TOMASZ STANKO(1942年、ポーランドのジェシェフ生まれ)の演奏を私が初めて聴いたは、オラシオ
さんのブログで紹介されていた
■MARCIN WASILEWSKI, SLAWOMIR KURKIEWICZ, MICHAL MISKIEWICZ / TRIO (ECM Records)
を聴いてしまったからサァ大変!ということで、入手した
■TOMASZ STANKO QUARTET / SOUL OF THINGS (ECM Records)
■TOMASZ STANKO QUARTET / SUSPENDED NIGHT (ECM Records)
でのこと。ですが、その後すぐに駐日ポーランド共和国大使館でTOMASZ STANKO QUARTETのライヴを体験することになろうとは、私も予想していませんでした。(ライヴリポートはコチラ )CDで聴くのとは全然違う熱~いライヴを体験し、寡黙で温厚な紳士といった感じのTOMASZ STANKO氏(CDのブックレットには、下から光を当てた顔がオバケだぞ~っ!みたいで(笑)めっちゃ怖い写真があるけど、実物は笑顔が優しかった)にお会いしてすっかり感激してしまった私は、旧リーダー作をさらに何枚か入手し、しばらく“STANKO漬け”になっておりました。
さて、前の2作はオスロのRAINBOW STUDIOでの録音でしたが、本作は、SKETCHレーベル作品他、優秀作品を輩出している南仏のSTUDIOS LA BUISSONNEで2005年11月に録音されています。全9曲のうち、TOMASZ STANKO作曲が5曲、4人の共作による即興演奏が3曲、KRZYSZTOF KOMEDA作曲が1曲。
いわゆる4ビートやバップフィーリングといったものは見当たらず、親しみの持てる分かりやすいメロディやフレーズも皆無。最初に聴いたときは、早くも5曲目の途中で寝てしまった私です(^▽^;) リズムやビート感を排除した、音数少なくゆったりと流れるような長尺曲が多めで、全編に渡ってダークでメランコリックな雰囲気なのはこれまで以上です。深淵に立ち、暗闇の底から放たれる神秘的な光を透かし見るような、あるいは暗い谷底に居て美しい一条の光を眺めるような気分がします。抑制の効いた演奏には聴衆に迎合しない気高さのようなものさえ感じてしまうのですが、TOMASZ STANKOは聴き手を冷たく突き放したり置き去りにしたりはしないので、知らず知らずのうちに、独自の音楽世界へと引き込まれる(人がいる一方で、寝てしまう人もいるかもしれない)でしょう。LONTANOⅠ~Ⅲなどは、それぞれが10分を超える長~いインプロヴィゼーションなので、76:57の1枚全てを聴き通すにはある程度の忍耐も必要かもしれず、そういう点では聴き手を選ぶのではないかと思います。
曲について少し書きましょう。
1曲目のLONTANOⅠは、中間部に長~いフリーインプロヴィゼーション。終盤ようやくビート感が出てきて「おっ、ええ感じ!」と思ったとたんにさっさと終わりって、アナタ...「さんざんじらしておいてひどい!」的な1曲(;^_^A
2曲目のCYRHLAは、アルコによるベースの通奏低音が支える暗く孤独なムードのインプロ的イントロとエンディングが印象的。哀愁を帯びつつ明るい光を感じるテーマメロディが美しく、空間の広がりを感じさせるバッキングにTOMASZ STANKOの極渋なトランペットが映える。
3曲目のSONG FOR ANIAは、優しい雰囲気なのでリラックスして聴けます。SLAWOMIR KURKIEWICZの短いが美しく歌うベースソロがステキ。
お気に入りは4曲目、KRZYSTOF KOMEDA作曲のKATTORNA。ダイナミックに躍動するビートに乗せた緊張と不安の交錯するダークなテーマがなんともいえず良い。MARCIN WASILEWSKIのトリオはリズム隊としても実に素晴らしい働きですが、中間部の即興でもスリリングでメリハリの効いた演奏を聴かせています。
■MARCIN WASILEWSKI, SLAWOMIR KURKIEWICZ, MICHAL MISKIEWICZ / TRIO (ECM Records)
を聴いてしまったからサァ大変!ということで、入手した
■TOMASZ STANKO QUARTET / SOUL OF THINGS (ECM Records)
■TOMASZ STANKO QUARTET / SUSPENDED NIGHT (ECM Records)
でのこと。ですが、その後すぐに駐日ポーランド共和国大使館でTOMASZ STANKO QUARTETのライヴを体験することになろうとは、私も予想していませんでした。(ライヴリポートはコチラ )CDで聴くのとは全然違う熱~いライヴを体験し、寡黙で温厚な紳士といった感じのTOMASZ STANKO氏(CDのブックレットには、下から光を当てた顔がオバケだぞ~っ!みたいで(笑)めっちゃ怖い写真があるけど、実物は笑顔が優しかった)にお会いしてすっかり感激してしまった私は、旧リーダー作をさらに何枚か入手し、しばらく“STANKO漬け”になっておりました。
