お遍路さん日記 12〜リタイアと とびきり嬉しいご縁〜 | しまだの芸術活動記。

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日々笑ったり泣いたりはしゃいだり小躍りしたり…
おおいそがしなのであります。


前回のお話。



朝。



おっちゃんが、納経帳をいくつか見せてくれた。







どう見ても最近のものではない。



こちらはなんと、おっちゃんの叔母さんの納経帳だそうで。



昔は今みたいな綺麗に装丁された納経帳はなかったから、自分で綴ったりもしたみたい。



札所となっているお寺が、昔は神社だったり。





まだ わたしが行けてない 1番札所 霊山寺の!



馴染んだ紙質や

文字のかすれや染みから

年月を感じる。





ご先祖さまから代々お家がへんろ道沿いだから、昔からお遍路やお遍路さんがとても身近な存在だったんだよ〜ってお話を聞かせてくれた。



おっちゃんのルーツを垣間見た。



なるほどなぁ。


こうやってお接待の精神が脈々と受け継がれ、

今となってはDNAにも刻み組み込まれているんじゃないかしら…


なんて思いにふけっていたら、おっちゃんが



そういや おまはん、芝居をやっとるっちゅうやないか!

おまはん、女優か!


と 言ってきた。


そう勢いよく言われると大変恐縮ですが、いっちょまえに そういうこともさせてもらってます。


と 答えたら、笑


おっちゃんは、わたしの巡礼上演の夢を面白がって聞いてくれた。


おかあさんが昨夜のことを話してくれていたみたい。^ ^クローバー


そして、そういうことならお寺やお坊さんとも繋がりがあるから、話してみてあげる とのこと!



わお!おっちゃん!ほんと!?嬉しい!!!

(((o(*゚▽゚*)o)))



……けど、おっちゃん、わたしのお芝居観たことないけど、いいの?(°_°)


自分でいうのもなんですが、つまらない可能性もなくはないです…し……ねぇ?(°_°)


見切り発車でオススメしてもらっちゃって大丈夫なのかしら…(°_°)


なんて、まごまごしていたら、


身支度を終えたデヴォンさんがやって来た。



流れ星流れ星流れ星





デヴォンさんはおかあさんに頼んで、

持参している丈夫そうなビニール製の大きな水筒?ウォーターバッグ?いっぱいに、お水をもらってた。 

2リットルだって!

パンパンに膨らんだそれはとても重たそうだったけど、


自然への感謝とか思いやりも背負って一緒に歩いてるんだな。と感じて、

昨日、道々たくさん買ったペットボトルや注ぎ込んだ硬貨が浮かんで、

チクリとどこかが痛んだ。





ハワイも、四国も、お2人にとっては地続きなんだろうなぁ。



2人とも とにかく身軽。

リュックも、服も、靴も、髪の毛も。

なべいわ荘で、洗面台に広げてあった洗面道具一式もシンプルだった。

なるほどなぁ。

わたしも坊主にし……と浮かびかけて、それはまあ、わたしは今じゃなくていいかな。と否定した。笑



みんなで写真!




2人をお見送りした。

多分、この旅で顔を合わせるのはこれが最後。


ちょっぴり切ないけど、お互いの無事とマメの治癒を祈って別れた。



いってらっしゃい

いってきます



そのくり返しで

お遍路は続いていく。



足足足



さてさて わたしはどこへ向かおうか。


マメによる足の激痛で、心が折れている。


旅は今日を入れてあと2日。

明日の夜、予約したバスに乗って帰る予定。

どうしようかな。



………。




……………。





止まっていたい。

どこにも向かいたくない。笑





いやいや。いかんいかん!進まねば!

あたしゃ何しに来たんだい。

歩き遍路に来たんだろがい。

爪痕残せてないんじゃない⁉︎

次 また いつ 来られるかも、ハッキリわからないんだし…

ここで終わったら…

道に迷って、

荷物送り返して、

マメつくって、

ぶつぶつ愚痴や弱音をこぼしながら泣きべそかいたことばっかりが印象に残ってしまうのではないか……⁉︎

それは、いかん!

足跡を残さな!!!

でも、足、もげそうに痛いんじゃーーー!!!


(༎ຶρ༎ຶ)



と、いうことで、

折衷案。



おっちゃんに昨日ピックアップしてもらった恩山寺まで送ってもらって、お参りをして、

歩いて鮒の里まで帰ってくる具合で、

その先に進むのか?はたまたどうするのか?

様子を見ることにしました。



荷物はそのまま置いといたらいいけん。^ ^


わーい!助かります!ありがとうございます!

ヽ(;▽;)ノ



ん。

これ、昨日のスタートと全く同じやないか。

んん?

