【就業規則シリーズ】第8回 ~『休職者への対応』~ | 社労士IMALUのブログ

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今回も【就業規則】シリーズをお送りします。

今回で【就業規則】の記載内容第8回目となります。今回は、『休職者への対応』についてご説明してまいります。

近年、休職者が特に増えてきています。特に増加しているのが、メンタルヘルス特に“うつ病”で休職するケースは、増加の一途をたどっており、会社として何らかの対策を打たざるを得ない状況になってきています。

 

対策としては、産業医との連携による予防対策や長時間勤務対策等が重要でありますし、これらの対策を打たないと根本解決には至らないケースがほとんどです。

 しかし、中小企業でこれらの予防対策をうてる余裕のある会社は少数であり、多くの中小企業では、『休職を繰り返す社員への対応をどのようにすればいいか・・・』ということに頭を悩まされているケースが多いようです。

「従業員がいきなりうつ病の診断書を持ってきた。どうしたらいい?」

最近、このような相談が増えています。

少し前までは、システム会社等のIT系企業に多く発生していましたが、最近は、業種関係なく、飲食業・建設業・製造業・・・どんな業種にも、確実に増加しています。

それは、会社規模にも関係なく増加しています。

従業員が診断書を持ってきた場合に戸惑うことのないように、まずは最低限の準備をしておくことをおすすめします。

その最優先準備が、【就業規則】の整備、具体的には「休職」規定の整備です。

「休職」とは、社員が病気等で働けないときに、会社が一定の休職期間を与えて、その期間は治療に専念してもらう。そして、病気が完治した時点で、職場に復帰してもらうためのまさに社員のために規定です。

しかし、会社が定めた休職期間内に完治せず、復職できなければ、自動的に退職となることもルールとして定める会社のための規定でもあります。

休職規定で重要なことは、

どのような場合に休職とするか

休職中の取り扱いをどうするのか

復職する際にはどのような手続をおこなうか

復職できない場合は自動的に退職する

ことを具体的に定めることが重要です。

特に、「休職にするとき」と「復職するとき」のルールが非常に重要です。

この入口と出口のルールを明確に定めることにより、会社も社員も安心することができますし、無用なトラブルを予防することができます。

【休職規定】策定の際のポイント

休職については【会社が発令する】というスタンスが重要です。

休職期間を明記(勤続年数に応じて・・・)

休職命令発令日をいつにするか

(有給休暇を消化して、その後、欠勤が○日続いたら休職を発令する・・・等)

休職命令を発令する基準の明記

(主治医や専門医に状況確認を行う・・・等)

復職の判断基準を明確にする

復職後の労働条件変更の可能性を明記する

復職したが再び休み始めたとき(再休職)の場合の休職期間通算規定を明記

などがあげられます。

就業規則規定例

(休職)

第○○条

1 従業員が私傷病等により欠勤し、30日を経過しても就労できないときは休職と

する。

2 休職期間中は無給とする。

3 休職期間は勤続年数の区分により次のとおりとする。

勤続年数     休職期間

1年未満       6カ月

1年以上3年未満    1年

3年以上      1年6カ月

4 前項に関わらず会社は必要と認める場合は休職期間を延長することがある。

5 休職者が復職し、再度、休職する場合は前後の休職期間を通算する。

6 休職期間が満了して、なお復職できない場合は休職期間満了をもって自然退職とする。

7 なお会社は私傷病の疑いがあり、または私傷病が完治していないため業務の

遂行が完全にできないと認められるときは、休職を命じることがある。社員はこの命令を拒むことはできない。