証拠提出用の傍聴人陳述書/無痛分娩被害者の会/研究室配属で新聞記事の無痛分娩事故を昨年分析・発表 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

傍聴人が書いて下さった証拠提出用の陳述書/
 「無痛分娩被害者の会」設立の報道/
   昨年の研究室配属授業で新聞記事の無痛分娩事故を分析して学生が発表していた
    (医学部大学等事件182)


<7月12日深夜追記:注意!なりすましメール>

 コメント3で、なりすましメールについて、連絡を頂戴しました。有難うございます。

 発信アドレスは、

igakubuzikenアットマークgmail.com

だそうですが、金沢大学所属でこのブログをやっている私・小川和宏とは全く関係ありません。

 このブログの連絡先のメールアドレスは、トップページ上で公開している通り、アットマークの後は、yahoo.co.jp で、

igakubuzikenアットマークyahoo.co.jp

です。

 なりすましメールにご注意ください。

<7月12日深夜追記ここまで>

1、「無痛分娩被害者の会」設立の報道

 まずは、新聞報道3つです。

●毎日新聞2019.7.7
https://mainichi.jp/articles/20190707/k00/00m/040/093000c

●朝日新聞2019.7.8
https://www.asahi.com/articles/ASM7856HRM78PTIL01Z.html?iref=comtop_8_04

●読売新聞2019.7.8
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190708-OYT1T50254/

<上記朝日新聞記事より一部を引用>

「同じ事故、繰り返さないで」無痛分娩被害者の会設立

 麻酔を使って出産時の痛みを和らげる無痛分娩(ぶんべん)で事故に遭った被害者の家族が8日、被害者の会を立ち上げた。

<中略>

会見で、娘の長村千恵さん(当時31)を無痛分娩の事故で亡くした安東さんは「娘は帰ってきませんが、1人でも事故に遭う人をなくしたい」と話した。ロシア国籍の妻エブセエバ・エレナさん(42)が寝たきりになり、帝王切開で生まれた6歳の娘を昨年12月に亡くした男性は「できれば事故前に戻してほしい。難しいならば、せめて同じ事故を繰り返さないでほしい」と語った。

<上記朝日新聞記事より一部を引用ここまで>

2、昨年の研究室配属学生が上記記事の2つ目の医療裁判等をまとめて昨年11月に発表

 上記記事の、2つ目のロシア国籍の方の医療事故の裁判を、昨年の私の研究室配属授業で学生(6名配属)の中の1人がテーマとし、大阪高等裁判所へ情報収集に行くなどしてまとめ、11月に患者団体で発表して好評で、私は昨年で3年目になっていた、こうした裁判例を用いる研究室配属授業を同月に学会で発表し、ベストプラクティス賞候補になりました(次の記事の中ほど、私の写真から下と、最後右のコメント欄)。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12421586359.html

 この学生さんの当該実習での結論を大まかに言うと、次のようなものでした。

●無痛分娩自体が危険なのではなく、危険な麻酔のかけかたや管理をするから危険
●危険な状態にならない医療体制の構築が重要


3、今年の研究室配属は8名、案内書の内容など

 少し前にも書きましたが、今年も標準人数を超える8名の配属希望があり、全員を受入れました(本記事末尾の画像)。配属授業は秋から始まります。

<今年の授業案内の文字列ここから>

   分子情報薬理学分野(薬理学)

(1)研究スタッフ
 准教授(分野主任) 小川和宏

(2)研究の概要と特色
(ア)ヘム代謝調節のメカニズム解明と生体防御機能増強への応用
 ヘムはヘモグロビンなどの構成分子として生命維持に必須だが、過剰になると活性酸素を発生して毒性が強く、ヘムが過剰になるとヘム分解酵素であるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の発現が誘導されて、ヘムは速やかに分解されて抗体酸化作用を持つビリルビンが生じる。これは生態防御反応であり、様々な疾患の治療や予防に役立つ。
 我々は、ヘムが転写抑制因子Bach1に直接結合することで、Bach1のDNA結合を阻害して、脱抑制によりヘムが転写誘導することを見いだした。これは高等生物のヘム結合性転写因子の世界初の同定である(論文被引用312回)。また2012年には小川の「ヘムオキシゲナーゼ-1誘導剤」、2014年には小川らの「原虫感染症の治療又は予防薬」、2018年には小川の「心臓保護薬」の発明で、小川が特許権を取得し、応用への準備も進めている。
(イ)医療事故の分析による薬物治療の安全性向上
 薬物治療領域での医療事故の分析とその情報発信で、医療の安全性向上に貢献している。

(3)学習目標
 今年度も期間が短いため、実験手技の習得よりデスクワークを中心とするが、本研究室で以前に行っていた英文教科書の単なる輪読ではなく、能動的演習や実践に重点を置く。具体的には、医療事故事案の分析や創薬研究の起案を目指して、配属学生1人1人がテーマを決め、医学文献、特許文献、判決例等の調査などを行い、それらをまとめて発表する。
 こうした過程を通じて、次の(i)〜(iii)を習得することを学習目標とする。

(i)文献調査、分析、まとめ、発表までを経験し、自主的にこれらを行えるようになる。
(ii)薬理学など基礎医学が、診療をはじめ多岐にわたる領域に役立つことを理解する。
(iii)医師など医療者側のみならず患者側の実感も理解し、医療事故防止の視点を養う。

(4)配属学生の指導方針
 薬物治療領域の医療事故事案(本学や近隣での事案を除く)あるいは創薬研究等から、配属学生と指導教員の話し合いでテーマを選び(原則1人1テーマ)、医学文献、特許文献、判決例等の基本的な調査方法やまとめる方法などを指導し、後半に学生が発表を行う。

(5)配属学生への要望
 自身のノートパソコン、薬理学図書室や図書館などを利用して、積極的に取り組むこと。

(6)受入れ可能人数
  2〜5名

<今年の授業案内の文字列ここまで>

 本記事末尾に、授業案内と配属名簿(氏名等はマスク)の画像を掲載します。

4、裁判傍聴人が書いて下さった、証拠提出用の陳述書(本日付)の一部

 私の裁判をこれまでに傍聴して下さった方々の中で、お1人が、裁判所への証拠提出用に、本日(7/11)付けの陳述書を書いて下さいました。その一部を引用します。

<傍聴人が書いて下さった証拠提出用の陳述書より一部を引用>

 小川准教授は、医師になる学生や、患者のため、常に学び努力や協力を惜しまない人であります。
 医療事故を減らすため、医療事故被害者の声に耳を傾け、医療側とか患者側とかではなく、どうすれば医療事故を減らせるかを正面から取り組み、裁判資料などを含めた医療事故分析などを徹底して行っています。それらを研究室配属授業でも取り入れて、将来医師や研究者になる卵らは、小川准教授の指導下で分析する中で、いち早く現場での医療事故の実態を模擬体験しています。こうして医療事故を防げる医師を育てるため努力している方で、学生からだけでなく学会発表、患者団体での講演や患者個々人の医療事故分析でも、高く評価されています。
 先の大戦で苦労された今は亡き私の恩師のことばにある、
「神の如く真の人間になるため信念と勇気を持ち心を奮い起こし努力する人」
まさにそういう人なのです。正に信念と勇気を持ち努力をし続けている方であります。私たちがこうした「良心を基に信念と勇気を持ち努力をし続けている方」を評価していける社会を築くためにも、私たち一般の社会人が応援していくべきものであります。

<傍聴人が書いて下さった証拠提出用の陳述書より一部引用ここまで>

 近く裁判所へ証拠として提出する予定です。