今年のチェリ-ビジネスも終盤を迎えてきましたが、一言で表現すると『しんどい年』でした(笑)。 天候、市況、作柄、為替など、ままならないことばかりで思い通りにいきません。


不肖の経営者はチェリーのビジネスにおいては、おそらく日本で最も長く関わってきたプレイヤーの一人だと思います(気づけばもう38年になります)。

 

しかし、どれだけ経験を重ねても、市場(マーケット)はつかみどころのない生き物。手応えを感じたと思った瞬間に、するりと逃げていく・・・そんなことの繰り返しです。

 

キャリアを積むにつれて、人は過去の成功体験や、そこから紡ぎあげた“勝ちパターン”や“方程式”に頼りたくなるもの。しかし、それが時に柔軟な発想を妨げる足かせになることもある。

 

だからこそ、固定的な考えにとらわれず、常に市場の声に耳を澄ましながら、小さな修正や改善を積み重ねることが大切ですね。

 

勿論、チェリ-に限らずですが、市場との対話に“終わり”はなく、変化に即応する柔軟さこそが、長くこの仕事を続けるための鍵なのでしょう。

 

話が変わりますが、今年もまた、想定を超える猛暑が続いており国内外の産地から異変が生じ始めたとニュ-スが入りました。

 

一部の地域では収穫時期や品質に影響が出る一方で、新たな産地の可能性が浮上したり、需給のバランスが大きく揺れる事で新しい商機が生まれる局面もあります。

 

そうした機会を的確にとらえ、柔軟に動く事が出来るのは、我々のような専門商社の本文です。ここは持ち前の商社機能を最大限に発揮し、新たなビジネスチャンスを捉え、価値ある提案に繋げて行きたい・・・

とはいえ、やはり最後は「市場との対話」です。日々変わる状況に目を凝らし、耳を澄ませ、ちょっとした違和感や兆しを見逃さずに動く。

そんな小さな積み重ねが、結果として大きな成果につながっていくのだと思います。

 


 

 

当社は3月が決算月で大体数値が固まってきました。2024年度を振り返ると、異常気象、インフレ、そして円安などの外部環境に上手く対応出来ず増収減益の厳しい一年でした。

 

一点、増収については20%近い伸びですので、値上げだけでなく当社の商品やサービスへの支持が拡がった結果とポジティブに捉えています。

外部環境について少し触れると、インフレは単に商品原価の上昇だけでなく、採用難から生じる人手不足という恒常的な問題を引き起こしています。

 

これにより、物流や倉庫などのインフラサービスの質が『人不足』によって低下する現象も顕著になっています。

 

現在は、売り手市場になりつつありますね。商品やサービスを利用する側、いわゆる『お金を支払う』立場が有利ではなくなってきた気がします。

企業においてもリソ-ス(経営資源)を持つものが強く、優れた人材や安定したインフラを確保する事が重要です。

 

異常気象の影響も甚大です。猛暑による秋冬の果実、特にリンゴや梨の連続した不作は、原料費の高騰を招き、自然と戦うビジネスの難しさを改めて感じさせられました。

 

昨今の円安や海外における急激なインフレで国産青果物の競争力のアップを感じつつも、天候リスクを踏まえた全方位の調達戦略が必要であると再認識した次第です。

 

25年度が始まったばかりですが、今後も異常気象・人手不足・インフレ・円安などの逆風が吹きすさぶでしょう。また、トランプ大統領の関税施策などで世界経済の景気後退も懸念される状況です。

 

しかし、経営を預かる者としては『打つ手は無限』と考えています。重要なのは、パラダイムがシフトしていることを認識した上でビジネスチャンスを伺い戦略を立てる事です。


例えば、異常気象を含む外部環境の変化が新たな商品市場を生み出す機会となっています。昨年は輸入キャベツが大フィーバ-でしたが、他の輸入産物にもビジネスチャンスは拡がっています。
 

また、デフレ経済では何より価格競争力が重要で原料を安く仕入れる、人件費を抑えるなどのコストコント-ルが生命線でした。

 

勿論、インフレ経済においても価格は引き続き重要なバリュ-ですが質の高い原料を調達し、優秀な人材を集めるためには、それ相応のコストあるいは一定の投資が必要です。

 

そして、DXを進め少数精鋭の組織を作り、園地・製造現場においては機械化・自動化を推進していく事が不可欠と考えます。

今後も時代の変化に対応できる強固な企業力を築くため、全社員一丸となり取り組んで参ります。

 

 

 

 

 

 



2024年を振り返ると、多様なトピックが注目された一年であり、兵庫県民としての私には「選挙イヤー」としての印象が強いものでした。

自民党の総裁選やアメリカ大統領選が行われ、特に兵庫県知事選では「事実は力であり権威である」という言葉が象徴するように、事実が明らかにされないことが混乱の一因となったように思います。
 

ビジネスにおいても、事実に基づいた意思決定の重要性は言うまでもなく、経営者として正確な事実を把握し、それに基づいて行動することが成果を左右する大きな要素でしょう。
 

経済の分野では、今年もAI(人工知能)が主要トピックとして注目されました。AI技術の進化は驚くべき速さで進行しており、その未来を予測することは依然として困難です。

ソフトバンクグループの孫正義氏が特別講演で述べた「AIは3年以内に人類の知性を超え、10年以内にその知性が人類の一万倍に達する可能性がある」という言葉は、技術革新の可能性と同時に、その倫理的・社会的課題について考えさせられます。
 

さて、このAI時代を象徴する企業として、エヌビディア(NVIDIA)社が挙げられます。今年、同社は株価の急騰とともに、グーグルやアマゾンを凌ぐ勢いで市場を駆け上がり、「マグニフィセント・セブン」の最高位にまで成長しました。
 

同社の時価総額は約500兆円、直近の四半期決算では売上が前年比2倍の5.43兆円、純利益は売上の57%にあたる3.1兆円という驚異的な実績を記録しています。この成功の背景には、データセンター向けGPU市場で98%、AI学習用チップ市場で90%近い圧倒的なシェアを誇る独占的な地位があります。
 

このブログで何度か触れてきましたが、やはり市場における圧倒的NO1企業は最強です。我々の食品企業は、成熟市場という厳しい環境の中で圧倒的NO1を実現することは容易ではありません。しかし、高収益企業となるためには、少なくとも市場でのイニシアティブを握ることが不可欠だと思います。

MVMグループとして、今年は収益の確保に想定以上に苦戦しましたが、この経験から市場でのイニシアティブの重要性を改めて認識し、ビジネスモデルの脆弱性に気づかされました。
 

来期以降、この学びを活かし、商品とビジネスモデルをさらに磨き込み、市場での主導権を確立することに集中します。これが、高収益企業へと繋がる道であり、持続的な成長と成功への鍵だと確信しています。
 

来年も引き続きのご支援をお願い申し上げます。それでは皆様、良い年末年始をお迎えください。
 

石田希世士