本日6・7限、第12回となる演習を行いました。

 まず前半は文献『ニッポンの数字』第4章を取り上げての輪読を行いました。この章ではわが国を取り巻く防衛・安全保障について各種データを取り上げて説明しています。漠然とした他国との緊張関係のイメージを、具体的に考えることができたと思います。話し合いでは経済規模と軍事費との関連、今日の「危機」を特徴的に表す数字は何かといった論点について考えました。

 後半は進行している共同研究に関して、各自、統計データについて掘り下げて考えたり、その先の調査企画についてのアイデアを持ち寄ったりしました。この共同研究では現在、公務員における男女の賃金格差について関心を持って見ています。今回は関連する統計から言えることを話し合った後、その原因に立ち入って調査するべく、次の課題を設定しました。次回、具体的な調査活動に移行できるよう、さらに話し合います。

  *  *  *

 その次回は7月22日6・7限です。内容は文献第5章を取り上げての輪読、共同研究の特に調査企画に関する話し合いを予定しています。

 

 本日3限、第13講となる講義を行いました。今年度の講義も残すところ今回を含めて3回となりました。この3回は現代社会における社会調査の実践について具体的に知るとともに、今後の社会調査をめぐる展望と課題を考えていきたいと思います。

 その第1回となる今回は「社会調査による政策形成」と題して、福島県企画調整部統計課のご協力をいただき、自治体政策形成の現場における統計・調査業務の実際について講義を行っていただきました。

 

 

 冒頭、今西から社会調査の実践の舞台としての政策形成の考え方について、概略の説明を行いました。その後、統計課の業務の概論となる「統計の役割と業務について」、具体の調査事例として「令和5年住宅・土地統計調査について」の二つを順番に説明していただきました。この間の講義で学修した社会調査の実際の実施の様子や、その政策形成の根拠としての活用のあり方など、大変興味深いお話をうかがうことができました。

 質疑応答では国の基幹統計調査の実施におけるインターネット回答に関すること、国勢調査実施の際にかかる費用のことなど、講義内容を深めるやりとりがありました。自治体の仕事として統計・調査業務があること自体、受講者のみなさんには新鮮に受け止められたように思います。政策形成のための統計・調査の活用は今後さらに展開する分野だと思います。現実的な課題として、さらに学んでいきましょう。

 今回の講義のためにご準備、ご出講をいただきました統計課のみなさまには心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

  *  *  *

 次回は7月22日3限です。内容は今回に引き続き、社会調査をめぐる展望と課題の第2回として、社会調査による政策研究について事例を交えて考えます。

 

 本日4限、第12回となる演習を行いました。

 現在、テーマである「安全・安心と地域社会」を考える現地調査を進行しています。四つの班に分かれて活動していますが、その現地調査では当事者の声を聞く機会を設けてもらうようにしています。今回は前回に続いて、その取材を含めた企画の検討を中心に、班ごとの話し合いを進めました。

 計画では再来週(7月18日)の演習までを目標として、取材に出かける予定です。取材自体が目的ではなく、最終的なアウトプットに向けて考察を深めるための材料とします。他の資料やデータも用いながら、各班のテーマについて詳しく考えていきましょう。

 今回はそのアウトプットの形式、最後の発表の日程も確認しました。

  *  *  *

 次回は7月11日4限です。予定している内容は調査した内容の読み解きとなりますが、今週から再来週にかけて現地調査に出向くことになりますので、次回は各班の自主的な活動となる見込みです。

 

 本日午前10時より、第10・11講となる講義を行いました。今回は前半・後半とも文献『基礎からわかる社会学研究法』を取り上げての輪読を行いました。

 まず前半は同書第8章を取り上げました。資料調査に関して、社会的な背景を意識した先行研究の読み方、論じ方について検討しています。まず、先行研究の調べ方が話題となりました。今日ではインターネット検索がその入口となっていますが、一つのテーマであっても研究は多くの分野に広がっています。工夫、訓練を重ねましょう。そして先行研究を読み解くためには、その研究や研究者を取り巻く時代について考えてみる必要があります。すると現代に至る研究の論じ方も豊かになるはずです。

 後半は第9章を取り上げました。この章からは量的調査について取り上げています。その最初となる章であり、内容としては調査票調査の基礎について概説しています。その一連の過程の基本を押さえながら、分析に資するデータの獲得や、分析の視点の鍛錬にとりくみましょう。

  *  *  *

 次回は7月18日午前10時より行います。前半は文献第10章を取り上げての輪読です。後半は修士論文における社会調査のとりくみとして、先行研究のレビューと研究の位置づけについて報告を聞きます。今回の前半の内容も意識して考えましょう。

 

 本日6限、第12講となる講義を行いました。前回で第5章までの内容が終わりました。社会調査の目的・意義・課題・歴史から始まり、概念の定義や仮説、そして量的調査と質的調査について学修してきました。以上の内容が一段落したところで、今回は振り返りを行いました。

 まず講義形式でそれらの内容を確認しました。特に社会調査の設計・実施の全般に関わって、思考実験と社会調査、概念の操作化、各種調査方法の特性といった内容について、よく見直しておきましょう。

 そして後半は学修内容の理解を確認するため、小テストを行いました。テストを通じて、理解が足りていなかった個所が見えてきたことと思います。復習の指針としてもらえると幸いです。

  *  *  *

 次回は7月9日6限です。次回から残り3回は「第6章 社会調査をめぐる展望と課題」と題して、現代社会における社会調査の実践について、トピックスを設定して学修します。まず次回は外部講師による自治体における統計調査業務の実際についてお話を、動画で視聴します(前日の昼間の講義にご出講いただく内容を録画して視聴します)。