第203話:山本の退職騒動 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田の上司である藤森部長は
創業者一族と血縁と言う事で
権力を持っていました。


第203話:山本の退職騒動

本田の上司である藤森部長の
背後関係とは別に、

片岡は「横領事件」の事情を
掴んでいました。

何故片岡がこの情報を調べる事が
出来たのかと言うと

元々、

片岡が情報を集めるルートを
持っている事と

今回の山本の退職騒動により
当事者やその周辺から事情を
聞き出してそれを元に次の
情報を引き出して行ったのです。

すると、

藤森部長に関する疑惑が
二つ浮上してきました。


一つ目は

「前職の会社での横領事件」

二つ目は

「山本を退職させた経緯」です。


ここまでの話で出てきた
内容なのですが疑惑と言うのは、

藤森部長が赴任してきて以来、
部署内での不審な人員異動
繰り返されていて

いつの間にか藤森の側近
出来ていた事と山本の退職騒動が
重なった事、

しかもそのミスをした大橋と言う
山本の部下が藤森の側近だった

と言うのだから怪しくないはずが
ありませんでした。



片岡の見立てではこうなります。


藤森は前職の会社で横領を行い、
会社を追われる羽目になった…

その後この会社にコネで入社し
部長の職に就く…

そして事業を操る為に
部署内での人員を無差別に
異動させる(意図は不明)

何らかの見返りを条件に
側近の大橋を抱え込む

気に入らない山本を退職に
追いこんで部署内の不穏分子を
抑制し権力をアピールする

片岡
「恐らく山本を退職に
追い込む為に部下の大橋を使って
ミスをワザと誘発させたんじゃあ
無いかと俺は思っている」


本田
「何だと?
それじゃ大橋のミスは
仕組んだものだと言うのか?」


「確証は無いがそう考えると
都合良く人が辞めたり
藤森のお抱えがミスしても
処分されない事に納得できる」


この様に部下を
自分の権力の為に退職に追い込み
都合のいい人員構成を作り上げて
いる藤森に

本田は更に怒りを覚えました。


しかし本田には
腑に落ちない点がありました。

つづく