さて、前の2作はオスロのRAINBOW STUDIOでの録音でしたが、本作は、SKETCHレーベル作品他、優秀作品を輩出している南仏のSTUDIOS LA BUISSONNEで2005年11月に録音されています。全9曲のうち、TOMASZ STANKO作曲が5曲、4人の共作による即興演奏が3曲、KRZYSZTOF KOMEDA作曲が1曲。
いわゆる4ビートやバップフィーリングといったものは見当たらず、親しみの持てる分かりやすいメロディやフレーズも皆無。最初に聴いたときは、早くも5曲目の途中で寝てしまった私です(^▽^;) リズムやビート感を排除した、音数少なくゆったりと流れるような長尺曲が多めで、全編に渡ってダークでメランコリックな雰囲気なのはこれまで以上です。深淵に立ち、暗闇の底から放たれる神秘的な光を透かし見るような、あるいは暗い谷底に居て美しい一条の光を眺めるような気分がします。抑制の効いた演奏には聴衆に迎合しない気高さのようなものさえ感じてしまうのですが、TOMASZ STANKOは聴き手を冷たく突き放したり置き去りにしたりはしないので、知らず知らずのうちに、独自の音楽世界へと引き込まれる(人がいる一方で、寝てしまう人もいるかもしれない)でしょう。LONTANOⅠ~Ⅲなどは、それぞれが10分を超える長~いインプロヴィゼーションなので、76:57の1枚全てを聴き通すにはある程度の忍耐も必要かもしれず、そういう点では聴き手を選ぶのではないかと思います。
曲について少し書きましょう。
1曲目のLONTANOⅠは、中間部に長~いフリーインプロヴィゼーション。終盤ようやくビート感が出てきて「おっ、ええ感じ!」と思ったとたんにさっさと終わりって、アナタ...「さんざんじらしておいてひどい!」的な1曲(;^_^A
2曲目のCYRHLAは、アルコによるベースの通奏低音が支える暗く孤独なムードのインプロ的イントロとエンディングが印象的。哀愁を帯びつつ明るい光を感じるテーマメロディが美しく、空間の広がりを感じさせるバッキングにTOMASZ STANKOの極渋なトランペットが映える。
3曲目のSONG FOR ANIAは、優しい雰囲気なのでリラックスして聴けます。SLAWOMIR KURKIEWICZの短いが美しく歌うベースソロがステキ。
お気に入りは4曲目、KRZYSTOF KOMEDA作曲のKATTORNA。ダイナミックに躍動するビートに乗せた緊張と不安の交錯するダークなテーマがなんともいえず良い。MARCIN WASILEWSKIのトリオはリズム隊としても実に素晴らしい働きですが、中間部の即興でもスリリングでメリハリの効いた演奏を聴かせています。
5曲目のLONTANOⅡを聴いていると、フランスの画家YVES TANGUY(イヴ・タンギー)の絵を思い出してしまいました。美しくも寂寥と不安に満ちた夢幻的な世界です。
6曲目のSWEET THINGは、哀愁漂う優美で端正なバラードで、本作のなかでも聴きやすい1曲でしょうか。
6曲目のSWEET THINGは、哀愁漂う優美で端正なバラードで、本作のなかでも聴きやすい1曲でしょうか。
9曲目のTALEは、1976年リリースのBALLADYNA(ECM Records)にも入っていたのと同じ曲を再演。BALLADYNAでは少々不気味でエネルギッシュなアンサンブル(チャイニーズシンバルが面白い)でトランペットにもドスが効いていたのに対し、本作ではえらいあっさりした雰囲気でいつの間にか終わっているといった感じ。現在のTOMASZ STANKO、30年前のちょっとギラギラした感じのTOMASZ STANKO、どちらもカッコイイのです。
それにしても、今年はとうとう来日しないようですね。残念です。
御用とお急ぎでないかたは、TOMASZ STANKOのホームページをご覧ください。
http://www.tomaszstanko.com/
■TOMASZ STANKO QUARTET / LONTANO (ECM Records ECM 1980)
TOMASZ STANKO (tp)
MARCIN WASILEWSKI (p)
SLAWOMIR KURKIEWICZ (b)
MICHAL MISKIEWICZ (ds)
入手先:HMV(通販)
御用とお急ぎでないかたは、TOMASZ STANKOのホームページをご覧ください。
http://www.tomaszstanko.com/
■TOMASZ STANKO QUARTET / LONTANO (ECM Records ECM 1980)
TOMASZ STANKO (tp)
MARCIN WASILEWSKI (p)
SLAWOMIR KURKIEWICZ (b)
MICHAL MISKIEWICZ (ds)
入手先:HMV(通販)