乳がん検診・板橋区・女性医師・マンモグラフィ・超音波・女性専用・針生検・乳房CT検査 -15ページ目

乳がん検診・板橋区・女性医師・マンモグラフィ・超音波・女性専用・針生検・乳房CT検査

Dr.ちずこの診療日記
ims東京腎泌尿器センター大和病院レディースセンター乳腺科

乳がんは、ホルモン受容体をもっていると『内分泌治療』が有効な腫瘍です。

これは、腫瘍を特別な方法で染色して、顕微鏡で診断することでわかります。

ホルモンとは、女性ホルモンのエストロゲン(プロゲステロン)です。

女性は、閉経前は女性ホルモンが高い状態にあります。

閉経前は、体内のエストロゲンが腫瘍を刺激して増殖させます。

閉経すると体内のエストロゲンは、下がってきます。

ところが、腫瘍が出すアロマターゼという酵素が、アンドロゲンをエストロゲンに変えます。

そして、腫瘍を刺激します。

治療薬は、つぎのようになります。

閉経前は、タモキシフェンというエストロゲン類似物質がエストロゲンの刺激を弱めて効果があります。

閉経後は、アロマターゼを働かないようにブロックしてエストロゲンを下げます。

アロマターゼ阻害薬です。

閉経後の乳がんには、アロマターゼ阻害薬は、タモキシフェンより効果があります。

閉経前の女性にアロマターゼ阻害薬を投与すると、エストロゲンが下がろうとします。

その信号を脳下垂体がキャッチして卵巣を刺激するホルモン(LH-RH)をだして、卵巣にもっとエストロゲンを出すように刺激します。

その結果、かえってエストロゲンが分泌される状態になります。

したがって、閉経前の女性には、アロマターゼ阻害は効果がありません。

ところが、閉経前のホルモン状態を変えることが可能になってきました。

卵巣を刺激するホルモン(LH-RH)を抑制する薬があります。

あるいは、卵巣を摘出するか、放射線をあてて卵巣の働きを弱める方法があります。

そのようにして、卵巣からエストロゲンが分泌されないと、閉経前の女性を人工的に閉経状態にすることができます。


2014年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、閉経前の女性に、上のような方法で卵巣を抑制してアロマターゼ阻害(エキセメスタン)を投与すると、タモキシフェンより効果があるという結果が出されました。

すぐに、日本の診療に反映されるかはわかりませんが、今後の治療方法が変わる可能性があります。


先日、ステレオガイド下マンモトーム生検を行いました。

ステレオガイド下マンモトーム生検は、マンモグラフィで見つけた乳腺石灰化にたいしておこなう検査です。

ステレオとは、2方向から撮影された2枚の写真を立体的に見る装置で、特別なマンモグラフィの装置です。

その装置を使うことで、乳腺内に見える微細な石灰化病変の位置を正確に測定して、生検用の針を誘導することが可能となります。

マンモグラフィでは石灰化が集まって見えますが、超音波検査や触診では所見がない時におこないます。

痛みが無いように、局所麻酔を注射します。

外来での検査となります。

乳がん検診マンモグラフィの受検率が高くなって、石灰化の検出率も高くなっています。

正確な診断のためには、ステレオガイド下生検が必要となります。

乳がん検診は、「科学的根拠の基づくがん検診法の有効性評価とがん対策 計画立案に関する研究」班が作成しています。

それが「有効性評価に基づくガイドライン」です。

有効性の評価とは、検診によって死亡率を低下させる効果が明らかであるかどうかです。

有効性の検討の結果、乳がん検診の推奨グレードは下記のようになっています。

推奨グレード

 1)マンモグラフィ単独法(50~74 歳):推奨グレード A

2)マンモグラフィ単独法(40~49 歳):推奨グレード B

3)マンモグラフィと視触診の併用法(40~64 歳):推奨グレード B
ただし、視触診が適正に行われるための精度管理ができない状況では実施すべきではない。  

4)視触診:推奨グレード I(現時点として実施を推奨する根拠が不十分)

ここで、視触診は、3)、4)の項目に入っています。

3)マンモグラフィと視触診の併用は、推奨グレードBです。

しかし、『視触診が適正に行われるための精度管理ができない状況では実施すべきではない』という注意書きがあります。

根拠となっている研究は、アメリカ・カナダなどの論文から引用されています。

そこでは、『視触診はトレーニングされた看護師による分離併用法で行われた』と記載されています。

日本の乳がん検診においては、視触診はほとんど医師が行っています。

しかし、その精度管理やトレーニングについては、現状では策がとられていません。

自分の経験(精密検査に来院する方の結果)では、視触診の結果に信頼性が感じられないことも多い状況です。

乳がん検診で、視触診を項目として有効にするのであれば、その基準と具体的なトレーニングが必要であると考えます。