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THE GRAND BUDAPEST HOTEL

「グランド・ブダペスト・ホテル」★★★☆☆
(UK, 2013/w)

『ダージリン急行』『ムーンライズ・キングダム』の監督、ウェス・アンダーソンらしい群像ミステリー・コメディ。

豪華キャストより演出や美術に目が留まり、
さらにミステリーというよりコメディ色が強い。
でもほんのりとペーソスも感じさせるさすがの監督。

BOYHOOD

「6才のボクが、大人になるまで。」★★★☆☆
(USA, 2014/w)

『ビフォア・ミッドナイト』のリチャード・リンクレイター監督が、
オーディションで選ばれた6歳の少年エラー・コルトレーンを実際に12年間をかけ撮影したヒューマンドラマ。

『いとしきエブリデイ(2012)』の”撮影期間5年”にも驚いたのに、
この作品はそれより前から無名の6歳の少年を18歳になるまで毎年撮影していた。
そして両親役はパトリシア・アークエットとイーサン・ホーク。
もちろん彼らも同じように12年間で年齢を重ねる。

12年間で人は変わるし何があってもおかしくない。
イーサン・ホークが復帰できないほどの犯罪を犯したり、
主演の少年エラーがぐれちゃったり。

でもそれが現実の成長と変遷だと監督は考えたのだろう。
実際あれほど可愛かった少年エラーが中盤画写りが悪くなる姿はとても現実的。
でも最後の18歳にはいい味がでてくる。

関わった全ての人たちの映画魂に感服。

ANY DAY NOW

「チョコレートドーナツ」★★☆☆☆
(USA, 2012/t)

舞台はまだ同性愛者に理解が乏しい1970年代のアメリカ。
あるゲイカップルが育児放棄されたダウン症の少年を家族に受け入れたいと、
絆を深めていく実話から生まれた涙涙のヒューマン・ドラマ。

アラン・カミングはいいし、ストーリー展開もいい。
最後の歌もとってもいい。

だけれども描写足らずで気になる点が。
ルディがマルコを養子にしたいと思ったきっかけがよくわからない。
ただ親に見放された可哀想な子を助けたいなら親にアプローチするだろうし、
初めから養子にしたいというのが、ものすごく私利私欲に走っていて違和感を感じる。
あとはマルコの最後のシーン。
3日も迷子になってたら、さすがに見つけられるでしょう。

脚本の詰めは甘いが、そんな細かいことは気にせず、
とにかく感動しようという時にはいい。

DHEEPAN

「ディーバンの闘い」★★★☆☆
(France, 2015/リーブル神戸)

『預言者』『君と歩く世界』の監督による2015年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞の作品。
妻と子を殺された元兵士が、内戦が続くスリランカを逃れ、他人と家族を装いフランスに入国する。

主演のディーパンは実際に16~19歳まで少年兵として戦った経験をもつ。
生きることを渇望する彼の姿はリアリスティックではなく現実だった。

DEAREST

「最愛の子」★★★☆☆
(CHINA/HONGKONG, 2014/リーブル梅田)

中国で実際に起こった児童誘拐事件を基に描く感動のヒューマン・ミステリー。

誘拐された我が子を数年間捜し続け、ついに感動の再会を果たす、
という有象無象のストーリーではない。

我が子を誘拐されてから数年間必死になって捜索を続ける生みの親と、
誘拐されたその子を、不妊の妻の代わりによその女に産ませたという夫を信じ
我が子のように数年間育てた里親と、2方面からストーリーは描かれている。

3~6歳というのは子供にとっても大切な時期。
実の親と思っていた里親と無理やり引き離され、なきじゃくる子供の姿には胸が痛む。

ここで議論されるべきは血脈云々ではない。
それを超えたもっと深い部分での繋がりがそれぞれにある。
血縁は確固たるものではあるけども、人間関係においてあまり意味を持たない。

SON OF SAUL

「サウルの息子」★★★★☆
(Hungary, 2015/リーブル梅田)

1944年アウシュヴィッツ強制収容所が舞台のハンガリー映画。

全編主人公サウルにフォーカスが当たる寄りの画で、
周囲はピントがあっておらず、その場で起こっていることが鮮明には見えない。
全貌が鮮明でなく音だけの情報しかないことでより恐怖感を煽り、
見るものの想像力を掻き立てている。

監督はインタビューで「観客に内側から体験して欲しかった」と。
以前短編を撮った時にこの手法を思いついたそう。

始めはこの映像にストレスを感じる。
それはおそらく自分が映画を見ている立場と認識しているから。
そのうち徐々に自分も映画の内側に入り、
登場人物らと時間と空間を共有するようになる。

ラースロー監督の思う映画とは観客に未知の世界を体感させること。
よりリアルに映すためフィルムしか使わない。
そしてまさに”体感”を実現させたなんとも秀逸な監督。
ただ2時間体感するととても体力が消耗する。

THE DANISH GIRL

「リリーのすべて」★★★☆☆
(UK/Germany/USA, 2015/Sevilla)

世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話。
女性になる自分に恍惚としたり葛藤したりするエディ・レッドメインがいい。

それに引き換え、妻役のアリシア・ヴィカンダーがひどい。
彼女の怒りの演技の度に膨らませる鼻が気になって仕方ない。
なのに、後に、アカデミー賞助演女優賞を獲得。
もうオスカーにはほとほとがっかり。

AN (Sweet Red Bean Paste)

「あん」★★★☆☆
(Japan, France, Germany, 2015, 113min/Madrid)
Director&Writer:河瀬直美

永瀬正敏、樹木希林、河瀬監督。マドリッドで見つけた唯一の日本映画。
前日開始30分前に着いて完売だったので今日リベンジ。

浅田美代子が扮するどら焼き屋のオーナーは悪者役。
毛皮のコートに仔犬を抱いて、理不尽に罵倒する様。
なんてベタな、、と失笑してしまった。
今世間にはびこる悪はもっと陰湿で外からはわかりにくいもの。
最近の川瀬監督には少し万人受けを狙う傾向がありとても残念。

でも、樹木希林の奇異で穏和で可愛らしさの絶妙なバランスは、
スペイン人にも十分伝わってた。

そしてなにより、ハンセン病隔離の廃止から20年、
いまなお残る偏見や差別の事実を知るには重要な作品。

45 YEARS

「さざなみ」★★★★☆
(UK, 2015, 95min/Madrid)
Director&Writer:Andrew Haigh

結婚45周年を迎える夫婦のもとに、一通の手紙が夫宛てに届く。
その手紙は夫が若かりし頃に付き合っていた女性の訃報。
物語は手紙が届いた月曜日から結婚記念パーティーが行われる土曜日までの1週間を描く。

妻役はシャーロット・ランプリング。
『まほろし』『スイミング・プール』とか、嫉妬とか執着に溺れた女のイメージしかない。
でも観終わった後必ず、他にこの役はできないと思わせる強烈な印象を残す。
そこにいるだけで不穏な空気を出す唯一無二の存在。

WALK IN THE WOODS

「WALK IN THE WOODS」☆☆☆☆☆
(USA, 2015, 102min/Burgos)
Director&Writer:Ken Kwapis

ブルゴスにて米映画でもみてリフレッシュと思いきやスペイン語吹き替え。
冒頭10分ぐらいロバートレッドフォードはスペイン語が喋れるのかと勘違いしたぐらい吹き替えの精度が高い。
言語が似ているからか、同じ欧米人だからか、違和感がなくてとても自然。

“Vamos”しかわからなかった。
それでも、もし字幕だったとしてもたぶんつまらない。

http://www.bbfc.co.uk/releases/walk-woods-2015