ここでは、英検にこだわらず「ためになる英語」学習について手に入りやすい本の案内として説明をしていきます。
「バレリーナ 踊り続ける理由」(河出文庫)は、世界三大バレエ団の一角を誇るる英国ロイヤルバレエ団で約22年もの間、プリンシパル(バレエ団での最高位のバレリーナ)を務めた吉田都の手によるものです。
なぜ、この一冊が当ブログ筆者をどう圧倒したのか。
いや、正直に言えば、圧倒と言うのとは少し違うのかもしれません。
しかし、これかれら紹介する10数行は、読者のような英語の使い手としては、読むだけでは足らず、ぎゅっと噛み締めておく必要があると思います。以下引用してみます。
強い自己主張もするけれど、責任も取る。英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルはそういう人たちです。(中略)
人間関係は、易しいことばかりではありません。
ぶつかったり、叱られたり、失敗して落ち込んだり、そんなのは当たり前。
強く主張する人や集団の意見に自分を合わせる日本の社会は、一見配慮に満ちているように見えますが、臆病とも感じます。
いかがでしょうか。
気配りや気づかいで生きぬこうとする姿勢と言うか生き方は、この国の中だけで通用するもの。
いやこれだけ外国人の方が入ってくるとさにあらず、であり、今や時代遅れなのです。そのことにもっと敏感でいようではありませんか。
というのも、吉田都は、英国でバレエのプロとして、当然、共演者や演出家、スタッフと英語でしかやりとりができない環境に身を置いた結果、相手に合わせるのではなく、向かっていくことの重要性を説いています。
そして、本ブログ筆者も、このあたりが、日本人の英語の使い手には足らないのではないかと申し上げているのです。
(このあたりについては、↓もぜひお読みください)
さらに先を引用してみましょう。
対立から学ぶことも多いものです。傷つくことを避け続けていると、些細なことで心が折れるようになってしまうかもしれません。なにより、本音で語り合えなければ、打ち解け合うこともできません。
引っ込み思案な私も、英国に暮らした三十あまりの間に、心のサバイバル能力を高めることができました。
いかがでしょうか。
本ブログ筆者も、英語が上達したことを日本人相手に見せびらかすような愚を、多くの読者がしてしまっている。とまでは申しませんが、吉田都のように捨て身の覚悟で立ち向かう姿勢を持っている方は非常に少ないと見ています。
そして、そういう「立ち向かう姿勢」のようなものはTOEICでも、そして英検1級においても、多少は磨かれるかもしれませんが、知れていると思います。
すなわち、よほど覚悟して英語で丁々発止戦っていかないと、相変わらず日本人の多くは、世界的な価値基準から見れば途方もないほど「お人好し」。外国人相手に何かと言えば「イエス」とか「サンキュー」の連呼で終わったりしてしまいがちなのではないでしょうか。
そのあたりに改めて意識を向け、姿勢を変えるために、ぜひ本書の一読をおすすめします。
また、吉田都の現役時代における、優美な踊りにもぜひ触れてみてください。(↓)
ちなみにイチローとか、中田英寿とか、大谷翔平といった海外で活躍したスポーツ界の人々に、日本国内の注目が偏りがちであり、吉田都のような存在があまり語られることのない現状については、ため息をつきたくなります。
その意味もあって、必ずしも自分を圧倒したわけではないものの、このブログでは取り上げるべきと考え、皆様にご紹介をいたしました。
以上、あなたの英語学習法や、英会話上達のヒントにしていただければ、幸いに思います。