【FPの長期投資ブログ、2024年3月30日記】
今月の解説内容、日銀のマイナス金利解除
2024年3月19日に、日銀がマイナス金利の解除を決定しました。決めたのは、「日銀政策決定会合」という定例の会議です。
これまでマイナスだった金利(政策金利、日銀我決める金利のこと)は、+0.10%となりました。
これを受け、早速、各銀行の普通預金の金利は+0.0200%となりました。
それまでの普通預金金利であった+0.0010%に比べると、何と20倍の跳ね上がり方です。
この投資ブログを読んで得られること
当ブログでは、投資初心者向けに投資の解説を行います。ペースは月に1〜2回。
個人が投資を始めようと、教科書や資格本を買う人は、結構いらっしゃると思います。でも、実際の経済の動きは、教科書通りには行きません。
初心者向けの投資の解説は、
・時事解説
・個人投資家の記録
からなります
立派なエコノミストや先生の説明ではなく、いち個人投資家の等身大の姿が分かります。
まとめると、この記事を読むメリットは次の通りになります。
・リアルの経済をリアルタイムで体感出来る
(ライブ感)
・実際の個人投資家の投資記録が読める。
新NISAや出戸などに投資をするということの感覚がつかめます。
(実感)
※私の投資記録は、本文の最後の方に
あります。
・経済と個人が繋がっていることが、
よく分かる。
毎月、投資デビュー講座と題して、オンライン講座を行っています。これに参加されると、更にライブ感は高まるでしょう。
解除された「マイナス金利」とは?
皆さま、「マイナス金利」と言っても、今一歩ピンと来なかったのではないでしょうか?
冒頭に書いたように、マイナス金利下でも、銀行の普通預金金利は、+0.0010%でした。パーセント(%)とは、100分の1の事です。涙が出るほど、少ない利率ですが、マイナスではありません。
実は、マイナス金利政策が行わているのは、日銀と各銀行との間のことなのです。
日銀(日本銀行)は、日本の中央銀行です。中央銀行は、別名「銀行の銀行」とも呼ばれます。日本の各銀行は、日銀に預金口座を持っています。これを日銀当座預金といいます。
普通は、この預金には利息が付きます。が、マイナス金利政策では、日銀は逆に口座使用料を取っていました。
この使用料が、俗に「マイナス金利」と呼ばれていました。マイナス金利は-0.10%でした。
なぜマイナス金利政策が取られたのか?
マイナス金利政策は、金融緩和のために行われました。
金融緩和とは、お金の循環が良くなるような政策のことです。金利を低くすれば、預金していてもお金は増えにくくなります。そのため、投資にお金が回り、循環がよくなる可能性が高くなります。
特にマイナス金利となると、銀行は口座保管料を日銀に取られてしまいます。それよりは、安い金利でお金を貸出に回すほうがよいという訳です。
マイナス金利は、2016年2月から始まりました。いわゆるアベノミクスの三本の矢の内の一本でした。
その成果に関しては、評価が分かれます。輸出企業を中心に企業が成長に繋がったという好意的な意見もあります。
賃金は上がらず、円安などの副作用で、日本の経済的地位を落としたという批判的な意見もあります。
いずれにせよ、アベノミクスはようやく終わりました。
住宅ローン金利がマイナス金利解除の影響を受ける可能性
マイナス金利解除は私たちの暮らしに、どのような影響を与えるのでしょうか?
