英検1級が初めて外国人にNo!を伝えたころ | ひとときのときのひと

ひとときのときのひと

広告業界で鍛えたから、読み応えのある文が書ける。
外資系で英語を再開し、アラカンでも英検1級1発合格。
警備業界にいたから、この国の安全について語りたい。

そんな人間が、ためになる言葉を発信します。
だいたい毎日。



まずは英語から。

 ここでは、英検にこだわらず「ためになる英語」について説明をしています。

 

 さて、今どきの英語学習に関してですが、「友だち何人できるかな」といった楽天的な方向はもうそろそろ卒業して、「いかに他者に対してNo!を伝えるか」「いかに自分の意思をはっきり相手に伝えるか」に向かうべきではないかという趣旨で投稿を続けてきました。

 

 未読の方は↓をお読みください。

 実は、No!を伝えるのは、英語ができなくてもできることなのではないか、と最近思えてきました。

 

 興味ある方は、続けてお読み願います。

 

 自分が英検もTOEICも、知らず、まさに「ほんわか」とハワイ行きの飛行機に乗った頃、たぶん20代だったと記憶しています。

 

 今から、40年くらい前で、飛行機は、今はデルタ航空と経営統合してしまった、ノースウエスト航空のものでした。

 

 往きの便でトイレに立ちたくなりました。用をすませてさて席に戻ろうとすると、通路がふさがっています。

 

 食事用のカートがあったからです。行こうと思えば、エコノミークラスの給仕をしているキャビンアテンダント((いや当時はスチュワーデスといったのかもしれない)の横と言うか後ろを通り抜けられなくもない。

 

 しかし、さすがにそれは迷惑だろう。と思いました。

 

 というわけで、反対の通路に迂回をしたのです。

 

 遠回りをしたわけですね。

 

 ところが、その反対の通路には、食事用のカートはなかったものの、男性のパーサーらしき男がどすんと立っている。

 

 そこに自分が近づくと、「なんで、君はこんなところをのこのこ歩いているんだ?」と聞きます。たぶん、そんなことを言っていたのでしょう。というのは、そのころは、全く英語が聞き取れませんでしたから。

 

 とはいえ、彼が相当険しいというか、疑わしい目で、自分を見つめていたので、察しはしたのです。いまでいう「上から目線」丸出しです。

 

 そこで、当時全く英語の話せなかった自分が、どうしたか?といえば。

 

 指でトイレをピンポイントで指差し、パーサーの視線がそこにとどまったことを確認してから、「ブーン」とかなんとか言いながら、ほらあそこにカートがあって通れないから、こうやって迂回したんだよ、とばかりに指を移動させ、自分の足元まで持ってきました。

 

 「ふーん、そうなのか、わかったよ、しょがねえなあ」といった感じでそのパーサーはそれ以上は、自分をとがめるようなことを口にしませんでした。

 

 よほど旅行慣れしない若いアジア人が物珍し気に飛行機の中をうろうろ散策しているとでも誤解したのかもしれません。

 

 しかし、ここで、重要なのは、サンキューやソーリーでその場をとりつくろおうでは、だめ。伝えるべきことは伝える、誤解されそうなら、その誤解の芽をさっさと摘まなければならない、ということ。

 

 もちろん、この時、自分が受けた扱いは、目くじらを立てるほどではないかもしれません。

 

 とは言え、いやなことはいや、違うことは違うといわないと、それは相手の解釈とか見解を認めてしまうということになるのです。

 

 このあたり、日本人は、どうも無頓着(むとんちちゃく)な傾向があります。未だにです。

 

 相当の英語の達人に見える方でも、卑屈といっては、言い過ぎかもしれませんが、凛とした態度で出れないように見受けられます。

 

 言い換えれば、日本人同士の、よくある「すんません、すいません」の連呼でことを運ぼうとする姿勢なんてのでは、外国人には通じない―そのことをもっと切実にとらえて行動した方が身のためですよ、と申し上げたいのです。

 

 既に述べたように英語ができるできないは、二の次です。

 

 外国語ができようができまいが、No!を言う。

 

 その姿勢なしでは、どうなるか。

 

 相手に「なめられます」。

 

 日本人は、どうも「いい人」と見られたい願望が強すぎます。そういう「いい人」ばかりで、世界が成り立っていれば何もいうことはありません。

 

 が、現実ではそうではないのは、ヨーロッパや中近東で起きている現実を見れな想像がつくではありませんか。仮に外国慣れ、外国人慣れしていなくても。

 

 どこかの放送局がやっている、やらせとまでは言いませんが、「あなたはどうして日本に来たの?」みたいな、あんな世界をいつまで脳天に保ち続けているのですか、ということです。

 

 それでは、最後にこんな例でしめくってみようと思います。

 

 ロンドンの地下鉄で使う、日本で言えば「パスモ」とか「スイカ」に相当するプラスティックカード。その返金方法について駅員に聞いたら、名刺大のマニュアルをやっこさん、カウンター越しに投げつけてきましたから。いまから10年くらい前ですが。

 

 日本の鉄道のように「お待たせしました」を期待する方が、「おかしい」かもしれないのです。

 

 そのくらいの感覚は旅行鞄からいつでも取り出せるようにしておいたほうがいい。

 

 いや、日本の外にも「いい人」はいます。それは確か。

 

 しかし、英会話のテキストに出てくるような紳士淑女ばかりでないのは、確か。そんなに頻度が高くないのも確かなのです。

 

 以上、英検1級がはるか昔に、初めてNo!を伝えたころの話をもとに、フツーの英会話テキストには載っていないノウハウをご紹介しました。あなたの英語、英会話上達のヒントにしていただければ、幸いに思います。

 

 未読の方は、こちら↓もお読みください。