文字に潜む危険な罠
クールなデザインを求める多くのグラフィックデザイナーは、
読めないくらい小さな文字を好みます。なぜでしょう?
デザイナーのみなさんは、そのようにする動機を、どのように語るのでしょうか?
私としては、画像工学で言うところの、空間周波数で、説明がつくと思われます。
空間周波数というのは、2次元空間の場合、平面図形や画像に含まれる周波数成分のことで、
当然、大きな要素、太いエレメントなとは周波数が低く、ちいさいもの、細いものほど、
周波数が高いのです。また、ぼんやりした画像は周波数が低く、くっきりしていれば高いのです。
クールなデザインを求める多くのデザイナーは高い空間周波数を好むのではないでしょうか。
空間周波数を高くすれば、丸く、緩い、田舎っぽいデザインにはならず、
繊細で緊張感のある、クリアーなデザインになるからです。
サウンドでいうと、高域の伸びた澄んだ音ですね。
ちょうどそれは、Hi-Fiな音を求めるオーディオマニアが、ツイーターで高域の伸びを求めるのに似ています。
本来低音担当のベーシストが、ゴリゴリとしたブライトな音の成分を求めるのにも近いかも知れません。
グラフィックデザインで、この志向が問題なのは、小さい要素としてコントロールしやすい、
「本文」がその犠牲になる場合があることです。小さな文字の乱用による可読性の低下です。
音ならまだしも、文字には意味論的情報を伝達するための機能があります。
いくらそこに美的状態を作り上げても、情報が伝わらなくては意味がありません。
もしそれを実現したいなら、他の要素…罫線やドット等で行うべきではないでしょうか?
よりHi-Fiなデザインを求めるときには、十分気をつけたいものです。
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