わたし、なんで、リュック持ってきたんだっけ?笑

背負ってない時間が多すぎて、なんかもう色々反省。。。

こんなはずでは。。。なかった。。。笑




足足足もやもや




恩山寺さんは、坂を登ったところにあった。


歩くのがしんどい。痛い。

小指側で着地してみたり

かかとで歩いてみたり

色々するけど

一歩一歩もれなく痛い。(T_T)


ものすごーーーく のろのろと

ものすごーーーく へっぴり腰で歩いた。


ふぁー

なんとか到着。



18番札所 恩山寺




お経は丁寧に。

でも立ってるのがしんどい。

ついお経を唱えながら痛みがよぎる。

だめだめ。と、気を戻す。


歩き出しは、もっとしんどい。

昨日よりも、歩き出しが更にしんどい。

あーーーもーーーしんどいーーーーー。



眉間にしわ寄せながらも

なんとか納経所へ。



納経してもらいながら、

昨日までのことや

歩き遍路の印象

今苦しんでいるマメのこと

花いちもんめの巡礼上演の話 などなど…


足がズキズキ痛くて 休みながらでないと歩けない分、ゆっくりお話が出来た。



マメ、やるじゃん!

悪いことばっかりじゃない。^ ^



それから鮒の里へ歩いて戻った。


遠いなぁ…

まだかなぁ?

あんなに ぴゅーっと車で連れてきてもらった道が長い。長い。

痛いなぁ…

遠いなぁぁ…

痛いなぁぁぁ…

しんどいなぁぁぁ…

まだかなぁぁぁぁぁ……



普段ならぺろっと歩ける3.5kmが遠い。遠い。


もー。なんで普段じゃないのーーー。



……って、

わたしやっぱり愚痴と弱音しか言ってないじゃないかー!

……こんなはずでは……

と、これも、言っても仕方ないやつじゃないかーーー!



あーだこーだ

思考がごちゃごちゃ。



目線がついつい下にいく。



 


お宿で貸していただいたお靴。

履き始め、歩きやすくて嬉しかったのに、

その感覚は今はもうどこかに飛んでっちゃった。

と、いうか、今はもうわたしに合う靴は、どこにもないでしょう。

かといって 裸足にもなれず。

地獄。



地獄って

こんなにすぐ、

すぐ足元に広がっているのね、

地獄って。。。。。




目線を上げたら、サギ?が居た。


真っ白くて綺麗だった。



なめくじのように歩いて

ようやく鮒の里へ到着。


た、ただいま……!!!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)


昨日と同様、げっそりしながら中へ入ろうとして…


は!

そういえば、鮒の里、撮ってない!

と気付き、お写真を。




外も素敵なんです。


お庭もお宿も、おっちゃんが全部建てたんだって。すごいよね。



足足足



さーて、この先どうするか。



鮒の里から19番の立江寺は近い。


けど、その次の鶴林寺は13km先。


山の上にあるから、

鶴林寺へ行くならその先の山を降りたところまで歩くしかない。


立江だったら…近くに駅がある。




むむむ。




悔しいけど…

今回はここでリタイヤするか…。


もうとてもじゃないけど山は登れないし…。


次また前向きに歩くためにも、辛い苦しいイメージで終わるのは嫌だし。



と、いうか



ただ もう 歩きたくなかっただけ感は否めない!笑



でも、リタイヤすると決めたわたしの心は

羽が生えたように軽くなった。


今ならどこへでも行けそう!


……ん?(°_°)笑



わたしの決断を聞き、おっちゃんが駅までまた車で送ってくれた。


情けないなぁ(´ `)

と、実はまだちょっと自分を許せていないわたしを見透かしてか、

おっちゃんのトークは明るくて軽やかで優しかった。

おかあさんとの馴れ初めを聞いたりして。ふふふ。


あっという間に 立江駅に到着。





ほしたら次は、またここから続きをまわればいいけんな!

芝居のこともお寺さんに話しとくけん、また泊まりにきなさい。

鮒の里を知らんっちゅうお遍路さんは、もぐりやけんな!はっはっは!



おっちゃん…!!(;_;)キラキラ


ありがとうございました。

たくさんお世話になりました。

いつになるかはわからないけど、必ずまた来ますね!

歩き遍路、コツコツがんばります!


(>_<。)


うるうるしながら 精一杯伝える。




おっちゃんはニコニコしながら聞いて、



はいはい、じゃ、またー!


と、ブーンと去って行きました。

 

 

 




えええ。


おっちゃん なんともあっさりだなぁ。

おセンチなのはわたしだけかぁ。

おろろん。(;_;)



流れ星流れ星流れ星




電車きた!