多くの人が気にするのは、住宅ローン金利
でしょう。特に変動金利で借りた人は、金利上昇で毎月の返済額が上がる可能性があります。
金利の仕組みなどについては、下記の記事をお読み下さい。
株価が、マイナス金利解除の影響を受ける可能性
金利が上昇すると、相対的にモノの値段は下がります。株価もモノの値段の1つですから、株価下落の可能性があります。
モノと金利の関係を、簡単にまとめてみましょう。
ある物体(例えば、金の仏像)が100万円だったとします。金だから腐ったり、傷んだりしないとしましょう。
金利が0から1%に上昇したとします。
1年後の仏像の値段は、
100万円÷1.01=99万円となります。
今回の利上げも、そもそもの目的はインフレ(一般物価の上昇)に対抗する為でした。
とはいえ、毎月金利解除後も日本の株価は上昇傾向にあります。本稿執筆時点で、日本の株価の代表的な指数である日経平均は、4万円を超えています。
この春に新NISAを始めた方は、日本を含む世界的な株価上昇の恩恵を受けていると思います。新NISA(しんニーサ)とは、従来のNISA(ニーサ)の改良版です。いずれも、投資の収益が、一定限度まで非課税になるメリットがあります。
金利上昇イコール株価下落が公式ですが、教科書通りの動きにはなっていません。
日本が僅かばかり金利を上げても、米国など他の国は遥かに高金利です。例えば、アメリカは政策金利が5%台。まだまだ日本は安いのです。
それに日本のインフレ率は3%。
日本政府は2%の安定成長を目標としています。3%と2%の差1%を埋めるには、今回の0.20% の利上げは迫力不足の感は否めません。
政府は定額減税(1人4万円の給付など)を取りますが、日本人はインフレにはしばらく苦しめられそうです。
私のポートフォリオ、為替の影響
私は、約7年に渡り、イデコとNISAに分散投資をしています。
現在の投資信託のポートフォリオ※のリターンは、18.1%です。
NISA/新NISAの年間収益率(リターン)は17.40%でした。
イデコの年間収益率は、22.6%です。
私のポートフォリオ
投資信託
・外国債券ベース 7割
・外国株式ベース 3割
ポートフォリオ収益率
18.1%
NISA/新NISA 17.4%
イデコ 22.6%
先月(2024年2月)のNISA/新NISA/イデコを合わせた年間収益率は
19.4%でした。
同じペースで進んでいます。
日本のマイナス金利解除の影響は、あまり感じられません。為替(円安)の影響を受け、成績はまずまず良いです。
もっとも日本もアメリカも株高が続いており、今は好調な人が多いと思います。
慢心しないようにしたいと思います😊
最後に、先月のマーケット情報のまとめ。新NISAを始めた方はお読み下さい。
私は、毎月の月末に、日本と米国の株価と国債の指数を確認しています。月に一回、これを調べることで、自分の投資している外国債中心のファンドの立ち位置を確認できます。
投資を実際に始めた方は、ぜひ参考にして下さい。
先月、2024年3月末は、月足で、次の通りでした。
・米国債10年利回りは4.201%
・日本国債10年利回りは、0.725%
・ダウ平均は39,807ドル
・日経平均は40,369円
(データは、2024年3月30日、日本時間午前7時現在)
2024年2月末の値は、次の通りでした。
・米国債10年利回りは、4.251%
・日本国債10年利回りは、0.710%
・ダウ平均は、38,996ドル
・日経平均は、39,166円
マイナス金利解除後も日経平均は上昇を続けています。
総じて、株価は高めで継続しています。
もうしばらくこの勢いは続きそうです。
ただし、何かをきっかけに、急激に株価が下落するリスクがあることを忘れないようお願いいたします。特に、この春に新NISAを始めた投資初心者の方はご注意下さい。
先ほど、日本のインフレ率3%と目標成長率2%の差が1%であると書きました。長期金利(住宅ローンの固定金利など)の基準値である10年国債利回りは0.7%で、1%を下回っています。
日本の国が日本国債を買上げているため、国債利回りが低めに出ていると思います。(国債利回りが高ければ、国債価格は下がっていることを示しています。)
日本が日本国債の買上げを縮小しない限り、国内のインフレや円安は続くと予想します。
国債と国債利回りについては、下記記事をお読み下さい。
(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者、介護職員向け実務者研修を修了)
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