2022年9月。自閉スペクトラムの大学生息子との親子旅で、むかし家族で暮らした

ドイツを拠点にヨーロッパ旅行をしました。

 

息子自身が本人の【自己受容】を深めるために、幼少期の思い出をたどってみたいと言い出し、なら家族旅行でと計画したものの、
コロナ禍のせいで2年半延期を余儀なくされていましたが、ようやく出発できました。

 

当時の思い出を振り返るとともに

この数年で激変してしまった世界を

自閉症スペクトラムの息子の目線で

どう感じたのかも交えて綴る旅行記です。

 

【ADS親子旅行記2022.9・過去記事】

【1】海外で自閉症スペクトラム児を育てた思い出を振り返る旅①

 

【2】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅② ドイツのマスク事情

 

【3】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅③現地幼稚園クビ事件

 

【4】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅④ 孤軍奮闘だった当時の子育てを思い出す

 

【5】ASD息子との欧州旅行記⑤ハンブルグ日本人学校へ

 

【6】ASD息子との欧州旅行記⑥ハンブルク郊外の森へ

 

【7】 ASD息子との欧州旅行記⑦元園長先生とハンブルク市内の思い出の場所を散歩

 

【8】ASD息子との欧州旅行記⑧ トラブル続きの海外旅行。イレギュラーが苦手な息子は…

 

 

 

  トラブル続きの旅行の最後。
トドメを刺されるかのように帰国便もキャンセルになる。

 

一つ前の記事【トラブル続きの欧州旅行記⑧トラブル続きで、イレギュラーが苦手な息子は…】 の続きです。

 

飛行機キャンセルにふりまわされた

今回のヨーロッパ親子旅。

 

これまでの長い人生、もちろん

過去には何度か欠航にあった経験はありますが、

それにしても、一度の旅行で

こんなに重なるなんていうのは

はじめてのことでした。

 

コロナ禍の影響をもろに受け、

従業員の人員削減や便数調整などで

乗り切っていた航空業界が、

 

ようやくコロナ禍の規制が緩和されて

三年ぶりのバカンスをと急に

ヨーロッパ中の人たちが移動し始めて

縮小していた空港や航空会社の

現在のキャパを超えて、

混乱していたのかもしれません。

 

息子にも、コロナ禍のはさんで

以前の感覚が通用しない、

欠航なども増えてるらしい…と

その可能性は事前に話し、

 

でも、取り越し苦労していては

楽しめないから、心配しすぎず

何かあればその時に最善策を考えよう、と

話していました。

 

でも、ここまで続くとは想定外でした。

本当に、大変でした…

 

 

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帰国予定の2日前。

荷造りもだいたい終えて

ドイツでの最後の時間を楽しんでいるときに

 

エールフランス航空からの

キャンセルのお知らせメールが届きました。

 

パリ・シャルルドゴール空港の

管制官のストの影響で

予約していたハンブルクからパリ経由

関空行きが欠航になるので

 

オランダのアムステルダム経由便で

振替便を手配します、と。

 

ただし、アムステルダム発の関西空港便は

直行便ではなく、給油のために

ソウル経由になるります、 とのこと。

 

不服なら、自力で別のルートを探し

カスタマーセンターにその旨を連絡してもよい

とのことでしたが、

 

息子の意見を聞いてみると、

アムステルダム経由でよいというので

航空会社が手配してくれた代替便で

帰国することにしました。

 

 

  帰りはハプニングなく無事に帰国。

 

この便まで欠航になったらどうしようと

心配していましたが、

 

ハンブルグ空港で、無事に関西空港までの搭乗券をゲットし、

荷物も預けることができました。

 

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とはいえ、ローマ行きのときは、

この後でキャンセルになりましたから

油断できません…。

 

でも、無事に定刻出発してくれて

まずはハンブルクからアムステルダムへ。

 

スキポール空港へ到着すると、

KLMオランダ航空機がズラズラと並んでしました。

 


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アムステルダムでの乗り継ぎ時間は5時間もありましたが。

広々とした空港内でノンビリすごして待ちました。

 

搭乗直前のキャンセルもなく

(ちょっとトラウマになっています)

無事に飛行機に乗り込んで、

ほっとした顔の息子は

 

「時間がかかっても、

ソウルを経由するにしても

ここから飛行機に乗れば

間違いなく日本に帰れるし、

ここまできたらもう大丈夫だよな」

 

と、笑顔になっていました。

 

3回目の欠航の憂き目に遭った息子は

前の2回のとんでもないピンチに比べたら

今回はぜんぜん余裕…という感じになっていて、

 

経験が人を強くし

成長させるんだなぁ…

 

と、つくづく思いました。

 

 

 

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行きのエールフランスの関空からパリ便は

アラスカから北極海を抜けるルートでしたが、

 

帰りのKLMオランダ航空は、カザフスタンから

中央アジア、中国上空を通るルートのようです。

 

ロシア上空を飛べないため

以前より3時間程度長いフライトで、

疲れました…

 

 

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ようやくソウル・仁川空港に到着。

ここでいったん飛行機を降り、

パスポートコントロールと

手荷物検査をし直して

ふたたび同じ飛行機がとまっているゲートへ。

 

アムステルダムと同じ水色の機体が

ずらりと並んでいる光景にソウルを感じつつ

約1時間半程度のトランジットののち

 

空席だらけ(ソウルで7割ぐらいが降りたようで)

の飛行機は関空へと飛び立ち、

私たち親子も無事に帰国することができました。

 

 

  旅行中にどんどん強くなっていった息子。

 

今回の旅行は、

幼いころの思い出をふりかえりながら

自分なりのビフォー・アフターを実感してみたいと

いう息子の望みどおり、

 

その場所を訪れることで記憶が鮮明に思い出せたり

当時お世話になった先生に会ったり、

懐かしい料理やお菓子を食べて記憶がよみがえりながら

 

本帰国後、特に思春期はかなりつらい思いをしてきた

息子にとっては、苦労を乗り越えた先の

ごほうび旅行のような気分にもなれたようでした。

 

さらに、

飛行機の相次ぐ欠航トラブルを

乗り切る過程で

メンタル面でも

ずいぶんと成長

したように見えました。

 

 

今でも、予定どおりに物事がすすまないと

精神的に苦しくなるという息子ですが、

これだけのイレギュラーを

冷静に乗り越えないと、と

コントロールしている様子が見れて

 

本当に成長したなぁと思いました。

 

15年ほどまえ、

ドイツで暮らしていた頃のわたしは、

自閉症スペクトラムと診断されたばかりの

幼い息子をかかえて、

不安で夜も眠れない毎日でしたが、

 

息子の特性とありのまま向き合い、

得意なことは伸ばし、

苦手なことはボチボチと

そうやって積み重ねた年月のさきに

 

それなりにちゃんとした大人

に成長してくれて、

 

そんなビフォー・アフターを

見届けることもできて

今回のヨーロッパ親子旅は

本当に良い機会になったな、とおもいました。

 

 

 

 

 

長々と記してきたヨーロッパ親子旅行記は

ここで一旦おわります。

あと少し、まだ書ききれていない小ネタが

残っているので

もしかしたら番外編として、今後もたまに

投稿するかもしれませんが…。

 

 

 

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