本日6限、第14講となる講義を行いました。今回は前回に続いて「第6章 社会調査をめぐる展望と課題」の第2回として、「社会調査による政策研究」をテーマに講義を行いました。

 私たちはなぜ研究をするのか。これは大変難しい問いですが、社会的な事象の実態や経緯を知り、そして「なぜ」という説明を試みることは、社会科学、とりわけ社会学分野の研究の基本的な動機です。その際になぜ経験的調査が意味を持ち、またそれが社会との接点で展開せざるを得ないことを、ギデンズの議論を参照しながら考えました。

 そして政策形成に資する政策研究のための社会調査はいかに展開するものなのか。「政策リサーチ」の視点に触れながら考えました。そのような社会調査の実際を、事例として今西がとりくむ研究の場合を紹介しました。学術論文を執筆する際の目標設定のレベル、それに伴う調査の戦略について考えるきっかけとしてもらえれば幸いです。受講者のみなさんがとりくむ卒業研究や演習での調査にも通じる話です。改めて研究と調査の関連について考えてみましょう。

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 次回は7月23日6限です。今年度最終講となります。同じく第6章の第3回、「市民の『権利』としての社会調査を」と題して講義を行います。