山で道に迷わない為に(8)-1 地図の使い方機ー北線を描く

自分は方向音痴と思っている方、「地図」と聞いて逃げないで下さいね(笑)
「地図が読めない女」なんて本のタイトルに使われているように、一般的に女性のほうが地図が苦手なようです。車の助手席でドライバーに地図を見てくれと頼まれて、地図をぐるぐるさせてパニックになっている女性、というのが代表的なケースのようで...

地図の使い方を詳細に説明するとなかなか先に進めませんから、詳細は市販の本もいくつかでているのでそれらを参考にしていただくことにして、基本的な使い方を説明します。

○磁北と真北

地図は基本的に上が北になっていますが、方位磁石(コンパス)が指す北とは微妙に指す方向が違います。これは、地図の北は北極、磁石の北はカナダのハドソン湾あたりだからです。このズレを偏角といい、日本の場合は緯度によって変わっていきます。
日本では西に偏っているので西偏と呼び、4~10度の間に入ります。私の住んでいる広島県は6度くらいです。

本来は事前に、地図にこのコンパスが指す線(=磁北線)を書き込んでから使って欲しいのですが、指導標のしっかりした山ではあまり問題にはなりませんので、そういう山に行く限りでは地図に書き込む必要はありません。

しかし、指導標のない山では、たった6度の差が意外と影響しますので、事前に磁北線を引いておきます。偏角がいくらかは登山地図などに載っています。分度器だと小さくて正確に線を引くのが難しいので、三角関数を使います。


○磁北線を描く

まず、偏角を調べます。正確に言うなら6度○○分という風に”分”が必要になりますが、取りあえず、”分”は無視します(慣れたら使ってくださいね)。

ここでは関数電卓を持っていない方のための方法を教えます。
たぶんどのパソコンにも入っていると思いますので、Excelの関数を使います。

 .札襪=radians(角度)と入力します。
  6度なら=radians(6)で、0.10472という数値が返ってきます。
  ここでは四捨五入して0.105とします。

 △海譴烹横娃亜陛当な数字)を掛けると 0.105×200=21 となります。

 C録泙鮃げ磁北線を引きます。
  つまり、地図上のある地点Aから、21mm東に行ったところから直角に200mm南に行ったところBとを引いた線が磁北線になります。

 い△箸呂修寮?畔森圓弊?鮹録涵紊飽悊い討い韻个茲い里任后

偏角が6度10分なら=radians(6.167)、20分なら=radians(6.334)と、10分ごとに0.167を
足していきます(60分は1度です)。


こうして磁北線を引いておくと、地図にコンパスを載せたときに周囲の位置関係がはっきりします。