2013年初めてのブログになります。今年もよろしくお願いします。
今年も【就業規則】シリーズをお送りする予定にしておりますので、昨年に引き続きご愛読よろしくお願い申し上げます。
今年第1回目も、前回に引き続き、『有給休暇』についてご説明してまいります。
多くの会社では、有給休暇は取得しきれず、たまっている状態だと思われます。
そのため、未消化の年次有給休暇を多く抱えた社員が退職することになった場合に、その社員から
『会社を辞めるまでに年次有給休暇を全部取りたい』
と言われるケースが非常に多く発生しています。
結論から申し上げると・・・。
このような場合に、基本的に会社は有給休暇取得を拒否することはできません。
また、引継ぎの必要性から、どうしても退職日の前の何日かは出社してもらわなければ困ると思っても、退職までの日数が限られている場合には、【時季変更権】を行使することもできないのです。
これらの対策には、日頃からの年次有給休暇の消化促進をはかる必要がありますが、なかなかうまくいかないようです。
そのためには、就業規則の規定を工夫する必要があります。
多くの会社の就業規則では、以下のような就業規則になっています。
(年次有給休暇)
1 各年次ごとに所定労働日の8割以上出勤した従業員に対しては、次の表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える。
―中略―
6 当該年度に新たに付与した年次有給休暇の全部又は一部を取得しなかった場合には、その残日数は翌年度に繰り越される。
このような単純な規定では、毎年の繰り越し分がどんどんたまってしまいます。
まずは、労基法の規定による【計画付与】の制度を活用し、年次有給休暇の消化を促進します。この制度では、社員のリフレッシュをはかる効果も期待できますので、是非、年次有給休暇をまとめて付与する期間を設定しましょう。
就業規則の規定は、以下のように変更します。
就業規則規定例①
(年次有給休暇)
1 6か月以上継続勤務し、全労働日の8割以上勤務した者には継続または分割した年次有給休暇を下表のとおり与える。
―中略―
4 年次有給休暇は、付与された年度の次年度に限り繰り越すことができる。
―中略―
7 第1項の規定にかかわらず、5日を超える分については労働基準法第39条第5項の規定に基づく労使協定により、あらかじめ時季を指定して与えることができる。
また、労基法では、年次有給休暇請求にあたり、当年度発生分と前年度からのいわゆる【繰越し年休】と、どちらを先に消化するかという点についてのルールは定められていません。
そこで、就業規則で、どちらを先に消化してゆくか定めておくことによって、繰り越し日数を削減することもできます。
就業規則規定例②
(年次有給休暇の取得)
―中略―
3 年次有給休暇の消化の順番は、まず今年度の有給休暇日数から消化した後、その残日数が無くなった場合は前年度から繰り越された日数を消化するものとする。
以上