(あとから、「実はね、あれ、電車じゃないんですよ。ディーゼルカーなんです。徳島は日本で唯一電車のない県なんですよ。」って、平等寺の副ご住職に教えていただいてびっくり!確かに!電線に繋がってなかった!し、思い返してみると、軽油かな…?独特なにおいが漂ってたー!°д°)



列車に揺られながら なんとなく余韻を噛みしめる。

やっぱり しまだ おセンチ。



明日の夜まで何して過ごそうかなぁ。

阿波踊り会館…眉山…渦潮…


ぼんやりと考える。

揺られながら。





徳島駅へ到着。



急遽取ったホテルのチェックインまでまだ少し時間がある。



ひとまずヨードチンキを買いに薬局へ。


おっちゃんの言いつけを守りたくてあの茶色のような黄色のようなやつを探すも 見当たらず。


店員さんにも聞いたけど無かったので、よく見かけるいつもの青いキャップの消毒液を買った。



それから一息つきたくなって、スタバへ。


「一口どうぞ」といただいた季節限定のカボチャのスコーンがすごく美味しくて。


思わず買っちゃった。




甘いものが染みる。

コーヒーも染みる。

と、いうか、お遍路中は なにかと染みる。



流れ星



まもなく、おっちゃんから電話が来た。


おや?わたし、何かお宿に忘れ物でもしてきちゃったかな?



おう、今大丈夫か〜?徳島駅着いたか〜?

芝居の話だけどなぁ、あれ、寺でやる前になぁ、うちでやったらどうかと思ってなぁ!


囲炉裏のあるあの部屋の障子を開ければ、ちょっとした舞台になるけん。そこでまず一度やってみてだなぁ、それを観てもらって、万が一にも好評だったら寺の行事に合わせて公演出来ないか相談してみるっちゅうんはどうか?


おまはんの都合次第やけどな、10月にお試し公演を鮒の里で。どうや!




( °Д°    )流れ星




((((( °Д°    ))))))))流れ星流れ星流れ星





聞きながら大興奮。

次第に電話を持つ手が、心臓が、プルプル。



おっちゃん!やりたいです!お願いします!



流れ星流れ星流れ星



こうしてなんとまあ思いがけず

四国で花いちもんめ上演の夢が突如前進し、

来日ならぬ、来島?来徳?の機会が

幸運にも舞い込みましたとさ。



ほんとに?

ほんとに?


スピーディーでハートフルな展開に頭が追っつけず。笑


ものすごい勢いで嵐が過ぎ去ったような。

なんとも言えない心持ち。

猛然と現れた嬉しいご縁や、ご縁や、ご縁に、しばらく震えが止まらず。


多分 宙にも浮いていたんじゃなかろうか。



はわわわわぁぁぁ……


嬉しい!またすぐ会えるのね!



鮒の里のおっちゃん

こと、

吉成さん!!!




後から気付いた

奇跡の2ショット。笑



そうしておっちゃんと電話を切った後、

めだか屋のおっちゃんとも即電話。


徳島にはベリーナイスな おっちゃんがいっぱい居る!!!笑




増田さんが、お宿をオススメしてくださったから、わたしは吉成さんと出会うことが出来たのです。


ありがたや。


増田さんからも激励の金言をいただいて、電話越しにペコペコ。


スタバのお店の外で、さぞ騒々しかったことでしょう。。。ごめんなさい。。。笑



音符音符音符



早速、策を練り始めた。


明日何しようかを考えていたメモの続きに、

来月の公演に向けて必要なあれこれが書き足されていく。


スコーンとコーヒーの味が、さっきと違って感じた。



頭も心も全速力で動いて止まってくれず。


暴走してとっ散らかってきたところで、ホテルへ移動した。


1人だけの静かな空間で、更に練る。



お腹が空いたので、今朝 鮒の里のおかあさんが持たせてくれたおにぎりをいただく。


本当はお遍路の途中でいただく予定だったんだけど…



頬張ったら

わたしの好きな梅だった。



好きなものは後に食べる派なもので。



お行儀が悪いけど

もうひとつのおにぎりを頬張った。







両方、梅だった。


あはは。


なんか、ほっこり。^ ^

美味しかった。





公演のことは、ある程度のところまで考えて、一旦寝かせることにした。


焦らず 帰ってからの宿題にしよう。^ ^



そうして、明日の予定を決めた。



少し前から気になっていたんだけど、

今、このタイミングで、そこへ行くことに

更に意味があるような気がして。



夜ご飯は、駅前のタクシーのおっちゃんに聞いたお魚の美味しいお店で食べた。





どれも美味しい〜!



さすが。

徳島のおっちゃん達が言うことは、

多分、全部、間違いない。笑



最後に出てきた 梨のシャーベット音符

梨のしゃりしゃりと

氷のシャリシャリが

ものすごく美味しかった〜音符




お腹いっぱいでホテルへ戻り、


明日のワクワクと

来月のワクワクが

ベットの中まで押し寄せる中、眠った。



マメは、まだ、痛い。




足流れ星足流れ星足流れ星