インフォメーションレシオ指標の活用【投資信託実践編その12】

投資信託を使った長期投資の実践編として、個人が行なう投資の方法を解説しています。実践編のコラムは、これで12回目となります。

投資を少し経験した投資初心者の方を対象に、個人投資家としての心得を

まとめました。

今回は、インフォメーションレシオ

という指標の読み方を解説します。

これまで、投資信託のパフォーマンス(成果)を評価する指標として、
・シャープレシオ
・β
・α
を学びました。

(引き続き頑張りましょう!)

α、超過収益率

αは、市場全体(世界中の株式や債券などすべての金融資産)に対して幾らリターンが高かったか(超過収益率)を示します。

これですと、インデックスファンドがベンチマーク(目標とする指数など)より、幾ら高かったかを知ることができません。

インフォメーションレシオでパフォーマンス評価

インデックスファンドとは、

公の指数(株や、債券、不動産など)と

連動して動くことを約束している

投資信託の事です。

市場の平均のリターンを狙います。

「世の中と同じ成長で良い」という考えの人が投資します。

インデックスファンドのパフォーマンス評価には、インフォメーションレシオという別の指標を用いると良いでしょう。

インフォメーションレシオの式は、

(ポートフォリオの収益率-ベンチマークの収益率)÷トラッキングエラー

※トラッキングエラー
=ベンチマークに対するポートフォリオの超過収益率の標準偏差

です。

トラッキングエラーは、変化の振れ幅の事です。リスクと言い換えても良いでしょう。

超過収益率をリスクで割ったものが、

インフォメーションレシオです。収益率の効率を表しています。

2つの投資信託の評価の例

実例で、見てみましょう！

先ほどの２つの投資信託です。
いずれも、MSCIコクサイ指数がベンチマークです。

インベスコMSCIコクサイ　　　　　インデックス

リターン1y 5.34%

リターン3y 21.14%

IR.1y 4.32

IR.3y 19.52

注)リターン1y、リターン3yは、それぞれ

過去1年間の収益率、過去3年間の収益率です。

IR.1y、IR.3yは、過去1年間と過去3年間のインプレッションレシオです。

インベスコMSCIインデックス・　　セレクトファンド・　　　　　　　　コクサイポートフォリオ　　　　　(セレクトファンド)

リターン1y 5.09%

リターン3y 20.84%

IR.1y 3.62

IR.3y 15.65

２つのファンドともトラッキングエラーは、小数点二桁まではゼロで、極めて小さい値です。

例えば
インベスコの過去1年のトラッキングエラーは1.529646%

セレクトの過去1年のトラッキングエラーは1.27894%です。

インベスコのIR.1yは
0.01529646 ÷ 0.00354196
=4.32%

セレクトのIR.1yは
0.0127894 ÷ 0.003527
=3.62%

です。

MSCIコクサイインデックスのほうが、セレクトファンドよりリターンが高いですから、IR の値も大きくなります。