変な構図には、ワケがある。
グラフィックデザイナーの多くは、生まれ持った才能というものがあり、
もちろん子供のころから絵がウマい子であり、
色彩感覚も構図感覚も教わらなくても、すでに備わっています。
もともとそういったセンスがあるばかりに、意識上にあがってこない大切なテクニックがあります。
それは心理学者が意識的に研究してきた、構図による視覚効果です。
今日取り上げるのは、安藤広重の最晩年の作品 …江戸百景。
その斬新な構図で当時の人々を驚かせました。これらを現代の目で見てみると…
放射状の構図ラジアルパターンは、人間の視点をその中央に集めます。
http://homepage2.nifty.com/makibuchi-2/kyodoshi/rekisi_map/k018_hyakkei.jpg
安藤広重 鎧の渡し小網町 (数本の放射状の線により女性に視線を集めています)
ほかにも、絵の力を強めるイマジナリーラインというものがあります。
絵の淵まで延びた線は、絵の外側にまであるような脳内イメージとなる、というものです。
このダイナミックな力よって、小さな絵や写真も大きな表現となります。
http://adachi.vf.shopserve.jp/pic-labo/hiroshige160.jpg
安藤広重 亀戸梅屋舗 (梅の枝のラインの強さが、絵の左右にも感じられます)
http://adachi.vf.shopserve.jp/pic-labo/hiroshige167.jpg
安藤広重 大はしあたけの夕立(橋を渡る人たちの方向性が絵の左右に延びています)
ご覧のように、江戸末期にさえ、このような効果を大胆に使った作家もいるわけです。
大学生のころ、学者から習ったこのテクニックの数々を自分の仕事にも応用したい、と考えています。
最後に、
http://adachi.vf.shopserve.jp/pic-labo/hiroshige167.jpg
の、地平線はなぜ傾いているのでしょうか?これも科学的に説明できる、と思います。
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読めない文字の自動書記 タギングシリーズ 2
これらは、オリジナルに作成されたアプリによって、自動的に描画されたドローイングです。
これらの作品を、タギングシリーズと呼ぶのは、
Hip-Hop系ストリートカルチャーで、このようなサインを「タギング」と呼ぶことに由来しています。
大きくしてみると、線が半透明で、細かい構造があることがわかっていただけると思います。
このタギング、通常は、可読性が悪い変形したイニシャルなどが手早く描かれますが、
このアプリも、それに似たタッチで描いていきます。関数は、ベジェ曲線の式を使っています。
しかし、いかにも何か書いてあるように見えて、文字ではありません。
文字らしき線の特徴を備えた、単なる線の集合であって、
これらは、このアプリに、単色で描かせたパターン。何回描かせても、
同じものはひとつとしてありませんが、毎回、同じような性質っを持った線が現れます。
これを何かのデザインに生かしたいところです。
グランジ系なので、スノーボード等に合うかもしれません。
1枚も同じものがないデザインが出来ます。
激辛料理に足りないもの
グラフィックデザインには、ファインアート作品の流用とみられる表現が多く見られます。
これはパクりではなく、人類の残した資産の有効活用です。
この積み重ねで、文明は発達していくのでしょう。
たとえば、オプティカルアートは、70年代にムーブメントが訪れたアートスタイルですが、
まっさきに、布のデザインパターンに応用され、大流行しました。
もっとも有名な作家にヴァザルリがいますが、
私は、よりミニマルな作風のブリジットライリーのファンです。(滝という作品は素晴らしい)
この、試作した図形にも、一種のギラギラ感がありますが、色彩も大きく関与しているようです。
意外なことに、黒バックにするとギラギラ感が弱くなったり、
外周を黄色にすると紫にするのでは効果が大きく変わったりします。
それだけではありません。
単にコントラストだけなら、通常、コントラストの強さから、白黒のパターンが最も効果が強いように思えますが、
紫と黄とすることで効果に味わいが加わります。(三色にするともっと面白いかも知れません)
色彩の選択は、効果のスポイラーやエンハンサーになるだけでなく、一種の味わい情報となるようです。
これが、ただ刺激の強さを求めるのではない、作品化へのヒントのひとつのような気がします。
韓国の留学生に言われました。
「日本の激辛料理は辛いだけ。韓国の激辛料理には旨味がある」と。
これと同じでしょうか。
コントラストだけでは語れない。色の持つ不思議ですね。
網膜上で3原色を分担している3種類の細胞たちが、
別々の反応をしながら、右往左往している様子が、文字通り目に浮かびます。
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文字に潜む危険な罠
クールなデザインを求める多くのグラフィックデザイナーは、
読めないくらい小さな文字を好みます。なぜでしょう?
デザイナーのみなさんは、そのようにする動機を、どのように語るのでしょうか?
私としては、画像工学で言うところの、空間周波数で、説明がつくと思われます。
空間周波数というのは、2次元空間の場合、平面図形や画像に含まれる周波数成分のことで、
当然、大きな要素、太いエレメントなとは周波数が低く、ちいさいもの、細いものほど、
周波数が高いのです。また、ぼんやりした画像は周波数が低く、くっきりしていれば高いのです。
クールなデザインを求める多くのデザイナーは高い空間周波数を好むのではないでしょうか。
空間周波数を高くすれば、丸く、緩い、田舎っぽいデザインにはならず、
繊細で緊張感のある、クリアーなデザインになるからです。
サウンドでいうと、高域の伸びた澄んだ音ですね。
ちょうどそれは、Hi-Fiな音を求めるオーディオマニアが、ツイーターで高域の伸びを求めるのに似ています。
本来低音担当のベーシストが、ゴリゴリとしたブライトな音の成分を求めるのにも近いかも知れません。
グラフィックデザインで、この志向が問題なのは、小さい要素としてコントロールしやすい、
「本文」がその犠牲になる場合があることです。小さな文字の乱用による可読性の低下です。
音ならまだしも、文字には意味論的情報を伝達するための機能があります。
いくらそこに美的状態を作り上げても、情報が伝わらなくては意味がありません。
もしそれを実現したいなら、他の要素…罫線やドット等で行うべきではないでしょうか?
よりHi-Fiなデザインを求めるときには、十分気をつけたいものです。
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今日のお仕事は、東京ガスさまで写真撮影。
今日は西新宿のパークタワー2Fにある「フランス料理文化センター(FFCC)」で、今度私が描くワインコミックの打ち合わせと、記録用写真スナップ撮影でした。 (センター館長さまのご厚意でブログ掲載の許可をいただきました)
講習のあとで食べさせてもらったけれど、シンプルなレシピからの想像を、はるかに超える味でした。芸術は爆発…まではしなくても、圧倒的でなければいけないと思う私です。一般に料理はファインアートではないけれど、すでにアートと同等。その味にはとにかく圧倒されました。
三番目の写真の上のほうに伸びている糸状のものは、飴です
▼ご参考リンク
http://www.pourcel.jp/sensetsaveurs/ (ご注意:Webデザインは別デザイナー)
http://www.ffcc.jp/ (ご注意:Webデザインは別デザイナー)





















