当社は3月が決算月で大体数値が固まってきました。2024年度を振り返ると、異常気象、インフレ、そして円安などの外部環境に上手く対応出来ず増収減益の厳しい一年でした。
一点、増収については20%近い伸びですので、値上げだけでなく当社の商品やサービスへの支持が拡がった結果とポジティブに捉えています。
外部環境について少し触れると、インフレは単に商品原価の上昇だけでなく、採用難から生じる人手不足という恒常的な問題を引き起こしています。
これにより、物流や倉庫などのインフラサービスの質が『人不足』によって低下する現象も顕著になっています。
現在は、売り手市場になりつつありますね。商品やサービスを利用する側、いわゆる『お金を支払う』立場が有利ではなくなってきた気がします。
企業においてもリソ-ス(経営資源)を持つものが強く、優れた人材や安定したインフラを確保する事が重要です。
異常気象の影響も甚大です。猛暑による秋冬の果実、特にリンゴや梨の連続した不作は、原料費の高騰を招き、自然と戦うビジネスの難しさを改めて感じさせられました。
昨今の円安や海外における急激なインフレで国産青果物の競争力のアップを感じつつも、天候リスクを踏まえた全方位の調達戦略が必要であると再認識した次第です。
25年度が始まったばかりですが、今後も異常気象・人手不足・インフレ・円安などの逆風が吹きすさぶでしょう。また、トランプ大統領の関税施策などで世界経済の景気後退も懸念される状況です。
しかし、経営を預かる者としては『打つ手は無限』と考えています。重要なのは、パラダイムがシフトしていることを認識した上でビジネスチャンスを伺い戦略を立てる事です。
例えば、異常気象を含む外部環境の変化が新たな商品市場を生み出す機会となっています。昨年は輸入キャベツが大フィーバ-でしたが、他の輸入産物にもビジネスチャンスは拡がっています。
また、デフレ経済では何より価格競争力が重要で原料を安く仕入れる、人件費を抑えるなどのコストコント-ルが生命線でした。
勿論、インフレ経済においても価格は引き続き重要なバリュ-ですが質の高い原料を調達し、優秀な人材を集めるためには、それ相応のコストあるいは一定の投資が必要です。
そして、DXを進め少数精鋭の組織を作り、園地・製造現場においては機械化・自動化を推進していく事が不可欠と考えます。
今後も時代の変化に対応できる強固な企業力を築くため、全社員一丸となり取り組んで参ります。