交通事故鑑定人になるには3 初学者の壁 | 事件鑑定人のブログ@鑑定人イシバシ

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私が事件鑑定人としてこれまで経験したことを書きます。
特定を避けるため、一部、ぼかしたりフェイクもありますが、概ね実体験です。

テレビの影響と思われるが、「どうしたら鑑定人になれるのか」という問い合わせが多い。
以前のブログで鑑定人の要件については書いた。

http://ameblo.jp/ishibashi-kantei/entry-12111452335.html
http://ameblo.jp/ishibashi-kantei/entry-12111467896.html

これは現在裁判所で鑑定人を評価されてる傾向であって、基準ではない。

傾向は大雑把に、公的評価・能力評価・キャリア評価・身上評価、に分類できる。
これらはどの世界でも同じで、鑑定人が特にこの点を厳しいというものではない。
どこかに就職するに際しても同様に見られる点だ。
しかし、鑑定人の評価と就職に於ける評価の決定的な違いがある。
鑑定人が見られる点は就職と異なり 「これからどう生きるか」 ではない。
あくまでも 「これまでどう生きてきたか」 が評価の対象となる。
   

これまで書いたことは一見すると初学者に門戸を閉ざしているよう映るだろう。
ところが、事件毎に鑑定書を評価するのは裁判官であるし、依頼する弁護士である。
彼らにとって、鑑定人が今後どう生きていくかなど関心すらないのだ。
当然、実績を積んだ経験者の方が有利であり、初学者は不利である。
つまり、第三者に評価される積み上げがなければ名乗っても相手にされない。
鑑定人になる夢をぶちこわして恐縮だが、これが現実である。
しかし、多分将来においても鑑定人は必要とされるだろう。
そうした場合、それを担うのは現在の初学者等だ。
もし、鑑定人を志すのであればのアドバイスがある。

  

  ・自分のできること 

  ・求められていること 

  ・自分のやりたいこと

これが目指す鑑定の世界で全てマッチすれば鑑定人になれる。
あとは鑑定対象に向けて蓄積していけばいい。