第202話:藤森部長の本性 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
この会社の創業者の渡辺創一郎と
本田の上司藤森部長が
遠い血縁にある事を知りました。


第202話:藤森部長の本性

本田の上司である藤森部長
創業者一族と血縁と言う事で
権力を持っていました。

この会社は一族経営で
社長が会長の息子、
専務がその弟になっていて

他にも親族に当たる数名が
役員や重役のポストに
就いていました。

藤森部長が他社から入社して
直ぐに部長職に就いている
と言う事からも

「血縁の権力」が影響していると
思われました。

周囲の社員は当初その事を
知らない為に実力がある人だと
勘違いしていたのですが、

次第に態度でメッキが剥がれ
その後は水面下で
悪い噂しか出回らなく
なっていました。

しかし、

以前の経験からか
元からかは解りませんが
人を屈服させる術は
身に付けていて

高圧的な態度や命令口調、
差別的発言も目立つ上に
仕事上の権力で

気に入らないヤツを干したり
相手の弱みに付け込んだりして
言う事を聞かせるタイプでした。

本田承太郎とは部下と上司の
関係ながら対立していました

本田が抜け目が無い為に

本田の部下に付け込むと言う
手法で攻撃した為に
現在は修復不能な関係にあります。


そんな中、

友人で同期の同僚でもある
片岡との話の中で色々と
解った事がありました。

片岡
「本田、どうやらお前は
エライ奴を敵に回したみたいだな」


本田
「部長の事か?」

「藤森部長は今回の
プロジェクトの為に他社から
引き抜かれたと言う話だったが、

藤森がこの話を自分で持ってきて
売り込みを掛けて中途採用された
と言うのが実情らしい」

「そうなのか?
外食経験があると言う事は俺も
知っていたがそんな事なら
何故自分で動かないんだ?」


「どうも以前の会社から
自分で動かず人を動かして
のし上がってきたタイプらしいな」

「管理職としてはある意味
正解の様にも聞こえるがな」


「だが問題はそのやり方で
以前の会社でもパワハラまがいや
セクハラ、金銭問題でその会社から
厳重注意を受けていたらしい」

「よくそんな情報仕入れたな。

金銭問題ってのは何なんだ?」




「まあこの情報は独自ルートなので
他は誰も知らないなんだけど、

どうも横領が会社に
バレかけたという話だったな。」

「横領?犯罪じゃないか」

「証拠は無いらしいし、
当然もう隠滅してるだろう」

「じゃあ本当の所は
解らないんじゃあ無いのか?」

「お前は本当にお人よしだな。

本気であいつの事実は良い奴かも。
みたいな甘い事を思っているんじゃ
無いだろうな?」


本田を古くから知る付き合いの片岡は
本田がどんな奴にでも一度は
情けを掛ける事を知っていました。


「お前がそう言う情けを掛ける事で
どれだけ出世を遅らせてきたんだ?」

「おれは別に出世だけが目的じゃない」

「上を目指さない者はお前の理論では
上司失格なんじゃ無かったか?」

「片岡、お前の様に
人の上に立つ事だけが上だとは
俺は思っていないと言う事だよ」

「何度も聞き飽きたよその話は。

まあ話を戻すと、

要するに藤森と言う奴は
横領でバレそうになったから
前の会社からウチの会社に
流れてきたってわけだ。」


「うちの人事部の倉持部長が
そんな採用を認めるとは思えないが
やはり上からの圧力が
あったと言う事か?」


「そりゃあそうだろうさ。

それでなきゃイキナリ部長の椅子は
無いだろう」


今回の企画から本田の上司に
なった藤森部長の本性が
片岡の話から徐々に明らかに
なっていくのでした。

そして、
この話にはまだ本田が驚愕する
続きがあったのです。


つづく