その日最後のご飯のあとに黒猫ちゃんがオモチャで遊んで十分に運動したら、安全のために玩具は高いところにしまっておく。そうしておいて、私が静かに三角座りをしていると黒猫ちゃんは決まったように私の脚の三角の下にやってくる。そのタイミングで頭や背中を撫でてやるとゴロゴロとのどを鳴らして甘えたモードに入る黒猫ちゃんである。
そんなことを繰り返すうちに、数日前から私の膝の上でゴロゴロいいながら撫でてもらうのとカゴに入っていって前足をフミフミしながら私の目を見てニャーニャー鳴くのを交互に繰り返すようになった。
これは夜限定の行動だが、もしかして「こっちおいでーな。僕と一緒にここで寝ようや」と、誘ってくれてる?
「いやー、ほんまはそっち行きたいんやけど、カゴがちっちゃすぎるから無理やわ。ごめんねー」と、謝るしかない私である。こんな時は猫語が理解できたらいいのにとつくづく思う。
私の膝上とカゴの中を4・5回往復してお互いが眠たくなってきた頃、黒猫ちゃんがカゴの中に戻ったタイミングでよしよしといっぱい撫でてフリースをふんわりとかけてやってからお休みをいう。そうすると黒猫ちゃんはそのまま静かに眠りにつくのである。ひょっとして私は、子猫を寝かしつける天才じゃなかろうか。
たいていの子猫は、夜に独りにしておくとニャオニャオ鳴いて寂しがるものである。保護してからは寝不足を覚悟していた私だが、黒猫ちゃんがそんなふうに鳴いたのは最初の晩だけである。黒猫ちゃんってほんまにおりこうさんな子猫ちゃんやなあ!と感心しきりの私である。