SING STREET
「シング・ストリート 未来へのうた」★★★☆☆
(Ireland/UK/USA, 2015/シネ・リーブル梅田)
『ONCE ダブリンの街角で』『はじまりのうた』のジョン・カーニー監督の音楽青春映画。
80年代のアイルランドを舞台に、悩み多き日々を送る14歳の少年が好きな女の子を振り向かせようとバンドを組み、音楽を通して仲間たちとの友情を深めていく。
今回、初演技の主人公コナー役はフェルディア・ウォルシュ=ピーロ。
彼が徐々に男前になっていくさまは見もの。
中盤から気になり始めたのが、コナーの10歳以上離れた、全てを諦めた堕落的な生活を送る影の薄い兄。
よくよく思い起こすと、コナーに音楽の素晴らしさを教え、尻込みするコナーを奮起させ、大事な時にはいつもコナーのそばにいた。
観終わった後になって気がついた。
これは、音楽映画、青春恋物語でも友情物語でもなく、美しい兄弟愛物語。
セトウツミ
「セトウツミ」★★☆☆☆
(Japan, 2016/テアトル梅田)
同名漫画を映画化した関西の男子高校生2人のワンシチュエーション会話劇。
映画館で構えて観るより、
家でだらだらDVDで見た方が素直に笑えたかな。
THE PROGRAM
「疑惑のチャンピオン」★★★☆☆
(UK, 2015/リーブル梅田)
25歳にガンを克服し、99’〜05’の自転車レース“ツール・ド・フランス”で7連覇という偉業を成し遂げたランス・アームストロングの実録ドラマ。
その後、長年の疑惑だったドーピング行為が明らかとなり全タイトルを剥奪された。
これほどの大罪を長年彼一人で目論めるとは思えない。
”ガンを克服した絶対王者”を創り上げたのはチーム、監督、マスコミ、スポンサー、バイクメーカー、レース主催者、自転車界全体。
皆で長年彼の不正を隠蔽し、彼を売り物にしたといっても過言ではない。
そんな環境が彼に「当時は悪いことだと思わなかった」と言わせたのだと思う。
今ロシアでも組織的なドーピング行為が問題視されている。
もともとあまり興味がないスポーツ観戦、どんどん敬遠してしまう。
ふきげんな過去
「ふきげんな過去」★★★☆☆
(Japan, 2015/テアトル梅田)
小泉今日子の熟練された空気感、二階堂ふみの不貞腐れ面、どちらもいい。
なんかお似合いの2人。同じ種類の美人だし。
森で遭難とかワニに子供が食べられたりとか爆破テロとか、
たまたまとはいえ時事ネタが多い。
残念なのはラストカット。
顔アップで余韻残して音楽インのエンドロール。
日本映画でこのパタンが多用されるのにはなにか理由があるはず。
二重生活
「二重生活」★★★☆☆
(Japan, 2015/リーブル梅田)
小池真理子の同名小説の映画化。
注目『愛の渦』の門脇麦は期待通り。
彼女のような女優らしさがない若手俳優は他にいない。
一方の菅田将暉。ここ最近、どの日本映画を見てもが出てくる。
テレビでもトーク番組、CMとほぼ毎日といっていいぐらい。
少し食傷気味。
しかし監督が何かのインタビュー記事で菅田将暉を絶賛していた。
菅田将暉は門脇麦の同棲相手役、彼女を見送った後、一人部屋に残った彼をそのままカットをかけずに回していたら、彼はおもむろに彼女の脱ぎ散らかした部屋着をたたみ始めた、と。
役柄が出ていて、さすがの即興だったと。
そのシーンは確かに印象深くて記憶に残っている。
彼に飽きていた私は彼のシーンを素直に観てなかった。
自業自得とはいえ、やっぱり映画俳優にはあんまりTV出てほしくないな。
作中に出てくるソフィ・カルの書籍『本当の話』は現在品切れ状態で中古は13,000円の高値。
出版元に問い合わせるも今のところ重版は未定。
LOOK WHO'S BACK
「帰ってきたヒトラー」★★★★☆
(Germany, 2015/TOHOシネマズ)
現代にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラーが、モノマネ芸人と誤解されて大ブレイクしていくさまを過激な風刺で描きベストセラーとなった同名小説の映画化。
2012年に発売された原作は非難を浴びながらもドイツだけで200万部を売り上げた。
これだけ聞くとコメディ。
トレーラーの調子も、ジャンル表記もコメディ。
こんな設定を笑いにするなんてさすがドイツ国。
なんて思ってたら、途中から笑えなくなってきた。
ブラックユーモアが過ぎて笑えない、という意味ではなく、笑っていられない。
これは紛れもなく現実世界に訴える社会派ドラマ。
”ヒトラー”と街の人とのやり取りはドキュメンタリー調に撮影されていて、
セルフィーしてくる若者たちがいる一方で、”ヒトラー”を見て嫌悪感をあらわにするモザイクの人など。
観てるこっちがドキドキヒヤヒヤする。
うまく緊張感をもたせた演出をするなと思ってたら、後にこれらは本当にドキュメントだったと知る。
ドイツの街を練り歩く”ヒトラー”を見たドイツ人の率直な反応。
あのネオナチとの対面もドキュメントだったとは。。背筋が凍る。
原作とは異なるラストシーンは、もう冷水を浴びせられた気分。
恐ろしくて震えて、全身鳥肌。
ユダヤ人を”人種差別”し歴史上絶対悪と言われたヒトラーが、
移民問題で大いに揺れる現代のドイツに帰ってきたら、
再びドイツ国民は煽動されてしまうのか。
ディストラクション・ベイビーズ
「ディストラクション・ベイビーズ」★★★☆☆
(Japan, 2016/テアトル梅田)
内容的にはまあ観ないジャンルの映画だけれども、虹郎みたさに。
そして『シュガー&スパイス 風味絶佳 』以降10年ぶりに観た柳楽優弥。
日本の若い俳優が頭角を現してきた。
FAKE
「FAKE」★★★☆☆
(Japan, 2016/第七藝術劇場)
あの森達也監督があの“ゴーストライター騒動”の佐村河内守氏に密着したドキュメンタリー。
小さな嘘から始まり、
その嘘を突き通す為にまた別の嘘をついて、
嘘で嘘を塗り固めるうちにどんどん事が大きくなって、
それに自分自身が圧迫されて胸苦しくなって奈落の底へ、
と思いきや、また引き上げられてという無限ループ。
何が真実かはわからない。
まあ真実なんてあってないようなもの。
CHRONIC
「或る終焉」★★★☆☆
(Mexico/France, 2015/テアトル梅田)
辛辣なラストが未だ鮮明に記憶に残る『父の秘密(2012)』のメキシコ出身・ミシェル・フランコ監督第3作品。
様々な人の終焉を描く。
いろんな終焉がそれぞれあるものの終れば皆同じ。
今回もまた衝撃的で様々な憶測が飛び交う問題のラスト。
ただ彼は確かに、車を目視していた。









