本日6限、第14講となる講義を行いました。今回は前回に続いて「第6章 社会調査をめぐる展望と課題」の第2回として、「社会調査による政策研究」をテーマに講義を行いました。

 私たちはなぜ研究をするのか。これは大変難しい問いですが、社会的な事象の実態や経緯を知り、そして「なぜ」という説明を試みることは、社会科学、とりわけ社会学分野の研究の基本的な動機です。その際になぜ経験的調査が意味を持ち、またそれが社会との接点で展開せざるを得ないことを、ギデンズの議論を参照しながら考えました。

 そして政策形成に資する政策研究のための社会調査はいかに展開するものなのか。「政策リサーチ」の視点に触れながら考えました。そのような社会調査の実際を、事例として今西がとりくむ研究の場合を紹介しました。学術論文を執筆する際の目標設定のレベル、それに伴う調査の戦略について考えるきっかけとしてもらえれば幸いです。受講者のみなさんがとりくむ卒業研究や演習での調査にも通じる話です。改めて研究と調査の関連について考えてみましょう。

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 次回は7月23日6限です。今年度最終講となります。同じく第6章の第3回、「市民の『権利』としての社会調査を」と題して講義を行います。

 

 本日3・4限、第14回となる演習を行いました。まず、第1回フィールドワークに関する打ち合わせを行いました。この間、二つの班に分かれて福島市と郡山市におけるパートナーシップの制度を活用した地域の再活性化について調査を進めています。今回はその進捗状況に関する報告・確認と、調査の足りていない事項についての検討を行いました。引き続き調査を進めるとともに、まとめを進捗するようにします。

 次に文献『地域・都市の社会学』第12章を取り上げての輪読を行いました。本章が最終章となります。その内容としては「いま・ここ」から都市の過去と未来をつなぐとりくみや、現代の都市を生きる私たちの考えるべきことについて話し合いました。過去の文脈を受け継ぎ、更新することの意味、あるいはそうして都市の創造性を育む必要と課題について考えました。最終章ということで、本書全体の振り返りも行いました。まとめとして書評の作成にもとりくみます。

 そして第2回フィールドワークに関する協議を行いました。現在、郊外住宅団地を人間の居る場所とするための研究・調査、そして実践を各種企画しています。そのために行う初歩的な調査のこと、日常的な居場所づくりに関すること、またイベントの実施について分担ごとに報告を行い、意見を出し合いました。これらのとりくみ、引き続き進めていきます。

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 次回は7月26日(金)3・4限です。今西の校務のため、火曜日から金曜日に日程を変更して行います。その内容は引き続き第1回・第2回フィールドワークに関する話し合い、卒業研究・修士論文の準備として夏季休業期間の研究計画に関する報告を行います。

 

 前回から今回にかけて、現在進行しているフィールドワークの現地調査を進めています。ついては本日4限、第13回となる演習については各班の自主的な活動としました。

 今回の時間を使って現地に出かけた班もありましたし、今後の調査に向けて演習室での話し合いを行う班もありました。今回、本来は「目に見えない問題は何か」と題して、収集した資料やデータ、既存の研究や政策などを元に考察を行う予定を立てていました。しかし、調査実施の段階と重なっていますので、各班、結果を持ち帰ってよく考察を行えるようにしておきましょう。

 次回の際にはそのための話し合いの時間を設ける予定です。そして、現地調査のアウトプット作成も進めていきます。

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 その次回は7月18日4限です。次回は演習室に全員集まっての活動となります。

 

 本日6限、第13講となる講義を行いました。今年度の講義も残すところ今回を含めて3回となりました。この3回は現代社会における社会調査の実践について具体的に知るとともに、今後の社会調査をめぐる展望と課題を考えていきたいと思います。

 その第1回となる今回は「社会調査による政策形成」と題して、福島県企画調整部統計課のご協力をいただき、自治体政策形成の現場における統計・調査業務の実際に関する講義を聴講しました。昨日ご出講いただいた昼間の講義を録画、視聴させていただくことにしたものです。

 統計課からは業務の概論となる「統計の役割と業務について」、具体の調査事例として「令和5年住宅・土地統計調査について」の二つを順番に説明していただきました。この間の講義で学修した社会調査の実際の実施の様子や、その政策形成の根拠としての活用のあり方など、大変興味深いお話をうかがうことができました。

 自治体の仕事として統計・調査業務があること自体、受講者のみなさんには新鮮に受け止められたように思います。政策形成のための統計・調査の活用は今後さらに展開する分野だと思います。現実的な課題として、さらに学んでいきましょう。

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 次回は7月16日6限です。内容は今回に引き続き、社会調査をめぐる展望と課題の第2回として、社会調査による政策研究について事例を交えて考えます。

 

 本日3・4限、第13回となる演習を行いました。

 まず文献『地域・都市の社会学』第11章を取り上げての輪読を行いました。この章では「個人化」する社会との向き合い方、そうした社会での多様性を尊重した生き方の条件について考えています。個人化は私たちの日常に浸透していますし、「孤立化」も現代に生きる上では当たり前のことになりつつあります。この現実に対して地域社会ができることは何か、優れて「まちづくり」課題であると思います。自分事として考えていきましょう。

 次に第1回フィールドワークに関する検討を行いました。地域社会の衰退化・希薄化に対して、行政によるパートナーシップ型の支援制度を活用した再活性化について考えています。県内2市での事例研究を進めていますが、その進行に伴って研究の枠組みの見直しや、追加調査の必要が生じています。今回はそうした研究上の課題の検討を行うとともに、まとめとなるフィールドノートの執筆に向けた打ち合わせを進めました。

 そして第2回フィールドワークについて話し合いました。こちらのフィールドワークでは福島市蓬莱団地を中心事例として、実践も交えた中心商業施設のあり方、居場所づくりといった内容を研究していきます。このため、現在は三つの分担に分かれて企画と実践に向けた準備を進めています。今回はそれぞれの内容について報告を聞き、進捗を図るための話し合いを行いました。

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 次回は7月16日3・4限です。内容は文献第12章を取り上げての輪読、第2回フィールドワークに関する検討の二つを予定しています。