続・幸せな彼との時間。
新宿の店を出た後 、地下鉄で六本木へ。
彼の行きつけのBarで
少し飲む。
彼の大好きな音楽が流れるその小さな店で
彼は何杯かのアルコールを飲んで
とても気持ちよさそうに
ゆらゆらと音に身体を合わせる。
時々私に気を遣って
もう帰ろうか?
って聞いてくるけど
私は彼が楽しそうにしているなら
いつまでもこうしていたい
そう思って
気が済むまで付き合うよ
そういって笑ってみる。
本心だった。
お酒もそんなに飲まないし
あまり好きな音でもない
そろそろ眠くなってくる時間
でも
彼の貴重なお休みの時間は
できるだけ彼のために使って欲しかった。
彼と一緒にいられるだけで楽しかった。
彼が笑ってくれると
私は辛いことも全部忘れて
彼に笑いかけられた。
私がすねたり
不機嫌そうにしていない限り
彼はずっと笑っていてくれる。
私といて、楽しいって思ってくれる。
だからもう
彼といるときに
子供じみた真似をするのはやめようって。
自分の中で、決めた。
そうすれば、いつか彼の気持ちが
ちゃんとこっちを向いてくれるかも知れないから。
3時を回って
ようやく彼も疲れてきたらしく。
タクシーを拾って、私のマンションに向かう。
途中まで元気よく話していた彼も
次の瞬間、寝息を立てて眠ってしまった。
日曜日しか休みがない彼。
毎日早朝から仕事。
それでも土曜の夜はめいっぱい遊ぶ。
たぶん、彼もすごくストレスが溜まっている。
週に一度の自由な時間を
私と一緒に過ごしてくれる
やっぱりそれって、すごく嬉しいことだなって
改めて感じた。
マンションの近くでタクシーを止め、
支払いを済ませて彼を起こす。
家までの少しの道
寝起きの彼の手を引いて歩く
すると
急に彼が立ち止まって
私を抱き寄せてキスをした。
長い長いキスだった。
夢なら醒めないでほしい。
彼の本心が見えないままで
私の気持ちはいつも不安定。
でも
彼のキスは
私、愛されてるのかなって
錯覚してしまうくらいで。
唇を離すと
「満足?」
彼がいたずらっぽく笑う。
「どういう意味よそれ!」
私は彼をにらんで言った。
何だか見透かされているようで。
嬉しい気持ちと
切ない気持ちが半分半分だよ。。。
私は心の中で言ってみる。
部屋に着くと
ソファに横になる彼
あっという間に寝てしまいそうで
私は急いでシャワーを浴びる。
「先に眠っちゃやだよ」
そう言って
無理やり彼を起こして
ベッドに移動させる。
彼はのび太くんみたいに
横になるとホントにあっという間に寝ちゃう。
寝る前に少しくらい話をしたいのに。
私は彼が眠れなくなるように
意地悪をした。
彼をぎゅーっと抱きしめて
たくさんキスしてみる。
身体を合わせてしまえば
何もかもを忘れて
この上ない幸せを感じることができる。
こうできる、時間が訪れるだけ
まだ幸せなのかもしれないね。
to be continued...
幸せな彼との時間。
先々週の木曜日、
淋しくて彼にメール
をした。
あいたい
そしてその週末
新宿で待ち合わせ
21時。
視力2.0の彼が
なぜかメガネ。
思わず笑いそうになって
でもわざと気づかないフリ。
手を繋いで夜の新宿を歩く。
いろんなことがあって疲れきっていた私を
彼の笑顔が一気に癒してくれる。
歌舞伎町のダイニングに入って
ゴハンを食べながら
お酒を飲みながら
少し迷って
私は会社であった出来事
今抱えてる仕事の悩み
全部全部を吐き出した。
以前彼にグチった時
欲しい答えが返ってこなくて
ウザイって思われるのがもういやで
絶対彼には愚痴るのやめよう
仕事のことはなすのはやめようって
決めてたのに
もう、吐き出すところがなくなって
たまらず、彼に全部を話してしまった。
そしたら彼はうんうんって
ずっと私のとりとめない話を聞いてくれて
最後には
そのまとまりのない話をサマライズして
こうでこうでこうだから
お前はこう思ったんだろ?
