乳がん検診・板橋区・女性医師・マンモグラフィ・超音波・女性専用・針生検・乳房CT検査 -14ページ目

乳がん検診・板橋区・女性医師・マンモグラフィ・超音波・女性専用・針生検・乳房CT検査

Dr.ちずこの診療日記
ims東京腎泌尿器センター大和病院レディースセンター乳腺科

人間ドックなどでは、乳がん関連の腫瘍マーカーを、採血検査して調べることもあるようです。

腫瘍マーカーで、乳がんを発見することはできません。

腫瘍マーカーは、再発乳がんで治療効果をみるために測定します。

早期乳がんでは、上昇しません。

測定結果も不安定な場合もありますから、一回の上昇で判断することも難しい場合もあります。

検診施設では、採血するだけの簡単な検査で、高額なオプション料金を得ることができるため、商品にしています。

受検者のことを考えて検査しているのかは、非常に疑問です。

よく考えて、判断してください。

腫瘍マーカーとは、がん細胞がつくる物質、または、がん細胞に反応して正常細胞がつくる物質のことで、血液や体液などの中に含まれています。血液を検査して、その物質がどのくらい存在するかをみて、体内にがんがあるかどうかを推測したり、治療の効果が出ているかどうかを判断したりします。

乳がんの手術は、腋窩(えきか)リンパ節に転移があるかないかで手術方法が違います。

センチネルリンパ節生検と腋窩廓清術(えきかかくせいじゅつ)という2つの方法があります。

リンパ節転移とは、乳房内のがん細胞が、リンパ管に入り込んで脇の下に流れ込みリンパ節内に病巣をつくることです。

リンパ節転移は、その病巣が2㎜以上の大きさをもつと転移と診断されます。

手術前に転移の有無を診断することは、画像診断では難しい場合があります。

現在は、手術中にセンチネルリンパ節という、一番先にリンパやがん細胞が流れ込むリンパ節を取り出して、顕微鏡で病理診断を行います。

これを、センチネルリンパ節生検といいます。

もし、センチネルリンパ節に転移があれば、脇の下の脂肪を血管や神経の周囲からはがして取り除く手術を行います。

脂肪の中にリンパ節が含まれています。

この手術が、腋窩廓清術です。

腋窩廓清術は、手術後の合併症が大きく、患者さんの生活の質をおとす要因となっています。

腕の感覚が鈍くなる、挙がりにくくなる、リンパ浮腫などです。

センチネルリンパ節に転移がなければ、腋窩廓清術は省略されます。

2014年の3月に、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドラインに変更がありました。

大きな変更点は、次のようになったことです。

センチネルリンパ節に転移があった場合でも、転移リンパ節の数が1個か2個で、乳房温存手術が行われ、術後に乳房と腋窩に放射線治療が行われる場合は、腋窩廓清術を省略するという方針になりました。

乳房切除(乳房をすべて切除)して、放射線治療を行わない場合は、腋窩廓清術を薦めています。

リンパ節転移が1~2個の場合、放射線治療や術後の補助薬物療法を行うと、腋窩廓清術を行った場合と省略した場合で予後が変わらなかったことが根拠となっています。

また、その結果、腋窩廓清術後の合併症が減少しました。

手術は、より合併症を少なくする方向へむかっています。




手術後のホルモン療法が変わる?


乳がんの治療法は、大規模臨床試験の結果によって、より有効な治療が選択されます。

臨床試験の結果は、国際学会で発表されます。

今回は、米国腫瘍学会(ASCO)において、乳がんの内分泌治療に関して、新しいガイドラインが発表されました。

今までは、再発のないホルモン受容体陽性乳がんの術後ホルモン治療は、5年間の内服療法でした。

変更点は、以下のようになっています。

閉経前あるいは閉経期の女性:

次の①を行った後に②あるいは③の治療が推奨される

①タモキシフェンを5年間内服

②その後、閉経前ならタモキシフェンをさらに5年内服

③閉経している場合は、アロマターゼ阻害薬に変更して5年内服


閉経後の女性:

次の①あるいは②あるいは③あるいは④の治療が推奨される

①タモキシフェンを10年内服

②アロマターゼ阻害薬を5年内服

③タモキシフェンを5年内服後、アロマターゼ阻害薬を5年内服

④タモキシフェンを2から3年内服後、アロマターゼ阻害薬を5年内服


閉経後の女性で、ホルモン療法を中断してしまった場合:

次の①あるいは②の治療が推奨される

①アロマターゼ阻害薬内服が5年未満だった場合は、タモキシフェンに変更して全体で5年内服

②タモキシフェンを2から3年内服していた場合は、その後、最長5年間アロマターゼ阻害薬を内服

このガイドラインは、あくまでも米国腫瘍学会の指針です。

日本の乳がん治療がすぐに変更されることではありません。

しかし、変化していく可能性は大きいと考えます。

タモキシフェンを10年内服することで、合併症の発生が増加しなかったということです。

ただし、10年内服することのリスクに関しては、今後の検討が必要のようです。