今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba -4541ページ目

Sun 080713 福岡・西新講演会 マルペンサへ

 福岡・西新で講演会があって、午後1時半のJALで福岡に向かった。日曜日の午後の飛行機は混雑している。私の席は「クラスJ」である。これが非常に曖昧な座席であって、JALとしてはおそらくビジネスクラスのつもりなのだが、乗っている客の側から見れば決してそうは思えない。紙コップで出される飲み物、狭いシート、要するに普通の席とほとんど変わらない。1000円プラスしただけで乗れるのだからこの程度なのも仕方がないのかもしれないが、ANAのスーパーシートとは比較にならない。


 それでもクラスJに座るのは、会社のロジスティックスでこれを予約してしまうからで、私としては満席状態のクラスJなんかよりも、ガラガラのことが多い後方の普通席のほうが好きである。何と言っても滑稽なのは座席のリクライニング。背もたれを倒すと、座席も同じ角度で上に持ち上がる。つまり座っている腰の角度は全く変わらないで、体全体が天井を向くだけなのである。まあ、福岡までたった1時間半である。わがままを言っているより、リクライニングを倒して、直角のまま天井を向いて、紙コップにペットボトルからザブッと注がれた伊右衛門を飲んで、隣の席のオジサンとひじ掛けを巡って冷戦を繰り広げ、15時福岡空港着。


 講演会場は西南学院大学、出席者270名。主催していただいた英進館・西新校の皆さんの迫力ある運営に大いに感謝する。音響・空調などにも細心の注意を払っていただけたし、真夏の夕陽をいっぱいに浴びながら長時間にわたり路上で参加者の案内にあたってくれた大学生諸君の協力にも感謝しなければならない。予定の90分を10分ほどオーバーしてしまったが、それは出席者の反応がいつも以上によかったからである。

 
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 「初めて東進を経験する」という出席者も73名参加。そのうち68名が何らかの申し込みを済ませて帰った。約95%。いつものことながらキチンと結果を出される英進館の皆さんの努力に頭が下がる。20時には講演会に関する全てが終了して、社員の皆さんとの懇親会へ。大成功の講演会で、しかもしっかり結果も出していただいた後の酒は旨い。「竃(かまど)」というオシャレ系の創作料理屋で2時間ほど盛り上がった。幹部の方々の他、裏方を務めた九州大学の学部生(文学部と工学部の男子)も2名同席し、学部での専攻の話などを聞いて楽しく酒が進んだ。23時、宿泊先のホテル日航福岡に戻る。
 

 というわけで、今日はネコたちに会えないけれども、昼前に家を出るときにナデシコどんはちょっと目を覚まして「おや、お出かけですか、お空を飛んでいらっしゃる。ほお。ではお気をつけて」と手を振ってくれた。

 
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 さて、2008年5月のイタリア旅行は最終日の記録に移る。高級レストランでワインを大量に飲んで、クマはヨダレを垂らしながら眠ってしまったが、まだ帰りの荷造りにも手を付けていない。そろそろ起こさないと、飛行機に乗れなくなってしまうだろう。起床10時。まず第1に、コモの山で買った例のフクロウ(Wed080709参照)とベラッジョで買ったニワトリ(Thu080710参照)とを丁寧に紙袋でくるみ、靴を入れてきた箱に入れてからスーツケースにしまう。大事なものはこれだけである。残りはシャツと下着と靴下と、要するに丸めて力ずくで意地でも押し込めば済むものばかりである。日本から持参したカップ麺・スナック菓子類・大量のティーパックなどは、ほぼ食い尽くし、ほぼ飲み尽くしたから、スーツケースの容積には十分な余裕がある。中身が動いて少しゴソゴソ言うが、旅行もこれで終わりである。少しぐらいゴソゴソ言わせてやらないと、スーツケースだって寂しいだろう。
 

 正午チェックアウト。呼んでもらったタクシーで私鉄ノルド鉄道の駅に向かう。昨日までの大雨は嘘のように上がって、街は新鮮な初夏の光に満ちている。ただし再びポプラの種の白い綿毛が舞い始め、しかもそれが雨の降る前よりもさらに多くなっている。今度の旅は、ポプラの綿毛と、鉄道沿線にどこまでも群生していたポピーのような真っ赤な花、この2つの記憶に支配されることになりそうだ。

 
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 ミラノ・カドルナ駅からマルペンサエキスプレスに乗って空港へ。写真は、上から順にノルド鉄道、マルペンサエキスプレス、駅で買ったフリザンテ。日本で売られているイタリア語の解説書や旅行案内書では、炭酸水=「ガッサータ」となっているものがほとんどだが、イタリア人はむしろ「フリザンテ」と呼ぶようである。この写真のフリザンテは、今までイタリアで飲んだどのフリザンテより炭酸の量が多くて旨かった。中途半端な弱炭酸の(しかも生温い)ミネラルウォーターに飽きた頃だったし、久しぶりに気温の上がった日だったので、喉が痺れるような強い炭酸が嬉しかった。
 

 マルペンサ空港着、午後2時半。飛行機の離陸は夜9時。こりゃ、てーへんだ。どうすべえ。どうすっぺ。6時間ったら、あんた。ううぉ。去年もマルペンサ空港でまるまる4時間、口を開けて座っていたことがある。7時半にホテルのマイクロバスで空港に到着してしまい、「チェックインは11時だ」とアリタリアのお姉さんに冷たくあしらわれ、空港のベンチでむなしく時を過ごした。うーん。せっかくの旅の締めくくりに、あれをまた繰り返すのはイヤである。
 

 と、いうわけで、酒を飲むことになった。日本のクマを侮ってはいけない。昨夜「高級レストラン」で飲んだ赤ワインが、まだ胃の中で踊り、小腸の中でうねり、大腸の中で身を捩らせてはいても、それでもそこに酒があれば果敢に挑み、決して逃げない。これこそクマとしてのプライドである。幸い空港の最上階に1軒だけ、マトモなレストランを発見。今の疲労度と二日酔い度から考えて、フードコートみたいな場所ではちょっときついかと思ったが、ここならOKというきれいな店だった。注文したのは大好きなミラノ風リゾットと大好きなロゼワイン1本。昨日と違ってリゾットはリゾットとして妙な豚肉料理なしで出てきてくれたし(Sat080712参照)、汗をかいた後のロゼワインも旨かった。店に入ったのが3時過ぎ、ワイン1本目が空になったのが3時半過ぎ。おお。絶好調である。ウェイトレスのお姉さんと目が合って、中年男らしくニヤニヤ笑い、ついでだから指を1本立て、その指で空の瓶を指差して「アンコーラ ウナ ディ クウェスト」と言ってみた。もちろん「もう1本」である。旅の締めくくりは、こうでなくてはならない。


1E(Cd) Patti Austin:JUKEBOX DREAMS
2E(Cd) Hilary Hahn:BACH/PARTITAS Nos.2&3 SONATA No.3
3E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 1/2
4E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE 2/2
5E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 1/2
6E(Cd) Lucy van Dael:BACH/SONATAS FOR VIOLIN AND HARPSICHORD 1/2
7E(Cd) Thalia:THALIA
10D(DvMv) A FAREWELL TO ARMS
13D(DvMv) IN COLD BLOOD
total m171 y511 d511