って
びっくりするくらい、的確な理解
そして
彼なりのアドバイスを私にくれた。
正直意外だった。
私は彼がここまできちんと聞いてくれると思わなかった。
聞いてくれるだけならまだしも
しっかり理解をしてくれて
的を得たコメント。
私はその瞬間
一気にココロが軽くなった。
「溜め込まなくていいんだよ。
全部吐き出しちゃえばいいんだから」
彼はそう言って笑った。
その日の彼はすごく優しくて
お互いの仕事に対する価値観の話とか
珍しくまじめな話をたくさんして。
お酒が回ると相変わらず気を持たせるような発言ばかり。
そのたびに私はドキドキして。
昔の彼女の話とか
クラブで金髪のおねいちゃんに「CUTE!」って言われた話とか
彼のそんな話に私が少しすねてみると
「なに、ヤキモチやいてんのか?」
って
ケラケラ笑ったり。
あー
もう
私の心は揺さぶられっぱなし。。。
好きになっちゃうよ?
って
何度も口からあふれそうになって
私はぐっと飲みこむ。
確認しちゃいけない。
でも
付き合ってるみたいでもいいじゃんね?
好きってオーラを身体中から出しても
彼の自由を妨げなければ
このままでいられるはず。
会計を終えて、席を立つ。
店の3階から、1階への長い階段
その真ん中で彼が立ち止まって
私を抱きしめてキスをした。
愛がなくてこんなキスはできないって
私は毎回思う。
それくらい
彼のキスはいつも優しかった。
to be continued...
退職願。
先ほど出した。
社長に。
なかなか受け取ってくれなかった。
頭抱えて
なんとか考えてくれって
でもね社長
もう、私の心は折れちゃったんです。
だから
何かをすれば
この決断が翻るってこと
ないんです。
モチベーション。
私の原動力が
なくなっちゃったんです。
この会社で働く意味。
立ち上げの時
オフィス探して
電話の権利買ったり
デスクや棚を注文したり
会社の名前やロゴを考えたり
全部ゼロから
育ててきた会社だったけど。
もちろん愛着はあるけどね。
でも、今のここでは私を100%出し切れないんです。
新しい勤務先はまだ見つかっていない。
急いで探さなきゃいけない。
ミスマッチはもういやだから
ある程度慎重に。
すこし、休むことにします。
でも・・・いつ退職願いを受け取ってもらえるのか・・・
ほぼ、決定。
会社、辞めることにしました。
まだ社長とはコンセンサスとってないけど
自分の中ではほぼ決定。
1年前の立ち上げから関わってきて
この1年、本当に苦しかったけど
楽しい、いい会社を創りたくて
がむしゃらにやってきたけど
もう、電池切れ。
価値観の溝は埋められませんでした。
会社も恋愛と同じ。
経営者と価値観が違えば
一緒にはいられない。
できたての会社だったから、なおさらです。
私は自分の想いを我慢してまで働きたくない。
だから、自分の価値観が受け入れられるところを探そうと思います。
ぶっちゃけ、そんなすぐに見つかるとも思えないし
次が決まってないのに今すぐ辞めるのも
ものすごく不安は残るけど。
何とかなると思う。
だから、一ヶ月くらい、旅に出ようと。
第二の故郷、アメリカのあの街へ。
やっぱり、厄年なんだなぁ。
お祓いに行っても、効力ナシ、か。
そして、1年半ぶりの 再会。
金曜の夜12時。
私はずっと踏み入れることを避けていた
彼の最寄り駅までタクシーを走らせた。
ドキドキ半分
でも
思ったよりは落ち着いていた。
昔彼と何度か行った
モスバーガーで待ち合わせ
ドアが開くたび
ドキドキして
待つこと数分
1年半ぶりに会う彼の姿、
顔を上げて、私は精一杯笑いかけた。
相変わらず無愛想な彼。
でもわかってる
本当は彼も
落ち着かないってこと。
斜めに向かい合って
私はうつむいたまま
彼は無言でオレンジジュースの氷をストローでかき混ぜた。
懐かしい沈黙。
どうしたの。
抑揚の無い声で彼がボソッと言った。
私は弱弱しく笑った。
久しぶりだね。
元気だった?
