Sun 211121 化野念仏寺/昔流行した「ONもOFFも」/平野屋でイノシシ 4128回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 211121 化野念仏寺/昔流行した「ONもOFFも」/平野屋でイノシシ 4128回

 京都での4連泊のお仕事は滞りなく終わったのに、今井君にはちっとも帰京する気配がない。ちゃっかりトロッコ列車の旅を楽しみ、保津峡の絶景を満喫、そのまま嵯峨野をぶらついている。そりゃそうだ。せっかく11月中旬の京都にいるのに、「一刻も早く」といそいそ東京に帰らなきゃいけない理由はない。

 

「1日1観光」と意気込んでも、さすがに毎日夕暮れから公開授業が待ち受けているんだから、とても観光に集中するわけにはいかない。万が一観光のほうに集中しちゃったりすれば、当然「本末転倒」のソシリを免れない。

 

 しかし諸君、1112日は完全にお休みだ。朝から晩まで全く仕事がない。これで観光に集中できないとすれば、それこそ仕事ばかりのジャックを同じで、今度は「退屈ダメ&ダメ男」のソシリが降ってくる。

 (紅葉の季節を迎えた鳥居本「平野屋」。1年ぶりの訪問だ)

 

 むかしむかし、書店に並ぶつまらんビジネス書なんかには、必ず「ONも熱心に、しかしOFFはもっと熱心に」の一章があり、「どうしてアンタがそんなに偉そうに書くの?」と突っ込みたくなるほど、「OFFに熱意を持てないビジネスマンは2流」と決めつけたものだった。

 

 今井君は別に偉いビジネスマンなんかではないが、OFFへの熱意は決して人後に落ちない。というか、もともと今井君はOFFばかり、「そもそもONというマジメナものがあるのかどうか」について、他人に指摘されるまでもなく、自分自身ホントにあやふやになりそうだ。

 

 ワタクシについて「ワーカホリック」と断ずる友人&知人も少なくないが、いやはやどうしてそんな判断になるのか、さっぱり分からない。「では今井以上に熱意を込めてOFFを満喫している人が、この世のどこかに存在するのか?」と真顔で問い返したいほどである。

       (化野念仏寺、11月12日 1)

 

 というわけで1112日のワタクシは、10時過ぎにトロッコ嵯峨の駅前に戻るや、落柿舎から順番に嵯峨野散策を開始。混雑情報が出ていた祇王寺を避けて、化野念仏寺に向かった。

 

 普通は「賽の河原」と書くが、化野念仏寺では「西院の河原」の字があてられる。「西院」と書いて「さい」と読む事情については、ワタクシのブログ記事「Wed 180117 西院と書いて「さい」/サイのこと/京都の大盛況(関西満腹旅1)」を参照していただきたい。

       (化野念仏寺、11月12日 2)

 

 もう3年も4年も前の記事であるが、いやはや、なかなか中身の充実した記事でござるよ。すでに14年書き続けてきたこのブログの中でも、出色の出来栄えと言っていい。ぜひ一読をお勧めする。

 

 もちろん「西院の河原」の写真撮影は遠慮しなければならないが、化野念仏寺はカエデの紅葉でも有名。お寺の背後には美しい竹林があり、野々宮神社付近とは違って観光客も多くないから、静かに竹林で風の音を楽しむにはこちらの方がいい。

 

 ただ、つい数年前までは竹林の向こうにカエデの林が続いていたのに、おやおやいつの間にか真新しい墓地が完成。墓地のずっと向こう側にちらほら赤くモミジが望めるが、あくまで墓地越しの眺望で我慢しなければならない。

      (化野念仏寺、11月12日 3)

 

 たいていの観光客は嵯峨野の散策を野々宮神社から始め、竹林・大河内山荘・常寂光寺・二尊院・祇王寺ときて、化野で夕暮れを迎える。化野から先まで足を伸ばす人はそれほど多くないだろう。

 

