BOYHOOD
「6才のボクが、大人になるまで。」★★★☆☆
(USA, 2014/w)
『ビフォア・ミッドナイト』のリチャード・リンクレイター監督が、
オーディションで選ばれた6歳の少年エラー・コルトレーンを実際に12年間をかけ撮影したヒューマンドラマ。
『いとしきエブリデイ(2012)』の”撮影期間5年”にも驚いたのに、
この作品はそれより前から無名の6歳の少年を18歳になるまで毎年撮影していた。
そして両親役はパトリシア・アークエットとイーサン・ホーク。
もちろん彼らも同じように12年間で年齢を重ねる。
12年間で人は変わるし何があってもおかしくない。
イーサン・ホークが復帰できないほどの犯罪を犯したり、
主演の少年エラーがぐれちゃったり。
でもそれが現実の成長と変遷だと監督は考えたのだろう。
実際あれほど可愛かった少年エラーが中盤画写りが悪くなる姿はとても現実的。
でも最後の18歳にはいい味がでてくる。
関わった全ての人たちの映画魂に感服。
ANY DAY NOW
「チョコレートドーナツ」★★☆☆☆
(USA, 2012/t)
舞台はまだ同性愛者に理解が乏しい1970年代のアメリカ。
あるゲイカップルが育児放棄されたダウン症の少年を家族に受け入れたいと、
絆を深めていく実話から生まれた涙涙のヒューマン・ドラマ。
アラン・カミングはいいし、ストーリー展開もいい。
最後の歌もとってもいい。
だけれども描写足らずで気になる点が。
ルディがマルコを養子にしたいと思ったきっかけがよくわからない。
ただ親に見放された可哀想な子を助けたいなら親にアプローチするだろうし、
初めから養子にしたいというのが、ものすごく私利私欲に走っていて違和感を感じる。
あとはマルコの最後のシーン。
3日も迷子になってたら、さすがに見つけられるでしょう。
脚本の詰めは甘いが、そんな細かいことは気にせず、
とにかく感動しようという時にはいい。
DEAREST
「最愛の子」★★★☆☆
(CHINA/HONGKONG, 2014/リーブル梅田)
中国で実際に起こった児童誘拐事件を基に描く感動のヒューマン・ミステリー。
誘拐された我が子を数年間捜し続け、ついに感動の再会を果たす、
という有象無象のストーリーではない。
我が子を誘拐されてから数年間必死になって捜索を続ける生みの親と、
誘拐されたその子を、不妊の妻の代わりによその女に産ませたという夫を信じ
我が子のように数年間育てた里親と、2方面からストーリーは描かれている。
我が子のように数年間育てた里親と、2方面からストーリーは描かれている。
3~6歳というのは子供にとっても大切な時期。
実の親と思っていた里親と無理やり引き離され、なきじゃくる子供の姿には胸が痛む。
ここで議論されるべきは血脈云々ではない。
それを超えたもっと深い部分での繋がりがそれぞれにある。
血縁は確固たるものではあるけども、人間関係においてあまり意味を持たない。
SON OF SAUL
(Hungary, 2015/リーブル梅田)
1944年アウシュヴィッツ強制収容所が舞台のハンガリー映画。
全編主人公サウルにフォーカスが当たる寄りの画で、
周囲はピントがあっておらず、その場で起こっていることが鮮明には見えない。
全貌が鮮明でなく音だけの情報しかないことでより恐怖感を煽り、
見るものの想像力を掻き立てている。
監督はインタビューで「観客に内側から体験して欲しかった」と。
以前短編を撮った時にこの手法を思いついたそう。
始めはこの映像にストレスを感じる。
それはおそらく自分が映画を見ている立場と認識しているから。
そのうち徐々に自分も映画の内側に入り、
登場人物らと時間と空間を共有するようになる。
登場人物らと時間と空間を共有するようになる。
ラースロー監督の思う映画とは観客に未知の世界を体感させること。
よりリアルに映すためフィルムしか使わない。
そしてまさに”体感”を実現させたなんとも秀逸な監督。
ただ2時間体感するととても体力が消耗する。
AN (Sweet Red Bean Paste)
(Japan, France, Germany, 2015, 113min/Madrid)
Director&Writer:河瀬直美
永瀬正敏、樹木希林、河瀬監督。マドリッドで見つけた唯一の日本映画。
前日開始30分前に着いて完売だったので今日リベンジ。
浅田美代子が扮するどら焼き屋のオーナーは悪者役。
毛皮のコートに仔犬を抱いて、理不尽に罵倒する様。
なんてベタな、、と失笑してしまった。
今世間にはびこる悪はもっと陰湿で外からはわかりにくいもの。
最近の川瀬監督には少し万人受けを狙う傾向がありとても残念。
でも、樹木希林の奇異で穏和で可愛らしさの絶妙なバランスは、
スペイン人にも十分伝わってた。
そしてなにより、ハンセン病隔離の廃止から20年、
いまなお残る偏見や差別の事実を知るには重要な作品。









