インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』 -21ページ目

第115回 「エシカル(ethical)でしょ」

 最近、エシカル(ethical)という言語をよくきくようになった。少し前は、エコとか、リサイクルとかがブーム?で、最近はCSR(企業の社会的責任)である。
 しかし、なんで今更、この豊かで平和な時代に正義や道徳を叫んでいるのだろうか。
 確かに、仕事や能力が正当に評価されずに貧困を強いられたり、介護や育児や病で仕事が出来ずに収入が激減したり、思うようにならない家族が増えている。
 でも、日本で一億円以上の資産を持っている方は360万人もいらっしゃる。あるところにはあるのだ。そして、資本家になるほど企業の海外進出を推奨する。そもそもグローバル化とは、人も物も金も知識も海外に出るということだ。多くの企業が海外に生産拠点を移し、資産家は税金の少ないところへ居をかまえる。かくして日本の税収入は減る一方。国の借金は増えるばかり。なので、救済や福祉に回す予算はどんどん減る、益々格差が広がる、悪循環である。なんだか、おかしいのである。でも、国の政策には逆らえない。


 けれど、弱者の一人である私も、日々の買い回り品の選択権くらいは持っている。
 その基準は「エシカル」だったのだ。エシカルとは知らなかったけど。
 エシカルとは、倫理的とか道徳上とか、環境保護とか社会貢献とかと訳されているが、語源は獣道、つまり安心して気持ちよく通る道だと私は理解している。
 人間が猿と違うのは、読み書きができる事だ。結果、動物本能を破壊し、理性が生まれ、相手の痛みを理解しないことを恥とする感情を持った。
 なので、人の痛みを理解できずに、弱者から搾取し、自分だけ裕福になるような人間を「人でなし」や「畜生」や「化け物」と言っていいのである。


 現代は、成熟社会だ。特に日本は長寿に恵まれ、物は溢れ、医療も充実している。
 こんな時代に企業に求められることは、社員も顧客も気持ちのいい生活が送れるような恥ずかしくない経営をしている事である。例えば環境を破壊して、弱者を虐げたあげくに提供される商品に、必死で働いたお金を使いたいだろうか。買って嬉しいだろうか。私は、同じ買うなら共感する企業の商品を買いたい。

 その一つに生活の木という会社がある。もともと陶器を扱っていた会社が、ヒッピーの生活をヒントにポプリから始まりハーブやアロマを日本に定着させた、昔からなんとなく、人に良いイメージを持つ会社である。その企業が今後も意識しているのも、エシカルだそうだ。購買者の心理を熟知している専務は、国保の限界や、国の力を見通して、今後に必要と思われる商品を提案し、あらゆる規制と戦いつづけている。
 その製造背景には、人を平等に評価するエシカルな考えが組み込まれている。商品からは想像できないえらく濃いキャラだけど、企画力と行動力は凄い。
 こんなエシカル企業が増えると、本当の意味で幸福度の高い国になると思う。
 なにしろ、日本人の商売の基本は三方よしだったのだよ。
 これってエシカルでしょ。


2014-02

インターウォーズ株式会社
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第114回 「矜持」

 漢字には、長い歴史を経て、文字に込められた意味やいわれがあるので、辞典で解釈されている事と少し違うかもしれないが、私にとっての矜持とは、「自分自身が大切に守り抜いている思いの基準」である。
 例えば、人材育成の天才と思っている経営者の、その方の社員への叱咤は、一言で済んでいた。「日本一の会社の社員としての考えか?サービスか?」と問うだけなのだ。
 見事な事に、そこの社員の方々は、会社の外で、上司や仲間がいない時も、その意識を持って社会に接していた。その事実を幾度も体験した時に、人材育成の真髄を垣間見た。そこには、その会社の社員の方々に、日本一としての自覚を持つという「矜持」を感じたからだ。そういう強い「思いの基準」である。


 インターウォーズは、毎年の初めに一言を書いて、その年の間、社内に貼り出される。
 やや、気恥ずかしいが、その一年、生き抜く上で、目標や決意を忘れないように、貼り出されてもしかたがない。
 しかし、いくら目標を持っても、世の中は、思い通りにはいかない事が大半である。どんなに自分が頑張っても、病や、事故や、家族の事情などで人生設計は簡単に修正させられる。まさかと思うような醜聞事で、いきなり頂点から引きずりおろされる時もある。
 人の運命はわからない。順風満帆であった会社もなくなる時は一瞬であるし、数人の会社が2年もしたら数百人になっていることも、今や珍しい事ではない。
 どのような経営者でも、人間である以上、そうそう完璧な判断は続かない。大事な事は、何か起きた時のその後だと思っている。また、頑張るか、不満を持ってなにもせずに朽ちていくかだ。

