医療事故:真実説明・謝罪マニュアル(ハーバード)/清水徹・医学部教授・ハラスメント相談員急逝4年 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

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医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

清水徹・金沢大学医学部教授・ハラスメント相談員急逝から4年/
 金沢大学医学類の入試が終了/
  医療事故:真実説明・謝罪マニュアル(ハーバード病院)/
   シンポジウム(昨年12月)のまとめ冊子
    (医学部大学等事件94/医療事故内容も)


2月27日夜追記:本記事末尾に、金沢大学カフェイン併用化学療法での治療成績過大報告などの医療維新記事と、カフェイン併用療法事件の横浜講演スライド詳報(本ブログの過去の記事)のリンクを、加筆しました。

1、金沢大学医学部教授・ハラスメント相談員だった清水徹氏急逝から4年
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12252118845.html

 昨日(2月25日)で、清水徹・金沢大学医学部細菌学教授・ハラスメント相談員が、裁判初日に若くして急逝されて4年になりました(上記リンクは1年前にその件を書いた医学部大学等45)。

 ご生前の立場に関係なく、ご冥福をお祈り申し上げます。

 なお、清水教授とともに、2006年3月(薬理学教授による不正経理を隠蔽する結論が1度出された月)に、私が居住する賃貸住宅(24戸)に入居してきて、その後若くして金沢大学医学部教授を辞職なさった、小川智・前第3解剖教授(その後任が現在の堀修・教授)は、尼崎東診療所を経て、新潟県の下越病院に勤務されているようです(医療機関HP等)。

 次の東京新聞と岐阜新聞の記事は、清水教授逝去の前と後にそれぞれ報道されたものです。

●東京新聞記事2012.11.05
https://ameblo.jp/jpmax/image-12319827946-13185089016.html
https://ameblo.jp/jpmax/image-12319827946-13185089017.html

●岐阜新聞記事2017.08.28
https://ameblo.jp/jpmax/image-12319827946-14049644450.html
https://ameblo.jp/jpmax/image-12319827946-14049644530.html

2、金沢大学医学類(医学部医学科に相当)の入試が終了

 本日(2月26日)、金沢大学医学類(多くの国内大学の医学部医学科に相当)の入試面接があり、昨日の筆記試験と併せて、入試が終了しました。受験生や今回関係の皆様、お疲れ様でした。

3、医療事故シンポジウム(昨年12月)のまとめ冊子を作成中

 昨年12月3日に東京で行われた医療事故のシンポジウム(私も含めて数名が講演し討論)の内容を、冊子にする作業を始めています。

 幾つかの大学病院での死亡例などを基に、医師の倫理観がいつどのように養われるべきか、国内医学部やそれ以前の高校等の教育はどういう状況か、「医療者のための医療」になっていないか、といった議論も含まれています。

4、医療事故:真実説明・謝罪マニュアル(ハーバード病院)

 医療で良くないことが起きた時にどう対応するかを、ハーバードで10年少し前にまとめられたもので、原著および日本語訳で一般公開されています(タイトルは意訳といえましょう)。

●日本語訳PDF
https://www.stop-medical-accident.net/html/manual_doc.pdf

●原著(英文)PDF
http://www.macoalition.org/documents/respondingToAdverseEvents.pdf

 次の2つを基本方針としており、
(ア)医療は安全でなければならない。
(イ)医療は患者さん本位でなければならない。

医療者側および患者側の双方にとって有意義な情報が多いと、私は感じています。

 この日本語訳と情報発信・普及のプロジェクトは、2009年に「新しい医療のかたち賞」(医療の質・安全学会)を受賞しました(受賞理由は次の斜体の通り)。

米国のハーバード大学関連病院の「真実説明指針」を日本語に翻訳し、普及をはかるこの「プロジェクト」は、2006年に始まりました。
東京大学医療政策人材養成講座を受講した多様なメンバーが取り組み、ウェブサイトで公開。
「患者に真実を告げることを先輩医師や弁護士が止める」というこれまでの日本の医療文化を変えるきっかけをつくりました。

<受賞理由の引用ここまで>
https://www.qsh.jp/partner/Documents/kinenshi_2016.pdf

 次の3部から成っていて、
1部 患者さんとご家族の体験(2〜4章)
2部 医療従事者の体験(5、6章)
3部 医療事故の管理(7〜11章)

それぞれの章には、
1、その問題に対する専門家によるコンセンサス内容のまとめ
2、そのコンセンサスの背後にある理由付けと根拠
3、推奨されること

などが書かれています。

 真実の説明を基本とするのか、説明しないことを基本とするのか、虚偽の説明を基本とするのかです。

●金沢大学カフェイン療法の治療成績過大報告(医療維新2015.6.5)
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/327810/

●金沢大学カフェイン療法事件スライド詳報シリーズ
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12204862579.html