ここでは、英検にこだわらず「ためになる英語」について説明をしています。
さて、このブログでは、ことあるごとに英語でやりとりをするときには「空気を読まない」で、はっきりと相手に主張することの意義を伝えようとしています。(未読の方は↓)をご一読ください)
もちろん、これは、野放図に礼儀知らずの英文メールを書いてもいい、書くべきだなどと主張しているわけではありません。
相手に対して変に卑屈になったりせずに、伝えるべきことはきちんと伝えるべきであることがいかに重要か、そしてその意識がこの国では少々希薄なのではないかと申し上げたいのです。
とはいえ、なぜ、相手を恐れずにはっきりと主張する「癖」を自分が身に付けることができたのかーこのあたりについては、もう少し丁寧に説明した方がいいと考え、ここで改めてご紹介してみたいと思います。
理由1.ビジネス英語でやりとりをすることになったとき、自分が受注者ではなく発注者側だったから
つまり、海の向こうの相手が受注者であったのです。これはあまり一般的ではないのでしょう。
日本の英文ビジネスメールの教科書、参考書でこのような関係を前提に書かれているものは、ほとんどありません。
少なくとも、いまから20年くらい前、自分が見た限り1冊もありませんでした。
こういった英文メールガイドブックの大半においてはひたすら外国人のお客様に日本人が平身低頭、まさに「へいこら」するスタイルで英文が書かれています。
文体はもちろん、内容に関しても、外国人様さまになっているのです。
指南書を書いている方は、そこまで卑屈になっているつもりはないと思われているのかもしれませんが、自分にはそう見えました。いや、今もそう見えます。
これに対して、自分の場合は、納入された品が、こちらのメールでの要請内容と違っていた場合には、即座に指摘する趣旨のメールを返信したり、原因究明や善後策を要請するメールを出したりしなければなりませんでした。
そういうときの模範例文、当時は非常に少なくて苦労しました。
また、欧米では交通事故の現場などで、非を認めることなどなく、絶対に謝ったりしない、と聞いていましたから、上記のような、「嫌われかねない」メールを出した後には、反発を受けるのではないかと、内心ひやひやしていたこともありました。
しかし、意外なことに、返信メールではあっさりと彼らの謝罪の文句が英語で並べられていたので、驚きました。
そして、こういった現場でのやりとりを繰り返すうちに、安易にへりくだったり、日本人にありがちな「善人づらしてがまんする」といったことをひどく的外れに感じるようになりました。
現に、その後転職して、全く別の外国人とメールでやりとりをするときに、この時に培った交渉スキルが非常に役立ちました。
また、予想外の手を仮に相手がしかけてきたとしても、そうそうは動揺したりしないだけの余裕を持つことができました。
文化の違いという谷間に英語と言うツールで橋をかけるとき、それは、もちろん英語という相手側の土俵に立っているというこちら側の一種の弱みはあるものの、だからといってやたら従属的になったり、気に入られようとしたりしてはならない、とあえて申し上げたいと思います。
そんなことをしたら、なめられるに決まっているではありませんか。
しかし、いま、どのくらいの日本人が、このあたりの「常識」を身に付けているでしょうか。
ネット上において、英語の資格試験の点数や級の獲得にばかり熱中するような風潮を目の当たりにするたびに、実務のおいてきぼりや、問題意識の希薄さを感じ、暗澹(あんたん)たる思いにかられます。
もちろん、このあたりをきちんとわきまえていらっしゃる方も、全くいないとまでは申していません。
このあたりについては、ぜひ↓もお読みください。
理由2.英語が全く使えなかったとしても自分は相手に意思を「はっきりと伝えないと気がすまないタイプ」だから
この点については、↓をご一読ください)
以上、日本人にありがちな「へいこら英語術」に関して自分なりの考えを紹介してみました。あなたの英語学習や実務の参考になれば幸いです。