあまり活発に利用されているとは言えません。
それには、やはり本に比べたら大型になりますし、読みにくさと言うものがあると思います。
本は通常1冊を持ち運んでいれば十分ですし、例えそれが2冊になったとしてもそういった端末よりははるかに軽く、持ち運びやすいものです。
それに使い方を覚える必要もありませんし、壊れる心配もほとんどありません。
そういった意味で、こういった端末が一般的になるには本以上に軽く、持ち運びが容易でさらにシンプルな操作が可能になる必要があります。
一方で、PC上で本などの長文を読むと言う動きもあります。
ネットで読む電子新聞「産経NetView」。動画も写真も満載、速報も充実
Flashを使って拡大したりして読ませるものですが、紙を媒体とする新聞に比べたらやはり読みにくさはあります。
また、Flashが使える端末に限定されるので、利用者の幅は少なくなります。
PCで文章を読むと言えば、PDFが最も一般的かと思うのですが、これについてもAcrobatReaderがインストールされている端末と言う事になるので、利用の範囲が限定されてしまいます。
PCにしろ、携帯にしろ長文を読むにあたってはどれだけの情報量を人に見せる事ができるかと言う点が読みやすさにおいて重要になるかと思うのですが、PCとか携帯ではそういった情報の見せ方が限定的になるので、拡大表示とかそういった機能をつけて情報を見せるしかありません。
本を手に取った場合は、視点をずらしたり本を持つ位置を調整して自由に視野を調整できますがその点がPCとかでは難しいところがネックになっています。
情報端末の小型化は、著しく進んでいっていますので携帯性については、本より優れた時代が来ることは予測できますが、読みやすさの点で何がしかの画期的なアイデアがない限り今のままでは難しい事だと思います。
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