仕事、忙しそうだね。
そんなことないよ。
ふつう。
うまい言葉が見つからなかった。
少し考えて、
私は言葉を選びながら
少しずつ心の中のものを吐き出した。
話し出したらきっと泣いちゃう、
そう思っていたけど
以外にも淡々と私は話していた。
時をさかのぼって
この1年半分の仕事のいきさつを簡単に話し終えた私に
彼が顔色ひとつ変えず言った。
だから言ったじゃん俺が。
彼のお得意のセリフ。
ううん、ちがうよ。
私が悪いの。
私のキモチの問題。
彼は昔のように
優しい言葉すらかけず
辛らつな言葉をおしならべる。
落ち込んだときには
さらに辛さを後押しする。
昔からそう。
でも、この日の私は
それもすぅーっと
心の中に染み渡ってきた。
そうだね・・・
30分少々、
店が閉店の時間になった。
時計を見ると一時。
出ようか・・・
私たちは店の外に出た。
ずっと近寄りたくなかった彼の街。
なんか、少し風景が変わっていた。
他に行く店があるわけでもなく、
私は彼の後ろをついて寒空の下を歩いた。
あんた、香水つけてる?
え?あ、うん・・・
女は敏感だからな・・・
直ぐに彼が何を言おうとしているかがわかった。
俺んち、くれば?
他に行く店もないし
ほら、ね。
でも、少し怖かった。
最後に彼の部屋に足を踏み入れたのは1年半前の夏。
彼と抱き合って目が覚めた次の日の朝
バイバイも言わず、そのドアを開けた
あの日以来だった。
懐かしい景色
懐かしい匂い
私は恐る恐る彼の部屋に足を踏み入れた。
声、出さないで、少し
彼が電話をかけ始めた。
私と話している間
4回もかかってきていた電話
私の隣で
彼女に電話をする彼
私は押しつぶされそうになっていた。
部屋を見渡す勇気もなくて
私はソファに腰掛けても
ずっと顔を上げることができなかった。
彼と一緒に不動産に付き合って決めた部屋、
一緒に選んだ机、テーブル、ソファ、ベッド、棚、
DVD、ラック・・・
部屋のほとんど全てのもの。
彼がこの部屋に越してきてからずっと
私はほとんどの買い物に付き合い
ほとんど毎日この部屋に通っていた。
置いてあるものは何も変わっていなかった。
ただ
私の目に飛び込んできた
テレビの上に飾ってあった
彼女とふたり並んだ写真。
私は直ぐに目をそらした。
私が通っていた頃と同じように
彼はテレビをつけて
部屋着に着替え
ベッドの上で録画していた番組を見ながら
私に話しかける。
ずるい。
私がプレゼントしたベッドカバー、シーツ、枕カバーもそのまま。
変えればいいのに・・・私もそこで寝ていたのに。
だんだんと息苦しくなって
私は再び床に目を落とした。
それでも飛び込んでくる
化粧品
女性誌
料理レシピ本
そして
結婚式場のパンフレット。
私はぎゅっと目を閉じた。
どうしたのあんた、いったい。
わかんない・・・
でも
もう、自分をどこにもっていったらいいか
そのモチベーションもなくて
今は心のよりどころもなくて・・・
結局そこかよ・・・
彼はその瞬間、
私の気持ちを読み取った
ごめん、帰るわ。
ありがとう。
私はソファから立ち上がった。
この部屋にいたくないの・・・
彼の顔も見ないで、私は彼の部屋を出た。
結局そういうことだった。
私をここまで頑張らせてきたものは彼。
彼を追って東京を出てきて
彼のマンションの近くに部屋を借りて
同じような業界に入って
お互いライバル
会えなくなってからも
彼に負けたくない一心で
新しい仕事も
頑張ってきたつもりだったけど。
もう、その一筋の糸も切れてしまった。
私のモチベーションは彼だった。
私の東京での生活の全ては彼だった。
彼なしで、私はここにはいられなかった。
彼の生活から私がいなくなって
絶対彼を後悔させる。
私なしで
彼が幸せになることは許さない。
そんな恨みにも似た執着。
でももう
彼女と幸せな道を歩き始めてる彼を
こうやって目の当たりにして
私は全身の張り詰めていたものが崩れてしまった。
彼が私のところに戻ってくることももう二度とない。
0.1パーセントのかすかな期待だけを心の支えに
私は彼と会えなくなった時間を過ごしてきた。
