海外旅行にトラブルはつきもの。とはいえ今回はひどすぎた。
旅行中予定していたフライト6便中、4便がキャンセルに。

 

 

    

2022年9月。自閉スペクトラムの大学生息子との親子旅で、むかし家族で暮らした

ドイツを拠点にヨーロッパ旅行をしました。

 

息子自身が本人の【自己受容】を深めるために、幼少期の思い出をたどってみたいと言い出し、なら家族旅行でと計画したものの、
コロナ禍のせいで2年半延期を余儀なくされていましたが、ようやく出発できました。

 

当時の思い出を振り返るとともに

この数年で激変してしまった世界を

自閉症スペクトラムの息子の目線で

どう感じたのかも交えて綴る旅行記です。

 

【過去記事】

【1】海外で自閉症スペクトラム児を育てた思い出を振り返る旅①

 

【2】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅② ドイツのマスク事情

 

【3】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅③現地幼稚園クビ事件

 

【4】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅④ 孤軍奮闘だった当時の子育てを思い出す

 

【5】ASD息子との欧州旅行記⑤ハンブルグ日本人学校へ

 

【6】ASD息子との欧州旅行記⑥ハンブルク郊外の森へ

 

 【7】ASD息子との欧州旅行記⑦元園長先生とハンブルク市内の思い出の場所を散歩

 

 

わたしの息子は幼少期から

 

「先の見通しがつかないことが苦手」

「自分がイメージしたとおりに物事が進まないとパニックになる」

「感情をストレートに出し、かんしゃくがはげしい」

 

という特性(性格)があります。

 

長い年月をかけて

本人なりに克服してきましたが、

いまだに「臨機応変」は苦手です。

 

限界を超えると、パニックを起こし

なだめる声も耳にはいらず、

過去のつらかった出来事が

フラッシュバックするときも

おとなになった今もまだあります。

 

時には私や夫に八つ当たりをすることも…。

 

「ま、いいか」

「しかたがないなぁ~」

と、受け流す力(レジリエンス)

が弱いんですよね。

 

それでも、本人なりに努力をしてきて

今はもうかなり

感情のコントロールができるように

なってきていたのですが…。

 

そんなふうに

自分と向き合い

日々がんばっている息子を

 

これでもか…

じゃあ、これはどうだ…

と、次から次に、

 

これは何かの呪いですか?

と泣きたくなるくらい、

 

今回のヨーロッパ旅行では

息子のストレス耐性が試される

トラブルが続きました。

 

 

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なんと、予定どおりだったのは、

出発時の関西空港→パリ→ハンブルク便だけでした。

 

残りは、機体トラブルやストなどの理由で

欠航となってしまいました。

 

ちなみに、航空券もホテルも

すべて個人で手配していたため

旅行代理店などからのフォローはなく、

 

何かトラブルが起こっても、

自己責任で解決しなければなりません。

 

 

 

  1回目の欠航は、今まさに搭乗…の直前。

 

 

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ドイツ・ハンブルク空港

 

まず、1回目のキャンセルは、

拠点にしていたハンブルクから

イタリア旅行へと向かうさいの往路でした。

 

セキュリティチェックも済ませ、

さあこれから飛行機に乗るぞ。

 

…というまさに搭乗口の目の前で

「欠航になった」とメールが届きました。

 

しかも、

 

「振りかえ便は翌朝、

しかも直行便は手配できず

フランクフルト経由なので

時間かかるけどごめんね」

 

という追い打ちをかける通知も来て、

 

納得できず、ひとこと文句を言ったろと

カウンターに並んで交渉を試みるも

けっきょく、その代替便しかなく、

丸一日出発が遅れることになりました。

 

 

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「オレ、あたまが爆発しそう…」

と、パニックになりそうなのを

抑えて苦しそうな息子に、

 

「とりあえず腹がへったし、むかつくけど

明日にはローマに行ける手続きはできたし

これから、ハンブルグででハンバーガーを食べようぜ」

 

とダジャレを言って

息子をなぐさめようとする父親に、

 

苦笑いしながらも

「そうだね」と答える息子をみて、

ああ、ずいぶん成長したなぁ

と思いました。

 

 

 

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翌日、気を取り直して

一日おくれでイタリアへと向かい…、

 

 

 

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 ローマ・コロッセオ

 

無事にローマに到着し、

 

息子も、

「昨日はものすごくつらかったけど、

なんとか怒りを爆発させずに

コントロールできたし、

今こうして楽しめてよかった」

 

と、気持ちをきりかえてくれて

私もほっとして。

 

 

イタリア家族旅行を

満喫していたのですが…。

 

 

  2回目のキャンセルは、代替便も手配してもらえず、
必死で代替便を探す両親の隣で、静かにパニくる息子…

 

 

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なんと、この素晴らしい青空のもとで、

 

「(帰りの)翌日のフライトが

欠航になりました。

なお、

イタリア全土の空港ストライキのため

代替便の手配もムリです。

返金するので、あとは

自力でどうにかしてね~」

 

との非情なメールが届きました。

追い打ちをかけられました。

 

行きだけでなく帰りまでも…

 

この状況は、さすがの息子も

努力でコントロールできる

レベルの限界を超えて

顔面蒼白のパニック顔でした。

 

とはいえ、

その後の観光をあきらめて

パソコンとスマホを駆使して

自力で代わりのチケットを

確保しなければならないという

切羽詰まった状態だったので

 

両親である私と夫も

息子のフォローどころではなく、

3時間ほど息子を

放置していたのですが、

 

それでも、

深呼吸をしながらなんとか

怒りを抑えようとしている

息子の姿を横目で見て、

 

高校生の頃までは、

他人の目も関係なく

大パニックになるような子だったことを

思うと、成長したなぁと

親ばかですが、嬉しくなりました。

 

 

その後、なんとか代替ルートでの

チケットも無事に確保し、

 

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翌日、まずは

鉄道でイタリアを脱出し、

 

アルプスを越えてオーストリア経由で

ドイツへと向かい、

 

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ミュンヘンから飛行機で

ハンブルクに無事に戻りました。

 

行きは一日おくれ、

帰りも半日はやく、

散々な目に遭った

イタリア旅行でしたが、

 

美しいアルプスの景色を

眺めているときに、息子が

 

「でも、生まれてから何百回も

飛行機に乗ったのに、これまで

一度も欠航に遭ったことがなかったのが

ラッキーだったんだな。

これから海外ひとり旅をするときの

トラブルシュートの練習になったし、

まあ、よかったかな。」

 

と、自分に言い聞かせるように

つぶやく息子をみて

 

想定外のトラブルに遭ったときに

どう切り抜けるか

 

も、今回の旅行のテーマだったので、

 

こんなキツイ状況でも

なんとかなった!

という経験を積むことができて

 

結果オーライですが、

よかったなと思いました。

 

 

…が、このあと、

旅行終盤の日々をドイツで

穏やかにすごしたのちに、

 

最後の最後で、帰国の便までもが

欠航になってしまったのですが…。

 

長くなったので、続きは

次の記事にて。

 

 

 

 

 

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