 不思議な事に、なにか事をなした人程、死ぬまで挑戦する気質は抜けていない。彼らの「矜持」があきらめを許さないのかもしれないが。だからこそ、自分の矜持は大切だと思う。
 何があっても、自分自身の軸があれば豊かな気持ちを維持していられるはずだ。なので、今年は「矜持」と書く事にした。


 一人でも多くの起業家が、新たな事業で、一人でも多くの雇用を創造して頂くために、私自身の矜持で、お役に立ちたいと思っている。


 新たな年にあたり、改めての決意表明でした。
 今年も、宜しくお願い申し上げます。


2014-01

インターウォーズ株式会社
取締役
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第113回 「Gap」

 思い込みが崩れる時に、脳内ホルモンが分泌される快感にあったことはないだろうか。
 その場合も、素晴らしい人だと思っていたのに器量が小さく卑怯な人であることが露見したりしてがっかりした擦れなんてことではない。
 むしろ、厳しそうな雰囲気の人が意外に繊細で優しい人だと分かった時。強面のお兄さんが子供やお年寄りに親切にしているのを見た時のGap感である。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  近年、この嬉しさを味あわせてくれた社長の一人にwebリスクマネジメント事業を手掛けるS社長がいる。
 初めてのGapは、2年ほど前に、年齢を知った時。それまでは、その物腰や、ビジネス会話のテンポに切れ者サラリーマンが機を見て敏で独立した40代の起業家かな…。となんとなく思っていたのに。
「3○歳ですよ」「えっ?(なんか聞こえない、耳が遠くなったのかしら)」
「31歳です」「えっ?(冗談?冗談だよね)」
と驚いた。そう言われてみると、流石に肌艶が若い。なによりも、眼が若い。その上、学生時代に起業してすでに10年近く経営していた。全然違った…。意外と、無鉄砲なのだった。
 なんでも、すごい事が出来るのだろうと凄い大学に入ったのに、凄い事は、学力でなるとは限らないことを悟ったらしく、やりたい事は早くやらないと時間がもったいないと思い、とっとと起業したらしい。本当は、沈着冷静に判断したと思うけれど。いつも意表を突く発言を、解りやすく、さらっとするので、ついつい引き込まれてしまう。
 本当に賢い人は、誰にも(要するに私に)解るように話ができる人だと思っている。これまで、お会いできた大成を成した方々に共通するのは、解りやすい言葉を話す事と、人を差別しないことだ。その方々を彷彿させる。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  彼には、ずっと先の大きな目標があって、そこに向かって進んでいるのだろう。どんな年上の大物経営者と出会っても、臆することがないのは、目標が見えているからだ。
 「彼は達観しているよね」とは、他の経営者の方々に共通する彼の印象である。細部に拘らないので、目の付け所が違う。他社が、告知力UPに力を入れている最中に彼が始めたのは、誹謗中傷の火消しビジネスだった。人間の心理を理解していればこその発想であったと思う。そもそも物事の逆を見たり、考えるのは、人の痛みがわかる人なのだ。だから、社会貢献も率先して行っている。
 素晴らしいですねと称えたら、眼をくるくるさせて「そんな大した事ないです」といって話題を変えてきた。苦手なのだね。そういうところが、また、また、Gapなのです。


2013-12

インターウォーズ株式会社
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第112回 「美しい人生」

 何年かに一度、憧れの仕事をしている人に出会う。心から憧れる女性に出会う。
 もう、何年もお会いしていないが、素晴らしいレストランを経営されていた女性社長にも尊敬と憧れを抱いていた。経営方針だけでなく、女性としての生き方や立ち振る舞いが美しかった。その方は、今でも話題の飲食店を残し、ご自身は誤算による破綻の責任を負って経営を退かれたが、その最期の挨拶となった手紙も、一生心に残る素晴らしいものだった。美しい花は去る際までも美しいと知り、感涙した。