それだけが
私を動かすモチベーションだった。
私は全てを失った気がした。
でも、これでよかったのかもしれない。
彼に会って
少し肩の荷が軽くなった。
別にいいや
彼じゃなくても。
ほんの少し、そう思えた。
会えない時間、ずっと私は仕事に自分の全てを投じてきた。
仕事で結果を出すことが、
彼の中で私を生かし続ける唯一の方法だと思ったから。
もう、わたし、頑張らなくていいのかな。
ふわっと、身も心も軽くなった。
といえば聞こえがいいけど
つまり
やる気も何もかも
私はなくしてしまった。
家について、私は彼にメールを送った。
付き合ってくれてありがとう。
少しキモチが楽になったよ。
元気そうでよかった。
おやすみ。
気の利いたことは何も言えないけど・・・
俺でよければいつでも話し聞くよ。
またゆっくりメシでも食いに行こうぜ。
でもあんたの根本的な部分に問題がありそうだけど・・・
言い方はキツいけど
確信をついたアドバイスをくれる彼。
彼なりに気を利かしているのはわかっている。
でも
私を部屋に入れたことが
私にとっての「彼の気の利かない」部分。
根本的な部分。
そうかもね。
欠陥だらけだからね、私。
欠陥というか・・・
俺のせいなんでしょ・・・
彼はわかっていた。
私の気持ちが残っていることも、
これまでの私を奮い立たせてきたものが彼であったことも、
意地とプライドで塗り固められた私の内のものは
実はボロボロであることも。
全部全部、彼はわかっていた。
でももう、今更これ以上優しくできない。
彼も私もそれはよくわかっていた。
私自身の問題だよ。
おやすみなさい。
終わりにしなきゃ。
本当に。
頭ではわかってる。
この目で確認して、それも認識したのに。
とにかくめまぐるしい1日、
私は脳が疲れ切って、死んだようにそのまま眠った。
混乱の末、助けを求めたその先は。
急転直下 の金曜日、
自分でもワケわからなくて
私は自分でも予想外の行動に出た。
でも、内心は意外と冷静だった。
彼のオンラインを示す緑のアイコン
私は彼にチャットで話しかけた。
how are you?
英語でだと、私はいくらでも彼に話しかけられる。
しばらくして彼からの返信が来た。
I'm fine
最後にメールのやり取りをして以来、
彼の言葉を受け取るのは2ヶ月ぶりだった。
なんかあったの?
どうしたの?
という彼からの言葉を密かに期待しながら
なんでもない、世間話をする。
仕事も半分うわの空、
PCの向こうで忙しそうな彼に
私は自分から切り出した。
あのね、私、仕事辞めるかも
え?
なんで?
あんなに楽しそうだったのに?
なんかあったの?
少しビックリしたような彼の返信。
私は自分の考えもまとまらないまま
何が起こったのか
うまく説明できないまま
つらつらと
彼に向けて
途切れ途切れの言葉を送った。
何があったかよくわかんねぇけど
あんたが俺に連絡してくるくらいだから
相当なんでしょ
メシでも行くか?
俺、今晩時間あるから
ずっと会うことから逃げていた
彼女と新しい人生を歩いている彼に会うのが怖かった。
自分の中では時間が止まったままなのに。
だから
彼に久々に会おうぜって言われても
今のあんたに会いたくないって突っぱねて
1年半
会いたいのを我慢してきたのに。
パソコンの画面の前で
涙がボロボロ出てきた。
プライドも意地も
崩れ落ちて
彼に泣きついてしまった。
私の性格を理解したうえでの仕事の悩みを
理解してくれるのは彼しか居ないとわかっていたから。
彼に会えなくなってからずっと
弱音も愚痴も隠してきたのに
ここへきて、もうどうしようもなくなってしまっていた。
うん・・・
じゃあ、仕事終わったら連絡して。
私は彼に会う約束をしてしまった。
ずっとずっと会うのを我慢してきたのに。
彼に負けたくない
弱いところをもう見せたくない
愚痴も言いたくない
そう思ってココまで耐えてきたのに。
もう、そんな意地もどこかにいってしまっていた。
そして彼はそんな私の心を見透かしていた。
to be continued...
