1月31日迄に点数がないと進級判定できないと金沢大学が裁判所申立、しかし初回期日は2月9日で不能 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

1月31日までに点数がないと進級判定できないと金沢大学が裁判所申立て、しかし初回期日は2月9日で不能(医学部大学等事件89)

<1月22日夜追記:裁判所「仮処分」について補足>
 「仮処分」という裁判所での手続きがどういうものかをご存知ない方も多いのでは? 会社や大学が行う「懲戒処分」や運転免許の「停止処分」などと混同する方もいらっしゃるのでは? というご指摘を先ほど頂戴しましたので、補足説明します。

 「民事保全法」という法律に基づいて、裁判所に「仮の暫定的な命令」を出してもらうよう申し立てて、裁判所が審理し、妥当で必要と判断すれば認める(命令を出す)決定を出し、そうでないと判断すれば認めない(命令を出さない)決定を出す、というのが概略です。

 法律名からわかる通り、失われそうな物などを「保全」するのが主な目的です。

 例えば、契約内容に違反したかしなかったかを裁判で争っている最中に、関係書類の保管期限が近づいてきて、廃棄されて失われそうな時に、
「書類●●と書類▲▲を更に2年間延長して保管せよ」
という「仮処分命令」を出して欲しいと裁判所に申し立て(これが「仮処分命令申立」という手続きで、本体の訴訟とは別の事件番号が付きます)、裁判所が審理して、この「仮処分命令」を出す決定か、出さない(申立を退ける)決定のどちらかを出す、といった流れです。

 負けた側には異議を申し立てる制度もあります。

 従いまして、名前は「仮処分」と「処分」が付いていますが、「懲戒処分」や「免許停止処分」のような懲罰的な意味合いとは全く異なり、「仮の暫定的な保全などの命令」といった意味です。

 この仮処分命令申立を多く経験している弁護士さんによると、審理の間隔は通常の訴訟より短いものの2週間おきくらいの場合が多く、通常3回くらい開かないとさすがに双方の主張がわからないので、それくらい開いて決定が出る場合が多いということでした。

 そのため、今回のように、試験点数の入力と提出について昨年夏頃からもめている場合は、相手(大学側)が仮処分命令申立を行うならば、点数が必要な期限(今回、大学法人は、1月末と申立書で主張)の2、3ヶ月前には仮処分命令申立をするのが普通なのに、どうして16日前という間に合わない時期になって行ったのか全く不思議、ということでした。

 そして、本件では実際に初回の審理(「審尋」というそうです)を開くのが2月9日と決まって、正式な通知(呼出状)が裁判所から来たので、初回でも既に期限を過ぎることになりました。
<1月22日夜追記ここまで>

1、金沢大学が調停委員案を蹴った4日後に点数提出を裁判所に申立て、しかし自ら主張する期限に間に合わず

 金沢大学(法人としての)が点数提出を求める仮処分を1月15日に申立て(事件番号:金沢地方裁判所平成30年(ヨ)第2号)、その申立書で、1月31日迄に点数がないと成績判定や進級判定ができないと述べていますが、初回期日が2月9日に決まったため(裁判所から小川へ正式な通知書が来ました)、間に合わなくなりました。

<金沢大学申立書より一部引用>
、、、4年次進級判定会議の医学類会議が平成30年3月7日に行われることから逆算すると、同年2月28日が最終的な成績の提出期限となり、そのためには再試験を同年2月15日までには実施し、再試験対象者に遅くとも同月上旬には再試験日時を通知する必要がある。
 以上より、債権者は、遅くとも同年1月31日までに債務者から試験点数の開示を受ける必要があり、、、、、
<金沢大学申立書より一部引用ここまで>

2、成績入力妨害継続、送付したSABC等の成績も無視、調停委員案拒否

 本ブログなどでお知らせしてきた通り、昨年(平成29年)8月31日に、大学側から私へ成績入力を依頼するメールが来たにもかかわらず、その後、私が入力できない状態を金沢大学が続けてきました。

<8月31日のメールより一部引用>
医学学務係 高瀬です。
「薬物治療の基礎」の成績入力について,大学の教育担当理事と相談を行いました。
今回に限定して小川先生の分の成績入力をお願いすることとなりましたので連絡します。
<8月31日のメールより一部引用ここまで>

