本田承太郎 -14ページ目

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
この会社の創業者の渡辺創一郎と
本田の上司藤森部長が
遠い血縁にある事を知りました。


第202話:藤森部長の本性

本田の上司である藤森部長
創業者一族と血縁と言う事で
権力を持っていました。

この会社は一族経営で
社長が会長の息子、
専務がその弟になっていて

他にも親族に当たる数名が
役員や重役のポストに
就いていました。

藤森部長が他社から入社して
直ぐに部長職に就いている
と言う事からも

「血縁の権力」が影響していると
思われました。

周囲の社員は当初その事を
知らない為に実力がある人だと
勘違いしていたのですが、

次第に態度でメッキが剥がれ
その後は水面下で
悪い噂しか出回らなく
なっていました。

しかし、

以前の経験からか
元からかは解りませんが
人を屈服させる術は
身に付けていて

高圧的な態度や命令口調、
差別的発言も目立つ上に
仕事上の権力で

気に入らないヤツを干したり
相手の弱みに付け込んだりして
言う事を聞かせるタイプでした。

本田承太郎とは部下と上司の
関係ながら対立していました

本田が抜け目が無い為に

本田の部下に付け込むと言う
手法で攻撃した為に
現在は修復不能な関係にあります。


そんな中、

友人で同期の同僚でもある
片岡との話の中で色々と
解った事がありました。

片岡
「本田、どうやらお前は
エライ奴を敵に回したみたいだな」


本田
「部長の事か?」

「藤森部長は今回の
プロジェクトの為に他社から
引き抜かれたと言う話だったが、

藤森がこの話を自分で持ってきて
売り込みを掛けて中途採用された
と言うのが実情らしい」

「そうなのか?
外食経験があると言う事は俺も
知っていたがそんな事なら
何故自分で動かないんだ?」


「どうも以前の会社から
自分で動かず人を動かして
のし上がってきたタイプらしいな」

「管理職としてはある意味
正解の様にも聞こえるがな」


「だが問題はそのやり方で
以前の会社でもパワハラまがいや
セクハラ、金銭問題でその会社から
厳重注意を受けていたらしい」

「よくそんな情報仕入れたな。

金銭問題ってのは何なんだ?」




「まあこの情報は独自ルートなので
他は誰も知らないなんだけど、

どうも横領が会社に
バレかけたという話だったな。」

「横領?犯罪じゃないか」

「証拠は無いらしいし、
当然もう隠滅してるだろう」

「じゃあ本当の所は
解らないんじゃあ無いのか?」

「お前は本当にお人よしだな。

本気であいつの事実は良い奴かも。
みたいな甘い事を思っているんじゃ
無いだろうな?」


本田を古くから知る付き合いの片岡は
本田がどんな奴にでも一度は
情けを掛ける事を知っていました。


「お前がそう言う情けを掛ける事で
どれだけ出世を遅らせてきたんだ?」

「おれは別に出世だけが目的じゃない」

「上を目指さない者はお前の理論では
上司失格なんじゃ無かったか?」

「片岡、お前の様に
人の上に立つ事だけが上だとは
俺は思っていないと言う事だよ」

「何度も聞き飽きたよその話は。

まあ話を戻すと、

要するに藤森と言う奴は
横領でバレそうになったから
前の会社からウチの会社に
流れてきたってわけだ。」


「うちの人事部の倉持部長が
そんな採用を認めるとは思えないが
やはり上からの圧力が
あったと言う事か?」


「そりゃあそうだろうさ。

それでなきゃイキナリ部長の椅子は
無いだろう」


今回の企画から本田の上司に
なった藤森部長の本性が
片岡の話から徐々に明らかに
なっていくのでした。

そして、
この話にはまだ本田が驚愕する
続きがあったのです。


つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
飲食店出店計画を開始する事を
決めたのは創業者の渡辺創一郎だと
言う事と本田の上司藤森部長が
その血縁と言う事が解りました。