急転直下。
最悪な事態が起こった。
最悪?
わかんない。
でもそれを上司に告げられて
は?
って思って
意味がわかりませんけど
って答えて
でも
相手は経営者
会社を守るための決断
これがビジネスの現実
私は夢を見すぎていたのかも知れない
でも
夢を見ながら仕事をしたかった
価値観の相違
男と女みたいに
会社と社員
社員と社員
想いが違えば
同じところに向かえない。
差し出された条件に
私はびっくりするくらい冷静に
じゃあ私辞めます
って
言ってしまった
社長は
そんなこと言わないで
頼むから
悲壮な顔で言ったけど
でも
もう疲れちゃったんです、心が・・・
最終的な結論が出ないまま
その場は終わってしまったが
私は以外にもスッキリしていて
デスクではしゃいで仕事に取り掛かった
けど
辞めたらどうしよう
仕事
探さなきゃ
当然の現実
私は即いくつかのアポを入れた
ヘッドハンティングと
人材紹介
複線は必要
そして誰か友達に
話をしたいと思って
考えて
ピッタリな人が思いつかなくて・・・
何人かにメールした後
私は自分でも予想しなかった人に
メールしてしまった。
憔悴、ピーク。
会社でめまぐるしい動きがあって
社外とのトラブルや
社内でのトラブルや
自分への自己嫌悪とか
絶望とか
失意とか
心がボロボロになって
もうどこに行ったらわからなくて
家に帰っても安らげなくて。
昨夜は精神疲れのピークに近かった。
ふらふらになって帰宅する途中
誰かにメールしてみたいと思っても
こんな心情でまともに話も出来ない。
今の自分をさらけ出せる
相手もいない。
特に、仕事のことだから。
散々迷って
悩んで
でも
我慢できなくて
彼にメールした。
あいたい
たった一言。
返事はすぐに帰ってきた。
土曜の夜、一緒に映画見ようか。
どうしたの?とも聞かず。
うん
すぐに私も返事をした。
じゃあ仕事終わったら連絡するね。
ほんの数分のやり取り。
彼は私の心情を察してくれていたのか。
たまたまヒマだったからか。
でも
嬉しかった。
今日いちにち、がんばれそう。
アガらない。
なんかね。
もう
働くモチベーションとか
自分がどこに行きたいとか
何がしたいのとか
だんだんわからなくって。
恋も仕事もうまく行かない。
夢もない。
そんな本厄、今年32歳。
がけっぷち。
そして、忘れかけたころ。
会社では、私の携帯はサイレントモード。
パソコンのスクリーンの左横にある携帯ホルダーの中。
メールや電話が来ても、音は鳴らない。
震えもしない。
イキナリ光る。
お昼前、その携帯が光った。
そしてメールを受信する画面に
彼の写真。
心臓が止まりそうになった。
彼からメールをくれるのは久しぶりだった。
ドキドキして
メールを開く。
「右手首捻って、腱鞘炎気味だよ。
利き手が使えないと仕事できないから辛いよ。
寒いから、風邪引くなよ」
それだけ。
でもそのなんでもないメールが
今の私には嬉しくて嬉しくて仕方なかった。
大丈夫?
ちゃんと病院に行ってね。
私は風邪ひとつ引かないで元気だよ。
精神はボロボロだけど・・・
お大事にね。
イロイロ悩んで
でもすぐに私は返事をした。
そこから
もう
彼からメールは来なかった
でも
今日はその一通だけで
私は幸せな気分になれた。
なんだか、魔法みたいだね・・・
ああ、また会いたくなってきちゃったよ。