 しかし諸君、ワタクシにはどうしても化野の先まで緩い坂道を登っていかなければならない訳があって、それが老舗の鮎の店「あゆよろし 平野屋」である。もちろん平野屋のまだ向こうにも「愛宕念仏寺」があり、「火之要慎」のお札で有名な「火除地蔵菩薩」がいらっしゃる。

 (京都「平野屋」、まずはきな粉たっぷりのシンコが出る)

 

 愛宕と書いて「おたぎ」。三島由紀夫「青の時代」の重要登場人物に「愛宕」がいて、三島は「愛宕」にわざわざ「おたぎ」とルビをふっている。うにゃにゃ、さすがは三島どん、こういうところに念が入っている

 

 ワタクシは201810月に愛宕念仏寺を訪問している。下の3つの記事、特に一番下の記事には、愛宕念仏寺のコワい写真をたくさん掲載しておいた

Wed 181114 京都すみずみを開始/京都で320名の大盛況(京都すみずみ1)3753回

Thu 181220 この世とあの世を行ったり来たり/小野篁と幽霊飴(京都すみずみ4)3774回

Fri 181221 しょんぼり/風邪でまたしょんぼり/愛宕念仏寺(京都すみずみ5)3775回

 

  (平野屋、山菜の盛り合わせ。箸を「二本棒」と呼ぶ)

 

 しかし諸君、化野念仏寺から緩やかに登った坂道は、鳥居本の「平野屋」から急激に斜度を増し、平野屋から愛宕念仏寺までは「登山」というか「ほぼ登山」というか、なかなか険しい登り坂だ。怠け者の今井君は、だいたいいつでも平野屋で足を止め、ここで鮎かイノシシを貪って嵯峨野散策を締めくくる。

 

 ただし諸君、愛宕念仏寺のホームページには、「とりあえず一気にタクシーかバスで愛宕まで来てくんろ」「愛宕から化野 → 祇王寺 → 竹林 → 天龍寺 → 渡月橋のルートなら、全ルートらくちんの下り坂です♡」と、嵯峨野観光についてのコペルニクス的転回を示している。 

(さすが「あゆよろし」平野屋、11月の名残の鮎が刺身で出た)

 

 ま、いいじゃないか。今井君はやっぱり山道よりイノシシがいい。事前に電話で頼みこんで個室を確保、すっかりお馴染みになったお店のオネーサマが「今年初めてお客様にお出しします」とニッコリしてくれたイノシシ肉も確保した。

 

 おお、これで今回の京都シリーズは、9日が「大傳梅梅」の中華料理、10日が「松山閣松山」の本家生湯葉料理、11日が「平八茶屋」の名物とろろめし、そして12日が平野屋でイノシシ。うひょ、間違いなくONの公開授業4回も大奮闘したし、OFFのランチも1つの手抜かりもない。

(嬉しそうに「今年初めてイノシシを出します」と言われれば、ワタクシの鼻もグイッと高くなる)

 

 ビジネス誌の若いライター諸君、この半世紀にわたって使い古された「ONOFFもどちらも充実」なんてのは、世界の末端にいるこのサトイモでさえ当たり前になっちゃったのだ。コピーライターの皆様も、CM プランナーの皆様も、もうこのカテゴリーとコンセプトは諦めた方がいい。

 

 しかも驚いたことに、今井君はこのイノシシ鍋の直後に大阪に移動。大阪梅田駅前のお馴染みインターコンチネンタルホテルに向かう。だって翌日13日は、大阪・日本橋「国立文楽劇場」で朝11時から夕暮れ5時まで人形浄瑠璃を満喫する予定。これほどのOFFの充実ぶり、マネできる人がいるんだろうか?

   (平野屋イノシシ、おいしゅーございました) 

 

1E(Cd) Solti & ChicagoMAHLERSYMPHONY No.1

2E(Cd) Solti & ChicagoMAHLERSYMPHONY No.4

3E(Cd) Solti & ChicagoMAHLERSYMPHONY No.5

4E(Cd) LeinsdorfMAHLERSYMPHONY No.6

total m82 y1045  dd26885