ますますエネルギッシュでランボーで暴れん坊な黒猫ちゃん。ご飯を一所懸命に食べ終えると必ず私の三角座りの脚の下へやってきて「ふあー、食った食った」と一息入れたら、なぜか猛然とトイレへダッシュする。前足で勢いよく猫砂を掘り、しかしふと自分の尻尾が目に入るのでついついじゃれついてしまい、気を取り直してまた猫砂をザクザクと掘る。これを何度か繰り返してやっと準備完了。トイレの最中はいつも真剣な表情である。済んだら匂いを嗅ぎ、前足で丁寧に猫砂をかけて後始末。
すると、たいていこの時点でアドレナリンが一気に体中を駆け巡り、テンションがマックスに達する。猫砂を盛大に蹴散らかしてトイレを飛び出ると専用部屋を走り回る。ズダダッ!と狭い場所へ滑り込み、シュバッ!と跳び出たかと思うと両手を広げて高くジャンプし、続いて背中と尻尾の毛を逆立てて体を高く上げバレリーナのように脚をぴんと伸ばしたまま斜め走りをする。丸椅子の上に跳び乗るわ、カゴへ跳び移ってひっかくわ、そこらへんじゅうに跳びついて爪を立てるわ、まるで見えない獲物を狙って捕獲しようと奮闘しているかのよう。また、ボールに襲いかかって激しく足蹴りし、そうかと思えば、トイレの猫砂の下に敷いてある新聞紙を噛みちぎり、細かい紙片にじゃれついたりもする。
こんな時、私は隅っこの床で三角座りをしてただ見守るだけ。下手に手を出すとこちらの身が危ない。黒猫ちゃんの変なダンスや乱暴狼藉を見物しながらゲラゲラ笑い、「好きやなー、紐が」とか「それはあんたの尻尾やで」などとツッコミを入れ、「オオッ!」とか「お見事ー!」などと感嘆の声を上げて楽しんでいる私である。
※ バレリーナっぽい斜め走りをする
(※ は、その日初めての確認事柄)