 上記メールのしばらく前までに、採点済み答案などの開示を希望する学生全員に、私が開示を行って学生らが確認し、60%未満者(再試験対象者)にその旨を通知しており、ちょうど上記メールの8月31日に、対象学生が連絡代表者を決めて、私を窓口として再試験日程の調整を始めていました。

 ところがこのメールと再試験日程調整開始の翌日である9月1日に、大学側は、日程調整をやめさせようと学生に直接連絡するとともに掲示も出していました。学生側は、その後もしばらくは私へ連絡してきて日程調整を試みましたが、結局あきらめざるを得なくなったようです。

 その後も私が点数や成績を入力できない状態が続いたため、再試験の実施を促そうと、12月11日に、私は次の方々へ、SABCと再試験対象者(得点率60%)の成績ファイルを送付しました。

山崎光悦・学長
柴田正良・理事・副学長(教育担当)
金子周一・医薬保健研究域長・医薬保健学域長・被告
多久和陽・医学部長・医学類長・医学系長・被告
安藤仁・細胞分子機能学教員・被告
堀修・調査委員長・医薬保健学総合研究科長・第3解剖教授・被告
高山浩接・事務部長
医学学務係、総合相談室の皆さん


 しかし、再試験の日程調整は再開されず、今月(平成30年)1月11日には、裁判所調停で、小川と安藤側などが立ち会って事務部職員が点数を入力して解決するという調停委員案を大学側が蹴って、その1回のみで調停を終了させました。

●前回本ブログ記事(調停委員案蹴って終了)
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12344542872.html

3、安藤被告は証拠の陳述書で「平成28年度と同様の方法で再試験者を選定することにしました。」〜今回も点数と成績の逆転を行いたい模様

 上記の調停終了の4日後である今月15日に、金沢大学(法人としての)が、上記の1月31日迄に点数がないと成績判定や進級判定が出来ない旨を申立書に書いて裁判所に提出しましたが、その手続きの初回期日が2月9日に決まったものです。

 また、その申立書には、1月12日付の安藤被告の陳述書が証拠(甲第14号証)として付されており、再試験対象者の選定について、次の記述があります(安藤陳述書の第1ページ下から3行目より)。

<安藤被告陳述書より一部引用>
、、、平成28年度と同様の方法で再試験者を選定することにしました。
<安藤被告陳述書より一部引用ここまで>

 平成28年度は、60%未満の3名を合格させて、その合格者最低点よりも高得点だった11名を合格させなかったこと、すなわち、「点数と成績の逆転」を行ったことは、昨年9月に本ブログなどでお知らせした通りで、その事実関係は多久和被告なども既に裁判で認めていますが、安藤被告は「平成28年度と同様の方法で再試験者を選定することにしました」と、今月12日のこの陳述書で述べています。

●点数と成績逆転が11名
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12307665268.html

4、なぜ調停委員案を蹴って、間に合わない仮処分?法科大学院まである国立大学が

 昨年春に、金沢大学医学類(多くの大学の「医学部医学科」に相当)は、本来なら4月10日の授業開始よりも前に新入生へ配布する『医学類履修・学生生活の手引』を、それまで予定していた内容(当該科目部分の)を変更して、新年度の授業や新入生の新生活が始まってしばらくしてから大幅遅れで配布しました(別件訴訟で、多久和医学部長・医学類長・医学系長・被告が既に認めました)。

 今年度、こうして学生の『手引き』の内容変更と大幅遅れでの配布に始まり、8月からの成績(点数)入力妨害の継続、そして調停委員案を蹴って、金沢大学が「間に合わない申立」を行ったという経過です。

 金子周一被告、堀修被告は、点数に関して昨年9月25日に「調査委員会」を設置したと主張しており、それから既に4ヶ月近く経っています。

 金沢大学や金子・多久和・堀・安藤氏(いずれも被告)らは、点数が必要だと主張する期限(1月31日)の20日前に調停委員案を蹴って調停を終了させました。小川側は入力日時等の調整をして合意すると述べており、双方に代理人弁護士が入っていたので、調停期日外での代理人弁護士同士や小川など関係者間の学内メール等で調整が容易にでき、点数入力が実施できたはずです。

 それを行わずに、点数が必要だと主張する期限の16日前になって申立てて、その期限だと主張する日の9日後(2月9日)に初回期日が決まりました。法科大学院(ロースクール)を擁する国立大学法人が、なぜこのようなことを行っているのかです。

●金沢大学法科大学院が国立でダントツ最下位
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12236620406.html