医療裁判を用いた授業の学会発表がベストプラクティス賞候補/学生が患者団体集会で医療裁判分析を講演 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

医療裁判を用いた授業の学会発表がベストプラクティス賞候補に/
 学生が患者団体の集会で研究室配属授業の成果の医療裁判分析を講演
  (医学部大学等事件144)


<11月26日夜追記>

 金沢大学教授ら書類送検事件はどういうものかとお尋ねがありましたが、次の横浜講演スライドシリーズで概説しています(先進医療に認定されていた「カフェイン併用化学療法」で死亡し刑事告訴)。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12204862579.html

 遠隔転移がない骨肉腫の手術が成功した後、心機能が大幅急落したにもかかわらず、心機能異常では禁忌のアドリアマイシンという抗がん剤を(変更せずに)投与して急変し、11日後に16歳で死亡したものです。

 
 その書類送検された土屋弘行・金沢大学整形外科教授や学会大会長などが共同で、下の医療の質・安全学会でポスター発表(次の最後尾のP-241の演題)をするとともに、
http://www2.convention.co.jp/13jsqsh/program/Program_poster.pdf
長瀬啓介・金沢大学経営企画部教授が、学会大会長の座長のもとで、最大の第1会場で1時間近い講演をしましたが(次の第1ページの下から2番目の演題)、
http://www2.convention.co.jp/13jsqsh/program/prg_1125.pdf
書類送検事件で、なぜ心機能の大幅急落後に禁忌薬を投与をして死亡に至らしめたのかや、なぜ治療成績の過大報告までして「先進医療」として続けていたのかといった事実関係の解明は、本学会でも見つけることができませんでした。

 2013年10月の厚生労働省への通報から、もう5年以上が過ぎているのですが。

 また、上記の土屋教授らのポスター発表は、ポスター演題の最後尾のP-241で、私の共同発表はそのとなりのP-240でした(次は著者部分)。


<11月26日夜追記ここまで>

 初めての皆様や経過をお忘れの皆様、小まとめを今年8月1日や9月24日にアップしていますので、併せてご覧ください。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12394938428.html
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12407348781.html

 また、前回記事へ最近もコメントを頂戴していますので、まだの方は併せてご覧ください。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12420906502.html#cbox
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12420906502.html

 今回は、私が学会でポスター発表を2題行い(単独1題と共同1題)、単独発表がベストプラクティス賞候補になったことと、研究室配属の学生さんが、患者さん側の団体の集会で、授業の成果である医療裁判の分析を発表し、こうしたボランティア活動にデビューしたことについてです。

●ベストプラクティス賞候補の花が付されたポスター




 座長の先生をはじめポスター発表を訪れて下さった皆様、そして、上の写真を含め、撮影したり送って下さった方々、有難うございます。

1、学会発表でベストプラクティス賞候補に

 この土日曜(11月24日、25日)に名古屋国際会議場で開催された、第13回医療の質・安全学会でポスター発表を2題行い(私単独で1題と10名の共同で1題)、上の写真の通り、単独発表がベストプラクティス賞候補に選ばれました。

 ここから受賞までは8倍くらいの競争率でしたが、エントリーし忘れ(受賞した場合の連絡先の入力忘れ)の影響かどうかはわかりませんが、受賞は逃しました(苦笑)。

 今回は、座長の先生1人が7題のポスター発表について口頭説明(1題で発表4分、質疑討論3分)を回っていき、座長1人がベストプラクティス賞候補を1題ずつ選ぶという形式でした。

 ポスターの一部を下にお示ししますが、発表時に座長の飛田伊都子先生から、

「まさしく実際の判決例、裁判例、『リアル教材』ですね。」
「今からの卒前教育、医療安全教育を本当に大きく変える活動かなと思いますので、これからもまた成果等をお知らせいただければと思います。」


とのコメントを頂戴しました。

●ポスター抜粋(基本A3版、演題のみレイアウトを改変)







<この間に、配属学生による数百枚のスライドから18枚を例示>



2、研究室配属の学生さんが患者側団体で医療裁判分析を発表

 本日(11月25日日曜)名古屋駅近くで行われた患者さん側の団体である「医療過誤原告の会」の集会で、研究室配属の学生さんが、研究室配属授業の成果の一部の、医療裁判の分析を発表し、好評でした。

 本人は勉強になったと言っていましたし、私もこうしたボランティア活動のデビューとして良かったと感じています。

 また、医療裁判を用いて進めている私のこうした授業は、医療事故や医療安全を実感できる良いものだといったご指摘を、幹事さんや出席の方々から頂戴しました。

 この医療裁判の情報(学会の座長の先生のお言葉では「リアル教材」)を用いて事故の危険性などを実感させる教育を、更に発展させていきます。