Gnarls Barkley(ナールズ・バークレイ)の大ヒット曲、Crazy。こちらはSarah Jarosz(サラ・ジャローズ)による、ブルーグラス風アレンジのカバーなのですが、これがもう・・・最高にかっこいいのです。

 

 

Sarah Jarosz(サラ・ジャローズ)がヴォーカルとマンドリン。フィドルにAlex Hargreaves(アレックス・ハーグリーヴス)、チェロにNathaniel Smith(ナサニエル・スミス)、ギターにBryan Sutton(ブライアン・サットン)、それからブルーグラスバンド、The Lonesome Trio(ザ・ロンサム・トリオ)のメンバーたち。

 

何かに夢中になることで狂っていく人の姿が描かれている歌。夢中になる対象は恋人や尊敬する人、または宗教だ、ドラッグだなんて、なんでも言われているようです。何を指しているのかは特に正解が無いように思います。それだけ抽象的な表現ですから。歌詞の下に個人的な解釈を書いておきました。

 

I remember when,
覚えてる、あの時のこと
I remember, I remember when I lost my mind
覚えてる、覚えてる、私が正気を失った時のこと
There was something so pleasant about that place.
どうしようもなくあの場所に惹き付けられた、とても楽しそうだったの
Even your emotions had an echo
あなたの感情が響き渡っていたというのに
In so much space
広い広い宇宙の中で

 

And when you're out there
あなただって、行き着いてしまうかもしれない
Without care,
いつのまにかね
Yeah, I was out of touch
そうなの、隔離されたみたいに
But it wasn't because I didn't know enough
でもそれって、私がよく分らなかったからじゃなくて
I just knew too much
私はただ、知りすぎてたの

 

Does that make me crazy?
あれが、私を狂わせてるの?
Does that make me crazy?
あれが、私を狂わせてるの?
Does that make me crazy?
あれが、私を狂わせてるの?
Probably
そうなんでしょう

 

And I hope that you are having the time of your life
祈ってる、あなたが自分の人生を歩んでいけるように
But think twice,
けどよく考えて
That's my only advice
それだけ、私が言えることは

 

Come on now, who do you,
ほら、ねえ、あなたは
Who do you, who do you, who do you think you are,
あなたは、あなたは、あなたは、自分が何者だと思ってるわけ?
Ha ha ha! bless your soul
あっはは! 神の御加護をってね
You really think you're in control
本気で自分を支配できると思ってるわけだ

 

Well, I think you're crazy
それならきっと、あなたは狂ってる
I think you're crazy
きっと、あなたは狂ってる
I think you're crazy
きっと、あなたは狂ってる

Just like me
私と同じようにね

 

My heroes had the heart to lose their lives out on a limb
私の憧れの人たちは強い心を持って、人生を失うことだってできた
And all I remember is thinking, I want to be like them
とにかく私が憶えてること、思ってたの、彼らみたいになりたいって

 

Ever since I was little,
幼い頃からずっと
Ever since I was little it looked like fun
幼い頃からずっと、それが楽しそうに見えて仕方がなかった
And it's no coincidence I've come
だから偶然なんかじゃない、私がここにきたのは
And I can die when I'm done
だって私は死ねるもの、やりきったときには

 

Maybe I'm crazy
多分、私は狂ってる
Maybe you're crazy
多分、あなたも狂ってる
Maybe we're crazy
多分、私たち、狂ってる
Probably
そうでしょう

 

 

このパフォーマンスを聴いていると、この歌詞はアーティストにとっての「音楽そのもの」を表しているように、私には思えるんですね。憧れからはじまったけれど、どんどんのめり込んでいって、制御が利かなくなっていく・・・そんなイメージで訳しました。

 

Ever since I was little it looked like fun
幼い頃からずっと、それが楽しそうに見えて仕方がなかった
And it's no coincidence I've come

だから偶然なんかじゃない、私がここにきたのは


の部分なんて、まるでその瞬間の彼女そのもののように感じてしまいます。歌い狂う、弾き狂うかのように。もちろん彼女だけではなくてバンドも含めて。自分の音楽を表現しようとして、その過程で少しずつ狂っていく。それが実際にその場で起こってるかのように聴こえてしまうのです。

もちろん彼女たちがそれを意識しているかはまた別の話ですが、このパフォーマンスはそれだけの鋭さを持っている、熱意溢れる素晴らしいものだと思います。