第201話:デキる人間が上司にやってきた

本田の上司藤森は他社からの
引き抜き入社直後

いきなり部長職に抜擢され
周囲からは

「デキる人間が上司にやってきた」

と言うイメージで思われていました。

しかし実際は高圧的な物言いで
部下を怒鳴り散らし

気に入らないヤツには仕事も
振らない横暴さを見せていた為

部下たちは何故藤森部長が
上司なのか疑問に思う声も
日に日に多くなっていたのです。

本田承太郎の友人で同期でもある
片岡という情報通からの情報では

藤森部長が新プロジェクトを
懇願した事でこの部署に
仕事が回ってきたと言う噂が
ありました。

部下の手柄は自分の評価にして

責任は
自分より下の上司に取らせる事

周囲からの
評価を上げているのです。


そんな部下をぞんざいに扱う
藤森部長と本田は度々
衝突していた最中に藤森は

本田の部下でもあった山本を
退職に追い込んだ事で周囲の
不満の声を黙らせたのでした。

山本は不祥事の責任を取って
処分された訳ですが実際に
不祥事を起こしていたのは
実は山本ではありませんでした。

山本の役割は本田の指示する
役割分担を各チームに分配して
まとめるチームリーダーの
役割を行っていたのですが、

ある時

山本が仕事を任せた
「大橋」という一般社員が
重大なミスを犯した為

その責任を取る形に追い込まれ
辞職する事になったのでした。




その時本田は部下を
守ろうとしない藤森に
激昂しましたが

藤森の目的は
周囲を黙らせる為の目的で
本田の部下である山本のクビを
切る事でその権力を
アピールしたのです。

不運にも本田が研修で不在時に
事件は起きしまい、

そのまま直ぐに山本も
処分されてしまった為に
本田にはどうする事も出来ず
事後処理として報告されたのです。


そして今回、
本田の友人片岡が調べた
情報である事が解りました。

つづく

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
飲食店出店計画を開始する事を
決めたのは創業者の渡辺創一郎だと
言う事と本田の上司藤森部長が
その血縁と言う事が解りました。


第200話:一族経営のメリットとデメリット

この会社の創業者渡辺創一郎
当時ワンマン経営でこの会社を築き
大きく事業拡大させて行きました。
その35年後に一線を退き、
代を譲りました。

その当時は会社も経済も成長期で
飛ぶようにモノは売れ、
契約はアホでも取れまくる
という時代でした。

それから10年

更に代が変わり不景気と共に
会社の成長率も緩やかになり、
三代目の社長が変わった所で
渡辺創一郎の息子が取締役として
役員になりました。


親族経営と言うと聞こえは
良くありません。

イメージ的には「ブラック企業」
そう言うイメージで見られる事が
多いのではないでしょうか。

そう言う企業ばかりでは無い事も
事実です。

ただし、

中小零細企業株式を
公開していない様な一族経営の
企業
はかなり評判が悪いのも
現状として事実です。


一族経営のメリットと
デメリットを考えてみます。


メリット

・零細企業の場合有能な人材を
親族から確保し易い(教育し易い)

・役員にして連帯保証人に
なって貰い易い

・親族が役員だと後継がいる事で
銀行や得意先、従業員にも
信頼や安心感が生まれる

・会社が苦境の時にまとまり易い



デメリット

・経営モラルの低下

・ブラック企業になり易い

・2代目3代目にアホが多い

・一族同士にはメリットが多いが
それにより他の社員にはデメリットが
増える

・社員の向上心の低下

・ワンマンの場合ヘタをすると
一気に潰れる危険がある

・本人の実力が正当評価されない




これは事例や有名な話からだけの
未確認な情報なので、

「同族経営は危険だ」
声をあげて批判する事は出来ませんが

実際に良い風土の同族経営の企業は
あまり噂にはならない事から考えても

同じくらの割合で
経営が良好な同族経営の企業も
あるのでは無いでしょうか。

そうなると、
それだけ酷い会社が蔓延っているとも
言えるので同族経営の会社には
上記の様なメリットだけを見据えて
経営を行わずに会社を発展させる事も
今後の課題と言えるのでしょう。


つづく