 そして、最近になって、久しぶりに美しさを感じる女性社長に出会った。
 格好いい女性社長や、男子顔負けの迫力ある女性経営者には、かなりの頻度でお目にかかっているが、この仕事は女性にしかできない、しかも美しい女性しか似合わないビジネスを営む女性に出会えたのは、本当に久方ぶりだった。
 ECOMACOというブランドの経営者、岡社長である。
インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』
 繊維メーカーから糸を仕入れて、自社でデザイン、染色、縫製、販売をしている。背景は服飾学院。自然と環境を大切にする総合プランナーで、教育者であり、デザイナーであり、経営者である。そして、作品はまるで彼女を表すかのように美しい。
 コンセプトは、自然を大切にしたライフスタイル。生まれた生地は最後まで、「何か」に『美しく』使う。
 そして、それを商品化するために、地方で埋もれている特産品を活用し、働く場のない人達に仕事を提供するという、どこまでも美しい心からの仕事をされている。
 植物を加工した繊維は、とても肌に優しく、染色も自然の物を使うので品が良く、環境に優しい。なにより、デザインもエレガントである。
 実に無念な事に私には、まったく似合わないタイプのものだが、こういう服が似合うような、容姿や性格、せめて生活環境に恵まれていたならば、と。本音で思うほど、とても、素敵な作品ばかりである。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  そのファッションが良く似合う岡社長は、「私は、捨てたくないのです。せっかくの物を、工夫して何かに活用して大事にしたいのです。染めたり、縫い直したりすることで、こんなに蘇るのです。私、しつこいんです。」
 と、とても大変で、面倒で、すごい事を実行しているにもかかわらず、とても可愛い笑顔で話をしてくれた。その考え方、生き方、その作品。全てにおいて美しい心を一貫して通している。美しい人生は、美しい心を持ち続けてこそ、歩めるものなのだと思い知る。そして、美しい心は、幸せな時間を創造する。
 心を入れ替える事ができるのならば、遅きに失してなければ、まずは、モノを大切にすること、もったいない精神を持つことで、残りの人生を美しく変えていきたい。
 間に合えば、あの素敵な服が似合うようになりたい。間に合えば…。



2013-11

インターウォーズ株式会社
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第111回 「大丈夫」

 「気にすることない、大丈夫だよ。」「もう大丈夫、安心してね。」「これは、ここにおいても(捨てても)大丈夫?」「勉強しなくて大丈夫?」等々。
 「大丈夫」とは、常日頃使わせて頂いている重宝な言葉ですが、そもそも、大丈夫とは、強く逞しい男性の事だそうです。
インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』
  男とは限らないではないか、強く逞しい女性もいるのだからと思われる方もおられるかもしれませんが、夫とは、もとから男性を表す文字なので限られるわけです。
 しかも、特に立派な男性を。つまり、大丈夫とは、立派な男性が更に逞しくなっている状態ということで、そして、更に逞しく立派な男性は、なんだかしら、安心だということで、私たちは、日々、「大丈夫?(更に逞しく立派な男性ですか?)」と聞いて、「大丈夫です。(さらに逞しく立派な男性ですから安心です)」と答えているわけで。少し愉快ですね。


 ところで、世の中には、大勢の実在の大丈夫さんが存在されていると思いますが、私的に、大丈夫さん(更に…)だと思っている方が幾人かいらっしゃいます。
 つまり、更に逞しく立派な男性達ということですが。I食品の会長もそのお一人です。
 初めてお会いした時から15年以上過ぎておりますが、その頃から並外れた人心掌握言語と風格を持たれていました。どんな難題も難関も、大鉈を振って、壁をぶち破って、結果驚く程スマートな解決をされるのです。絶対味方に欲しいタイプです。
 最近お会いした時も、変わらない茶目っ気溢れるちょい辛ジョークを交えながら端的に現況を説明してくださいました。その間さりげなくみせる気遣いや優しさも素敵です。やっぱり、大丈夫さんなのです。


インキュベーションマザー 北條夏旭 『Mother's Note-マザーズノート-』  その後、気分爽快で付近を巡っておりましたら、あの黄金のスマイルのKシェフの真剣な仕事の現場に遭遇し、その美形ながらも仕事に忠実な姿に、美丈夫もありだと、いや欲を言えば美丈夫であればあるほど、更に素敵な事ではないか等と考え、一瞬思いついて「大丈夫?」というのを「美丈夫?」と変えてみたところ、「もう美丈夫?」(もう美しく立派な男性ですか?)「はい、美丈夫です」(はい美しく立派な男性です。)となると、なにか違う。素敵だけど違う。もちろん、実在の美丈夫に囲まれたら幸せだと思うのですが。やはり、「大丈夫」(さらに逞しく立派な男性)の方がしっくりきます。
 なんだか凄く安心です。世の中に大丈夫さんが増えて頂ければ、超高齢化でも国の借金が増えても安心していられます。
 それに、「なんとかなるよ」より「大丈夫!なんとかなる、なんとかする」と頭に大丈夫の文字がつくだけでも落ち着きます。やはり、大丈夫って凄い力を持っています。
 日々口に出して大丈夫(さらに逞しく立派な男性)を呼び込みましょう。なにかしらの、助けになるはずです。



2013-10

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